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東京大学全学自由研究ゼミナール

週刊・福島復興知学講義(2023)

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講義日程

  1. 4月6日:秋光先生(ガイダンス)、松尾先生(放射線基礎)
  2. 4月13日:溝口先生(講義資料
  3. 4月20日:開沼博先生
  4. 4月27日:相場繁先生
  5. 5月11日:総合討論
  6. 5月18日:関谷直也先生
  7. 5月25日:早野龍五先生
  8. 6月8日:総合討論 (ボード
  9. 6月15日:窪田亜矢先生
  10. 6月22日:池上彰先生
  11. 6月29日:土屋武司先生
  12. 7月6日:川端邦明先生
  13. 7月13日:譚萬基 MK Tam先生

受講後アンケート(出席カード)

毎回受講後に答えてください。

この講義(福島復興知講義)を受講する理由(期待)書いてください。

  1. 福島に関する状況や今後の震災に対する付き合い方について、何か少しでも学べることがあれば学びたいと思い、受講しました
  2. カーボンニュートラル社会を2050年に達成するためには、原子力発電は切ってもきれないところではあるので、原子力発電に興味があったから。
  3. 東日本大震災は自分が関西に住んでいた小学校の頃で、どこか感覚的に遠いものであったが、それをもっと身近に感じたいと思った。復興を学ぶことは未来において活用できる知識を得ることになると思い、受講したいと思った。
  4. 日本で生きる上で福島で起きたことについてより詳細に学びたいと思い、また一度は自分の目で復興地域を見たいと思ったから。
  5. 仙台市出身で実際に東日本大震災を経験し、その悲惨さを目の当たりにし、同時に街が復興していく様子を目にして、その経験を元にさらに復興ということに対して知見を得たいと思っているから。
  6. 原発事故はどうしても感情的な議論になりがちなので(自分もそういうところがあった)、そうじゃなくて原発事故を『正しく』理解したい。また、福島県出身者としてある程度復興のことは知っておきたい。
  7. 東日本大震災の発生日が誕生日と同じということもあり、今まで東日本大震災とそ子からの復興について興味をもってきました。宮城や岩手には震災学習で行ったことがありますが、福島についてはあまりふれたことがありませんでした。そんな中でこの講義の存在を知り、より東日本大震災についての知識を深める為にこの講義を受講することのしました。
  8. 昨年から大熊町の復興(特に農業の観点から)携わっていて、この講義に興味を持ったから。
  9. 重大な事故の復興の手順・理由について具体的に触れたい。
  10. 震災に関しての知識もそれほどなく、当時の現場の状況や復興に向けた取り組みについて詳しく知りたかったから。
  11. 災害や災害対策、原子力政策(エネルギー問題や安全上の問題)などに興味があり、福島原発事故からの復興というテーマを深く学べそうだと考えた他、原発周辺のフィールドワークにも興味を持っている。
  12. サークルで飯舘村にかかわっており、東日本大震災で飯舘村を含む浜通り地域に何が起こったのかを体系的に知る必要があると改めて感じたから。自分が福島の復興のために(微力ながらも)何ができるのかについても授業を通じて考えていきたい。 "
  13. 今の小中学生には、スマホは当たり前の存在で、スマホがない世界の想像はできないと思います。東日本大震災発生当時に小学一年生だった私にとって、震災がそれでした。 3.11に黙祷を捧げたり、東北が復興に向かっていったりするのが当然で、そうでない世界は想像ができない。大雑把にいえば、世界に対する私の認識は震災から始まっています。 そのため、震災に対する関心は大きく、昨年度は相馬市の学習支援ボランティアに参加したこともあります。そうしたこともあってこの授業を見つけた瞬間から受講したいと思っていました。大人になった今、小学生のころ茫漠と抱いていた「怖さ」を、知識をつけて克服したいと考えています。"
  14. 南海トラフ地震が来たら地元が被災してしまうのでその前に復興についての知識を身につけていたいと思ったから
  15. 個人的に外交に関心があり、事故発生当時はもちろん現在においても福島、そして日本全体に対して放射性物質に関する根強い風評被害が外国には残っていることを知りました。これから日本について発信する立場になるかもしれない以上、まずは自分自身が原発事故について正確な知識を身に付けておきたいと思い、この講義の受講を決めました。
  16. サークルで秋光先生に企画していただいて被災地で実験教室を行う経験をさせていただいた。現地を見学させていただく機会や、現地の方々と交流させていただく機会を通じて、より3.11のこと、フクシマのことを知りたいと考えたから。
  17. 東日本大震災の記憶を風化させないように今後の天災に備えるために学びたい。原子力発電についてその仕組みを理解し、その危険性についてそして改めてその利用について多面的な観点から考察したい。
  18. 東日本大震災から12年が経ち、記憶が薄れてきている。私は当時、小学校入学直前だった。世間でも毎年3月11日にはニュースで話題になるが、原子力発電所事故のその後についてはときどき汚染水の処理などで話題になる程度な気がする。復興についても身近なことではないのでどうしても関心が薄くなってしまう。少しでも知る努力をしたい。
  19. 復興のために自分には具体的に何ができるのかを知りたいから
  20. (4/20)土木工学や災害に興味があり、多面的な角度から捉えたいと思ったから。
  21. (4/20)イメージだけではなく定量的なデータに基づいて復興を議論できるようになりたかったから。

