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東京大学全学自由研究ゼミナール

週刊・福島復興知学講義(2021)

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講義日程

  1. 4/8 秋光(放射線基礎、復興知学基礎)
  2. 4/15 早野先生 (リスコミ)
  3. 4/22 溝口先生 (復興農学)
  4. 5/6 池上先生 (リスコミ)
  5. 5/13 相場先生 (被災者支援)
  6. 5/20 開沼先生 (福島学)
  7. 5/27 関谷先生 (風評被害)
  8. 6/10 総合討論1
  9. 6/17 マンケイ先生 (文化人類学的視点)
  10. 6/24 窪田先生 (まちづくり)
  11. 7/1 土屋先生 (ドローン)
  12. 7/8 川端先生 (廃炉)
  13. 7/15 総合討論2

今日の講義で聞いてみたいことを挙げてください。(事前)

  1. ITを活用した農業経営
  2. どのようにして放射線物質を取り除き、また処理したのか。
  3. 汚染された土はどう処理されているのか。
  4. 汚染土、汚染水の処理は埋めたり、放流して、時間が経って放射性物質が無くなるのを待つ他ないのか
  5. 解決しました
  6. 溝口先生の10年間の取り組みとその成果、今後の課題について。
  7. 土壌除染そのものへの理解がないので、土壌除染そのものを理解したい。
  8. 農学系の先生の視点から見た福島の状況について
  9. 農業再生がテーマとのことですが、僕は震災以降でも放射線が食べ物に与える影響について無知であるために食べ物の産地についてほとんど気にしたことがなく、売られているものは全て安全だと考えてしまっています。放射線が食べ物にどんな影響を与えてしまうのか、ということを実際に食べ物が放射線によって有害なものになった事例と併せて教えていただきたいです。 "
  10. 風評被害はどういった取り組みがあれば取り除けるのか? 除染作業とは具体的にどのような作業か?"
  11. 風評被害をなくしていく方法。
  12. 風評被害をなくすにはどのようにすればよいか。科学的見地に基づいた対策をより広く周知し、納得してもらうためにはどのような説明をすればよいのか。
  13. 福島の汚染された土がほかの場所と変わらないぐらいの安全性になるまでにはどのくらいかかるのでしょうか。
  14. 福島の再生というが、どこが復興のゴールとなるべきなのか。
  15. 福島の除染が具体的にどうやって進んでいったか、また現在完全に作業は終了しているのか "
  16. 福島の農業がどうやって安全と言われるように努力しているのか。 どういう化学分析をしているのか。"
  17. 福島の農業の現在について知りたいと思いました。
  18. 福島の放射線と農作物の、本当の関係性
  19. 福島復興をうたう国の動向はどうだったのか。
  20. 埋めた土が掘り返される心配はないのか。

今日の講義で学習した中で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。(重要と思われる個所にアンダーラインを引きました)

