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東京大学全学自由研究ゼミナール

週刊・福島復興知学講義(2022)

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講義日程

  1. 4月7日:秋光先生(ガイダンス)、溝口先生(復興農学
  2. 4月14日:秋光先生(放射線基礎)
  3. 4月21日:関谷直也先生
  4. 4月28日:相場繁先生
  5. 5月12日:開沼博先生
  6. 5月19日:池上彰先生
  7. 5月26日:早野龍五先生
  8. 6月9日:総合討論
  9. 6月16日:土屋武司先生
  10. 6月23日:窪田亜矢先生
  11. 6月30日:川端邦明先生
  12. 7月7日:譚萬基 MK Tam先生
  13. 7月14日:総合討論、福島高専メンバーのオンライン参加

この講義(福島復興知講義)を受講する理由(期待)書いてください。(事前)

  1. 2021Aセメで受講した放射線環境科学の中でリスクコミュニケーションの話題をまだ飲み込めずにいるため、引き続き学習して理解を深めたいと思ったから。
  2. 福島県がいまだに苦しんでいることは何か。
  3. 自分は盛岡出身で、当時自身の受けた被害は軽微だったが、それでも当事者として震災を経た今を知らなければならないと思ったから。また、放射線等、イメージに囚われず、恐るべきを正しく恐れられるようになりたいから。
  4. 私は小学校2年生の時に東日本大震災を経験しました。埼玉県におりましたが、揺れはとても大きく、地震が発生した瞬間を今もはっきりと思い出せます。また、津波によって沿岸地域の人とものが大きな損害を受けたこと、原発事故によって福島県の一部は人が住めなくなったことなどは何度も報道され強く印象に残っています。東日本大震災に関する多くの情報を得てきたつもりでしたが、私の得てきた情報は被害に関するものがほとんどで、福島で実際にどのように復興が行われているのかやどれほど進んだのかはあまり知っていなかったことに気づきました。この科目のシラバスを読んで、東日本大震災からの「復興」に関する知識、知恵をぜひ得たいと考え、受講を希望しました。
  5. 福島の現状に関して大きな興味があります。自分は教育関連で興味があるのでもちろん福島の教育に関する復興段階や現状の問題点を学びその対策を考えたいと思っていますが、一方で教育以外のさまざまな分野に対しても全くの無学者ではありますが学びたいと考えています。
  6. 被災地を何度か訪れたことがあり、被災地やその復興について興味があるからです。
  7. 私は当時山形に住んでいて東日本大震災の被害を少し受けた。12年経った今、東日本大震災の復興について語られることはそれほどなく、現状を知りたいと思ったから。/現在私は特に進路を決めておらず、シラバスにあった「多様な分野を融合した「復興知学」」に興味を持ったから。
  8. 私は現在2年生なのですが、後期課程に進学した後は災害や復興を社会学の立場から研究したいと考えています。この講義では復興知について様々な立場の専門家の方から学ぶことができ、社会科学の視座も得られることに魅力を感じ、この講義の受講を希望しました。地域の方々の声を直接聴くエスノグラフィーにも関心があるため、福島へのフィールドワークにも参加できたらと考えています。
  9. 私の親戚が東北地方に住んでおり、震災の影響を少なからず受けていたので、どのような復興が行われているかどうかが気になったから。
  10. 私はこれまで東北からはるか離れた西日本にいたということもあって東日本大震災に関するニュースを目にすることはあってもあまり親近感がわかなかった。この授業を通じて震災からの復興を直に触れてみたいと思った。
  11. 災害の多い日本に住む以上、東日本大震災のことを改めていろいろな側面から知り、考えてみたいから。

今日の講義で学習した中で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。(事後)(重要と思われる個所にアンダーラインを引きました)

