フェリス女学院大学講義「文化的多様性とサステイナビリティ」(第7回:2016.11.8)

村民と一緒に行う 除染と農村再生



講師: 溝口勝(高雄綾子)

講義概要 

講義の感想


このページは、受講生のレポートを共有することにより、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、自分とは異なる視点もあることに気づくことで、より深みのある講義にすることを目的に作成しています。
まずは自分のレポートがあるかを確認してください。ない場には受領できていない可能性がありますので知らせてください。

  1.  文系の私には少し難しい内容の部分もあったが、パワポ資料のおかげで「なんとなくああいうことだな」、と自分なりに考えることができた。|行政による従来の除染方法でなく、農家自身の手でできる現実的な除染方法が、もっと広く一般的になればいいと思った。そのために、大人たちへ伝えていくだけではなく子供たちにも伝え教えていくこと、また、当事者たちだけでなく日本中世界中の人たちで、その場しのぎにならない除染方法について考えていくことが大事だと考えた。

  2.  東京大学農学国際専攻国際情報農学研究室の溝口勝教授の講義は、大変面白かった。また、有意義な密度の濃い時間を過ごす事ができた。福島県飯舘村の状況が一日も早く改善される事を切に願う。

  3.  福島県民以上に原発や汚染のことに関して研究してくださってることに有難い気持ちでいっぱいになった。|私も一福島県民として、原発の被害を被り政府などの言っていることを信じられない気持ちは大いにわかるが、様々な面で力を尽くそうとしている人間がいることに目を向けなければいけないと感じる。

  4.  今回、溝口先生に飯舘村の活動に実際にお聞きすることができました。「農学栄えて農業滅ぶ」という言葉やシータの言葉にあるように、私たちの暮らしは土なしでは成り立たないと思わされました。また、飯舘村の人々が国の除染作業によって失ったものがどれだけ生活に影響するのか考えさせられました。除染活動をする際にもそのような現地に対する理解が最も重要なのではないかと思いました。これは、除染活動だけでなく国際協力のような活動にも同じことが言えると思いました。

  5.  放射能について、震災があった直後など今もよく聞く言葉でしたがいまいちつかめてませんでした。しかしお話を聞い、放射能がどのようなものなのか、放射線ではなく放射能と言うところなど、詳しくわかりやすく説明してくださったので、理解することが出来ました。そしてハチ公のお話も面白かったです。

  6.  今回先生のお話を聞いて、復興には様々な形があることを知りました。被災当事者の意見を聞くこと、実際にどんなことが足りないか、どんなものが必要とされているのかを考えることが復興への近道であると感じました。そして国際協力ということについて、先生がおっしゃっていた相手の国に信頼できるパートナーを見つけることが大事であるというお話がとても印象的でした。それによってこちら側からの勝手な意見だけでなく、相手の国の意見をしっかり汲み取ることで、どんなことが必要とされているのか、なにが尊重されるのかを知ることができ、よりより国際協力に繋がると思います。国際協力といっても簡単なことではないこと、覚悟がいることを改めて知ると同時に、国際協力がとても大切であるということを学びました。自分自身でまず最初にできることはなんなのだろうか、なにが必要かを考えてみようと思いました。

  7.  今回、溝口教授の講演を直接聞き、あの小さな新聞記事からは読み取れないことをたくさん聞けたなと思いました。私が実際新聞記事で読んだ時にあまり理解できなかったみんなで協力して除染作業する意味また除染作業してるのに住民から苦情がくるなどといったいみもわかりよかったです。先生の講演は最初から原発災害からの農村再生をするのではなくどんどん導入してくるかんじでとても面白く食い気味で聞くようになってる自分がいました。また、東大生のレポートをみて驚いた自分もいて、もう少し成長しないといけないのかなと刺激をもらう一面がありました。私は是非少しでもいいから農村再生をお手伝いしてみたいなという感情がわきました。

  8.  フェリスの授業で他校の先生の貴重なお話をお聞きすることができ、溝口先生のお話は多くの経験からの様々な地域の日本のことがわかり、生まれてから現在まで神奈川県に住み自らの生活範囲、視野に限らず価値観や意識の向ける先などが狭い世界で過ごしていましたが、意識を向ける先を広げることで「自分」という基準ではなく、「日本」と言う大きさの基準で考えを深めることができ自分の多様化を諮れるよい機会になりました。