  1. ディスカッションの際の資料で見たセシウムが土壌の中でどうなっていてどう除去すべきかという内容。
  2. 実際に現地に赴いて課題を見つけること
  3. 都市と地方の認識のずれがあったように、放射線に関する認識や理解には難しい面があること。そしてそれを乗り越える努力が必要であること。
  4. すべてを頭ごなしに否定、拒否するのではなく、正しい知識を持って自分の目で見て判断すること。
  5. 放射性物質が検出されなかったと伝えても、メディアが植えつけた被災地に対する放射能汚染のイメージのせいで、世間になかなか受け入れられなかったことから、メディアの影響力と業の深さを感じました。
  6. 説明し、理解してもらうことの困難さ "
  7. セシウムのついた土は埋めてもセシウムは流れ出さない。 地元の方々への説明は重要だが、同時に大変でもある。"
  8. いくら科学的に正しいことでも、説明する機会が少ない、また、説明しても納得してくれるとは限らないという点
  9. 土に関する実験の結果を広く共有し、さらなる研究の必要性を広めること。
  10. 様々な立場の人の理解の齟齬を埋めることが大事なのだと思った
  11. 汚染された土壌が大量に処理されず残っている現状であるが、埋めてしまえば問題ないという実験があるということ
  12. 農作物から放射能を除去しているためにしている努力と、それを周知すること
  13. まずは自分の目で確かめてみるということです。この1年コロナパンデミックの影響で、ネットや本で調べることが多くなってしまいましたが、実際に目で見てみる、その重要性を再認識しました。
  14. セシウムは移動するものではなく、土に埋めてしまえば安全だが、それを実際に地元の人々に伝え納得するのは難しい。
  15. 汚染土は土中に埋めれば比較的安全だということ
  16. セシウムが土の中で固定されるため埋めれば安全だということ。
  17. 都市と農村の交流は非常に重要だと思いました。
  18. セシウムが土壌中で移動しないことを初めて知って驚いた。だから福島では表面だけの土壌入れ替えを行っていたのだ、と思った。
  19. セシウムは土壌中を移動せず、その量も理論通り減少している。
  20. 実際に現場に足を運んで地域の実態を知ること
  21. 科学的に安全だと立証できてもそれを一般の人にも広く理解してもらうことが大変なのだと改めて思い知らされた。
  22. 土から離れては生きていない
  23. 現場に立った上で農業復興に向けた実験を積み重ねられていることが印象的でした。7人の侍の話がサイトにありましたが、どのように住民に寄り添うのが責任ある方法と言えるのか、あまりに重い問いだと感じました。
      -->この中の2の記事にある「真の復興は与えられるものでなく自ら動きだすことではないか。」そこまでが自分の使命だと思っています。
  24. 地域住民に除染に関わる情報や科学的原理を知ってもらうことが住民の理解を得る上でとても重要であるが、そうも簡単にはいかない。
  25. 実際に現地に赴き、様々な除染の手法を実践していること、そしてそれらの手法について地元の人々に説明したり、大学生が参加するプロジェクトを組んだりして理解を広めようとしたこと。 "
  26. 私は今日の講義で「現場に行かないとわからない」という言葉が印象に残りました。 自分の住んでいる地域ではないところで災害などがあったときに、報道の内容を鵜呑みにしてしまうのではなく自分の目で現状を確かめることでそこでしかわからない事実を知ることができるのだと思います。私も実際東北にボランティアに行った際、実際に被災地の状況を見て人々と触れ合うことで意識が変わったのを強く覚えています。"
  27. グループワークをやってみて、自分では思いつかなかった質問がたくさん出てきたので、学びの共有がやはり重要だなと感じました。
  28. 実際に現地におもむいて調べることの大切さを学びました。
  29. 現地に足を運び、状況を的確に理解すること
  30. 現場に行ってセシウムと土の関係性を調べあげるような熱意が大切だと思った。
  31. 現場を見て、なにが本当に必要であるか考えること。自分が何ができるか考えること。また、話し合うことで新しく見つけれたことを考えること。
  32. セシウムが粘土に吸着されるということや、地中に埋めた除染土から放射性セシウムが移動せずまた地表に放射線も放出されないということが、世間では全く知られていないこと。

質問

  1. 「基礎学に立脚した現場主義」という姿勢は非常に重要だと僕も思うのですが、サークルの活動においても、自分の専門となりそうな分野においても、コロナの関係で現場に赴くことができず、非常に心苦しく思っています。今後の情勢にはあまり期待が持てず、またオンラインの活動には限界を感じていて、その度に自分の足で現場に赴くことは何にも代え難い経験だなと思ってしまうのですが、これから先、一体どうしたら良いんでしょうか。
       A:確かに先の見えない暗い時期かも知れませんね。でもこの機会にじっくりといろんな本を読んだり、基礎的な勉強をしておくのが良いでしょう。この中の4と6の記事を読んで自分なりの生き方を考えてみてください。
  2. スライド中の周期表の図で、ほとんどの1族元素に印が付いていたのに、ルビジウムには印がつかずに2族のストロンチウムに印がついていたのがなぜか気になった。
       A:ストロンチウムはカルシウムの代わりに骨に蓄積されるリスクがあるからです。
  3. 今でもなかなか処理されずに山積みになっている汚染土を埋めることができずにいるのはなぜなのか。
       A:直接埋めることを公的に承認されていないからです。飯舘村の場合は環境省と飯舘村の共同実験という位置づけで実施されています。
  4. 作物を作っても問題のないものができる地域に、いまだに入る事ができない場所があるのはなぜですか?
       A:地形や植生、事故当時の気象条件等によって放射性物質のフォールアウト(降下)に偏りがあったからだと思います。
  5. 失礼かもしれませんが土を元に戻しても農業をする人がいないと農業は再生しないと思います。先生は自分の力が及ばないことにどのように折り合いをつけていますか。
       A:現時点では力は及んでいませんが、ICT/IoTなどの新しい魅力ある農業をやって見せることで、いずれは農業をやりたい若者が現れると信じてチャレンジしています。
  6. 土の埋め方について、広い範囲に少しづ埋めるのか、それとも狭い範囲に一気にうめるのか?
       A:地上の土地利用形態にも依存しますが、個人的には広く埋める方が簡単だと思っています。
  7. 粘土鉱物にセシウムが入るという結果は、いろいろな条件でも成り立つのか。粘土粒子の大きさが偏っているところや、(現実にはあまりないかも知れないけれど)液性が異なる時も大丈夫なのか。
       A:飯舘村周辺に分布する粘土鉱物(1, 2, 3)は花崗岩由来の黒雲母が風化したバーミュキュライトなどです。その意味では粘土粒子の大きさや”液性”にあまり偏りがありません。