  1. セシウムは土の中にしみこまない。
  2. 現場主義。現地の寒さとセシウムの性質を利用した凍土はぎ取りの除染作業など、学問と現地の状況を組み合わせて解決策を編み出されたことに素直に感服した。
  3. 公共事業によって農業基盤を整備することで、農業を安定して行うことができるようになる。東日本大震災ではその農業基盤が大きく損壊した。
  4. 復興の先にいる人を常に見据えていること。ただ被災した地域を農業的に復興できるように、新たな技術を開発するという行為だけでは収まらない活動への想いを感じました。活動の目的が技術の開発ありきではなく、福島に住む人々が早く元の生活に戻れるようにその手段の一つとして農業的な技術を考えているということを感じました。この点はとても重要なことだと思います。復興は被災した人・復興を受ける人があっての活動でありそれをこちらのエゴや利益を含んで考えるべきではないと考えます。現地の人々が求めていること、必要としていることをはやく正確に届ける・行うことが重要で、それには溝口先生がおっしゃったように信頼関係を築くことが大事なのだと思います。
  5. 都市と地方、研究者、大学と現場に大きいずれが存在すること。現場でどのような問題があるか、どのような心配があるかを意識しないと、問題に対応できないし、問題に対応してもそれが正しく伝わらない。twitterなどで時々専門家は何を言っているかわからないというような論が見られるが、それは(受け手のリテラシーの問題もあるだろうが、)何をどう伝えれば理解してもらいやすいかの視点をより強く持つべき問題だと考えた。
  6. 研究からさらに活動へ発展させる行動力が難しいけれど大事だと思いました。
  7. フィールドワークの重要さ。現地と理論の乖離。
  8. 今日の講義では、復興はレジリエンスであり、除染が終わったから復興が機械的に進むという訳ではなく勝負はこれからであり、福島の人々がもう一度福島で頑張りたいという希望を持てるような方策を取っていくことが大切だ、というお話が特に印象的でした。
  9. 実際に現場に出ることで村民との信頼関係ができるという点が非常に重要だと感じた。復興には当事者である村民の協力が必要不可欠であり、その協力があるからこそ「までい大学」を通した復興知の定着を行えると考えた。
  10. 若いうちには無駄に思われることもすべて吸収し、後に今まで学んだ基礎学をすべて注いで社会課題に取り組むこと。

質問

  1. なぜ数多くある被災地の中で東大は飯舘村を中心とした援助をすることになったのでしょうか。 "
  2. 水による攪拌や反転耕はその場から放射性物質がなくなるわけではないのだから、数字上は安全だとされても農家の方々は抵抗感を示すのではないかと思ったのですが、除染作業に対する現地の方々の反応はどのようだったのでしょうか?避難先での生活の中で自分の農地の心配をする余裕はあったのでしょうか? 21Aセメで糞に放射性物質が溜まるから堆肥を使いにくいという話がありましたが、今iotを使って管理している堆肥は外から持ち込んだ飼料を使っているから安全に使えるということでしょうか?"
  3. 以前、飯舘村の農家の方の語りを記録した本を読んだことがあるのですが、その中で飯舘村の農家の方がその土地で農業を続けることに強いこだわりを持っており、他の土地ではだめだと話されていたのが印象的でした。やはり飯舘村の方々は土地への愛着を強くもっていらっしゃるのでしょうか。
  4. 凍土剥ぎ取り法の写真の中で、防護服などを身につけずに作業している様子が伺えますが、放射線に汚染されるリスクというのは低いのでしょうか?土壌が凍結しているとは言っても、体感的に汚染のリスクが低いように感じなかったのですが、実際はどうなのでしょうか?

自由意見

  1. とても興味深かったです。福島の農業について偏見を持たないようにとは思っていたものの実際を知らなかったのでとても勉強になりました。
  2. "
  3. サル、全部綺麗に食べるなら何個か食べられても許せるけど片っ端から一口ずつ齧ってくから困るって祖母が言っていたのを思い出しました。 1月のフィールドツアーコロナで行けなかったから楽しみです。"
  4. 先生の実行力に尊敬です。質問にも答えてくださりありがとうございました。
  5. 大変面白い話を聞くことができました。私は農学について何も知りませんが、農業の現状について少し理解でき、大変参考になりました。
  6. 現場主義が大切だと繰り返し仰っていましたが、私も復興について研究することに関心を持っている身として飯舘村などの現場に実際に行ってみたいし、行くべきだということを強く感じました。本を読むだけで知った気になるのではなく、実際の声を聴いてみたいです。
  7. 事前と事後の2回に分けて送信することを忘れていました。申し訳ありません。
  8. 汚染土の処理で反発があったとき、説得する際は現地で人々と共に活動していることが強みになったと思った。非常に有用な発見、活動をなさっているように思われたが、あまり身近で知られていないのは本当にもったいないと思った。

任意レポート

  1. 公開しますので個人名は書かないでください。


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Update by mizo (2022.4.7)