  9.  今回は溝口教授のお話を聞きました。|聞き終わってから私が思ったことは震災から5年以上たっているにも関わらず放射能汚染のことについて全く知らなかったことと、間違った情報を信じていたことです。|私は全く知らずに福島のお野菜を食べる時は多めに皮を取ったり、ヘタの部分を大きめに切り取ったりしていました。スーパーに売っているお野菜が放射能汚染されているのではないかと考えていたからです。|しかし、福島の農家は汚染除去作業をし、できるだけ放射能に晒されていないお野菜を考え、工夫して作っていたことに気づきました。| までい工法で作られたお米は新潟などのお米の有な産地よりも放射能濃度が低いと言います。そのようなことは今まで全く知らなかったし、どうやったらそのようなおこめができるのか知る術もありませんでした。| もちろん風評被害は福島外だけではないことも知りました。までい工法にすることによって、水が汚染されるのではないかというクレームが多く寄せられたと聞き、難しい問題は、対処法がわかったとしても、多くの人に理解してもらえないとスムーズに処理することが出来ないとわかりました。今でもまだ、風評被害に苦しんでいる福島の状況を救い出すためには、なるべく多くの人が理解することが大事だと思います。そのためにも次世代を担う私たちが知り、学び、行動していくことでより良い未来に繋がるのではないでしょうか。| までい工法を世に知らしめたり、そのために土を掘り返したり専門的なことをしなくとも、福島のお野菜やお米を使ったり、身近な人、そして将来には子供たちに安全性と理由を伝えていければ間接的ではあるとは思いますが、役立つのではないかと思いました。| 私は、早速家に帰って母にこの話をしましたが、やはり母も知らないことが多く、疑ったり驚いたり様々な反応をしていました。しかし理由を説明することで理解を得ることが出来ました。こんなにも簡単に考えや認識を帰ることが出来るのであれば多くにも通用するのではないでしょうか。

  10.  溝口教授の講義を聞いて、土壌汚染の問題に対して、どう自分たちが向き合っていくか考えさせられたように思いました。ただただ、土壌物理的な知識を蓄えるだけではなんの役にも立たず、それがどのように効果的に実践されるのかどれだけの復興に繋がるのかを1番に、優先的に考えていかなければいけないと思いました。根本的解決をしなければいけなく、上辺だけの解決では全く意味がなく問題はもっと深刻化すると思いました。

  11.  東日本大震災での原発の事故による影響が広範囲にわたってあることを再確認した気持ちがしました。原発のある市以外でも帰ることのできない被災者の方々が多くいることを知り悲しい気持ちになりました。私の地元にも原発があります。もし自分の地域に地震が来たらと思うと本当に怖いです。そのためにも福島の福島原発事故からの復興をもっと知りたいと思いました。

  12.  飯舘村の除染活動において、までい工法を広めている先生は様々な困難を乗り越えてきているのだなと感じた。現地での農民との交流や、信頼して農法を行ってもらうために安全性の証明に第一に取り組んでいたりと先生のユーモア溢れる性格で人々を引きつけているのだと思った。災害には様々な要因があり、その要因以上に危険が発生する。農民の方や未だに避難している人々はその危険と言われるものとどう向き合っているのかがよくわかった気がした。一刻もはやく自分の家に帰りたいが帰れない、帰っても完全に元には戻れない現状を先生のような専門家がたくさん対策をしていることは村の人々も心強いだろう。|

  13.  溝口先生の話を聞いて、初めてこんなに原発問題について深く学べたなと思った。知らない単位などを細かく先生が教えてくださったことで、原発の重要さを身に染みて感じた。私の父母の関係で福島にたくさん知り合いがいる。そのため、先生の話からこんなに大変な思いをされているんだと思った。土は命と同じ価値という表現は確かにそうだなと感じた。知っている土地、なじみのある土地がもう住むことができないと言われたら、心の傷がすごく大きくつくと思う。私はこのことを聞いて、私は微力ながら何かできないだろうかと感じたが、先生の口から今の東大生は自分ではできないと決めつけている人が多くいると聞いた。それは本当に驚いた。日本の最高峰の学生がそんなことを言っていいのかと耳を疑いたくなった。だからこそ、先生の言ってた子供のころから環境考えるような取り組みは賛成だ。私は子供が好きなのでだからこそ、こういった運動に積極的に参加していきたいと思った。

  14.   溝口先生の授業は、すごく面白かったです。フェリスの授業とはちょっと違ったそんな授業でした。| 溝口先生の授業を聞いて、新聞の書いてあることが絶対正しい訳ではないということを気付かされました。今まで、新聞に書いてあることは正しいと思ってたのですが、これからはすべての情報を鵜呑みにせずに自分で調べたりして自分の意見を持つようにしていきたいと思います。|今回の授業は、わたしの知識では難しい部分とかもありました。だけど、知らないから関係ないないやではなく、視野を広げるという意味ではすごく大切なことだと感じました。私にはまだまだ知らないことがたくさんあります。私の知らないたくさんのことを大学でこれからもっと学びたいなと思いました。

  15.  溝口教授の話を聞いて初めて食べ物や物にセシウムが含まれていることがわかりました。また、福島県や原発の被害にあっている県のみが放射線量を調べないということも初めて知りました。私たちは原発に対してとても過剰になっているのではないかと溝口教授の話を聞いて強く思いました。農業再生のための戦略の一つに成功事例を示す。というのは本当に重要だと思った。成功事例がなかったら皆不安を抱いたまま農業をすることになるが成功事例があると不安の部分はかなり取り除かれると思うため溝口先生が掲げた成功事例を示すということはとても共感しました。今の私たちに何ができるのか。私は考えました。私が今できることは被災地についての正しい知識を身につけることだと思います。メディアの情報に惑わされてしまうことが多い現代ですが、正しい知識を身につけていればそのようなことは防ぐことが出来ると思うからです。|