自由意見

  1.  実際に福島に出向いてセシウムについての重要な事実を突き止めたのはとても意味があることだと思います。その一方、科学的説明をよく理解せずに反対する住民がいるのは復興への足かせになってしまうのではないか、と暗い気持ちになりました。そういった一種の思い込みをできるだけ排除するためにも小学校からの放射線教育が重要だと思います。
  2. 5限の後急ぎの用事があったので提出が遅れてしまいました。申し訳ありません。
  3. ITを活用した農業経営について興味があり、参考資料等を紹介して頂きたいです。
  4. ありがとうございました。
  5. いくら科学的な根拠があるデータであっても、それらの教養がない人々、特に地元の農家の方々などに理解してもらうのは非常に難しいだろうと思う。私は福島県民だが、私の周りでも政府や学者への反感が強く、その意見を素直に受け入れることができないでいる人が多いように思う。福島の人々からの納得を得るにはやはり実際に会って対話を繰り返す必要があるだろう。また、先生のような学者のかたが実際に現場にいっていても、政府の関係者が実際に現場を訪れることはほとんどない。政治家もやはり人々からの支持を得るために、政策を行う前にまず現場に行って関わる人々とコミュニケーションをとろうとするべきだと思う。
  6. セシウムは粘土に嵌るという事実がとても興味深かった。この性質を他の除染作業にも利用できないのかと思った。
  7. ブレークアウトで出た質問に答えてくださるのが面白かったです。ありがとうございました!
  8. 科学に対するリテラシーは絶対に必要なのだが、普通に生活しているとなかなか良質な情報に出会うということは難しいのかもしれない。ネット記事に限らず書籍においても適当なことを書いている本があったりするので、そういう意味では大学という場所に属していると良質な情報が得られるという面で大変恵まれていると思った。
  9. 科学は自ら責任を負うことでなく、結果から組み立てた論理を理解してもらうことで説を提唱するものだと思うので、原発事故においては被害者意識からそうした、もしかしたら間違っているかも知れない説を受け入れる心の余裕がなくなるのも理解できる気はする。 科学がもっと説得力を持つには、地道に自然の理解を積み重ねていくしかないと思う。
  10. 科学的な説明に納得しない、できない人がイデオロギーに思えるという話もありました。科学的な説明に納得できるということ自体が資本であるようにも思い、科学的な安全を揺るがした事故の甚大さを感じています。
  11. 科学的根拠を説明しても納得してもらえない(理解してもらえない)住民への対応には大変苦労なさっているとお見受けしました。理解しようとしない住民はいっそのこと諦めて強行してしまうことも必要なのかと思いました。地中に埋めた汚染土は建物などを建てれば再び掘り返されることはないとおっしゃっていましたが、通常排出される原発から出た放射性廃棄物をオンカロのようなところに埋めるのとでは何がそこまで大きく違うのかが気になりました。
  12. 科学的説明の重要性は十分にわかりました。しかし、放射性物質についてはその人体への影響は十分にはわからないし、少しでもそれがあれば不安に思ってしまう気持ちもよくわかります。もちろん、イデオロギー的に絶対に意見を曲げないような人たちに対する教育も必要だと思いますが。
  13. 興味深い講義でした。ありがとうございました。
  14. 市民と科学者の対話が重要であるが、セミナーなどに本当に効果があるのか気になった。従来の対話の方法で解決しないのであれば、新たな方法が考える必要があるが、うまく思いつかない。市民の科学リテラシーをあげる、という国を挙げてのプロジェクトになりそうだと思った。
  15. 授業の本筋とは関係ないのですが、教授になったような方でも、学生時代に勉強にやる気がなかったということに驚きました
  16. 都市と農村の交流を深めるという点は、福島の復興に関してなくてはならない点の一つであると感じた。やはり現場に実際に行ってみて、雰囲気を感じ取ることが重要であるのではないかと思う。機会があれば、自分もぜひ行ってみたい。
  17. 土中にセシウムがあっても白米にはほとんどセシウムが含まれないのは驚きでした。それならば福島の食べ物は問題になるほど危ないものではないのかもしれません。全てが検査されていることは知っていますがいまだに偏見は無くなっていません。自分を含む人々の無知によって偏見が生じていることはどうしたら良いのか、考えていければと思います。
  18. 被災地を援助するために何かするときは、現地の人々の理解を得るのは難しいかもしれないけど、それでもやはり彼らに寄り添う姿勢が大事なのかなと思いました。
  19. 福島の米は安全だということはなんとなくは分かっていたが、今日科学的な側面からの解説を聞くことで改めて安全だということを理論として納得した。
  20. 放射能を土からどう除去するかを知ることができて面白かった。粘土にセシウムが吸着しやすいことは知らなかった。また、表面の5cm程を除去すれば良いというのは、科学者や他人事の人間からすれば納得できるのだが、その土地の人々としては理解はしても納得は難しいだろうと思った。

任意レポート

  1. 公開しますので個人名は書かないでください。


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Update by mizo (2021.4.22)