  16.  今回溝口教授のお話を聞いて、今までの飯館村の状況や今のことなど詳しく知ることができました。先週高雄先生の講義で理解したつもりでいましたがまだ理解しきれていなかったと実感でき、新たに吸収することが多くありました。溝口教授は2011年3月11日に震災が起こってから、二ヶ月後の5月には原発被害についての会議に参加されていて今までたくさんの復興につながる活動をされていて素晴らしい方だと思いました。また授業の始めに少し来られた佐藤さんが飯館村出身の方だと聞いて、先週の講義を聞いてからそれまで飯館村の話を聞いていてもすごく遠い事のように思っていましたが、身近に感じることが出来ました。飯館村出身の佐藤さんがどのような活動をして復興を目指しているのか気になったのでフェイスブックを除いて見ようかなと思います。東大の大学院の教授という素晴らしい方にお話を聞ける機会はなかなかないと思うのでとても貴重でした。

  17.   溝口さんが効率よく合理的に被災地の復興作業をしようと努めていたことがよく感じられました。時間と費用のことだけを考えた土壌除染ではなく、その土を使った農地を所有している農民の事をよく考えていらっしゃるのが溝口さんの魅力だと思いました。国が定めた除染方法だと時間も費用も場所もかかるし農民にとって大事な土を荒らされるようなやり方だったのを、溝口さんはすべて物理的に効率よく変え、農民の気持ちになって農業復興に取り掛かっているので素晴らしい方だと思いました。そして、土壌物理学者という立場からここまでの行動力に繋がる復興に関して強い意志があることに尊敬します。

  18.  汚染された土壌は専門的な職業についた人たちや研究者が周りにいない限り、綺麗にすることができないと勝手に思っていたので、自分たちで綺麗にできる方法があることに驚きました。また、自分たちで綺麗にすることができれば、業者に使う予定だった費用や時間も縮小することができ、農家の人たちも余った時間や費用を別の場所に回すことが出来るので効率的だと思いました。土を綺麗にすることがどれほど大事なことなのか、放射能がどれほど危険なのか、溝口先生が提唱する方法がどれほど効果的か、今現地ではなにが必要なのか、知らないということは怖いことだと思いました。また「知る機会がない」と言って遠ざけることも良くないと思いました。私はこの話を聞くまで、放射能に汚染された現地に行ってボランティアをするということにどこか難しさを持っていました。放射能と放射線の違いもよくわからなかったし、ニュースであまり見なくなったために今どうなっているのかを知らなかったし、正直今のままではボランティアをするには力不足だと思います。けれど、自分から情報を掴んでいかないと何も始まらないし、福島の現状を今回の講義で聞いてからはもっと今は何をしているのか、何が必要なのかを少しずつ知りたいと思いました。

  19.  私は文系なので、なかなか理系の分野について考える機会も少なく理解しにくい部分もあったが溝口先生が理系の話を型にはめずいろんな話を交えながらお話ししてくれたのでとても理解しやすく、もっと自分にできることを実行しようとおもえた。

  20.   第6回の授業で取り上げられた『表土削り取り』と『反転耕』の違いを良く知れた。文章では想像しづらかった部分も、スライドショーと補足説明のおかげで明瞭になった。表土削り取りは大きな工事である。それによって行く当てのなくなった汚染された土は山積みにして放置されている。費用も時間も汚染された土を山積みにすることにも限界がある。山積みにされた土は限界が来たとき、どう処分されるのだろうかと考えた。対して反転耕は小規模で安全性も保障されているため、表土削り取りより反転耕を実行すべきだ。しかし私には人々が不安から実行できないでいる気持ちもよくわかる。いくら安全性を保証されていても、数年後に下に埋められた土が何かしらの悪影響を及ぼすかもしれない。たとえありえない事態でも、そういう不安に寄り添い根気よく安全性を訴えることやより納得を得られるやり方を試行錯誤することが、現地に対する理解だと思った。私にはその方法が思いつかないが、実際に農業に関わる人々を含めて、多くの人々が試行錯誤することで見つかることもあると思った。

  21.  震災後の復興について、具体的に何をしているのかあまり知らなかったけれど、溝口さんの話を聞いて、被災者の方々自らが色々なことに関わって復興に向けて頑張っているんだとわかった。|福島の原発事故があった場所にも赴いて、我が身を顧みずというか怖気づくことなく行っていてすごいと思った。|除染も、文面で読んだだけではどのようなものなのかいまいちピンとこなかったが、プリンの例えを聞いてよくわかった。

  22.  追加


みぞらぼ
amizo[at]mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
Update by mizo (2016.11.16)