4月6日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 自分が知っていた3.11の記憶は本当に断片的で、もっと学ぶことがあるのだなと感じた。
  2. 原子炉内で化学物質がどのように反応しているのか知ることができ、知らない怖いものだった原発を知ることができた。
  3. 自分の知らない放射線に関する知識が非常に多くあると思い、加えてあらゆる原子力問題を考えるうえで正しい知識をつけていることは非常に重要であると感じました。 "
  4. (1)放射性物質であるトリチウムは、自然に最初からある程度存在しており、自然界に存在する程度であれば人体に影響はほとんどない。またトリチウムは、濃度などによって危険性が判断される。 (2)他の講義の内容と関連づけて考えることができてよかった。"
  5. (1)なぜ原子力事故が起きたのか→原理を知って津波の影響が大きかったことを理解できた。 (2)文系で化学や物理の知識がなく1回の説明ではわからなかった。スライドを復習したり、自分で調べたい。ITCLMSにあげてほしいです??
  6. (1)普段の生活の中でも放射能が発生する機会は多々ある。原発事故のイメージですべてを忌避するべきではない。
  7. 住民への説得の過程で、自らも説得させられてしまったという振り返り
  8. ?福島の原発事故に関して、「天災」「人災」「天災や人災と区別する必要は無い」と、各部署が異なる考え方をしていたという点。
  9. 放射性物質の基本的な性質について
  10. 放射線が我々の身近な所にかなり存在しているということ。放射線・放射能への過剰な恐れから来るパニックや風評被害を避けるために重要な観点だと思う。 "
  11. (1)福島第二原子力発電所の事故により大勢の地域住民が事態の把握もままならない中避難を余儀なくされ、その影響が今も続いていること (2)海洋放出が問題視されているトリチウムは、普段の生活の中ではどれくらい被ばくしているのでしょうか。"
  12. (1)放射線や放射能の有害性ばかりが取り沙汰されるが、それ自体は至るところにあり、閾値を超えなければ問題はないということ。
  13. (1)トリチウムが特に人体に悪影響があるという考えが間違っていること (2)今まで福島の事故について無関心だったので、原発の仕組みや水素爆発の原因を知らなかった。これからの授業で知識や思考力を身につけていきたい。
  14. (1)そもそも我々の生活においてある程度の放射性物質は身近なものであり、原発事故による影響としっかり区別することが大切だ、という内容が印象に残りました。
  15. 1. 一部の事故調査報告書で厳しく追求されているように、複合災害と呼ばれる福島の原子力発電所の事故の要因の一部が人災であり、回避可能性があったということ
  16. 東日本大震災の際の炉心融解事故は、意図していなかったジルコニウムの融解による水素の発生があったこと。
  17. 原発事故で汚染された場所の放射線空間線量が、実は天然放射線の線量が多い場所とあまり変わらないということに驚いた。このような科学的に検証されている事実は、広く知らしめるべきだと思う。

4月13日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 東京で勉強をすることは大事である一方で、現場の声を聞いて、現場の状況を把握し、現場の必要とすることを把握するためには、現場に行くことが肝要であると感じた。
  2. (1)自分で一次情報に触れること (2)飯舘出身の若い人に戻ってきてもらうための手立てが難しい(そもそもそれを目指すべきなのか)
    ---> それでも最近都会の若者が図図倉庫に集まってきて何やらワクワクするようなことを始めた。大学生も気楽に遊びに行って活動したら面白いと思う。
  3. (1)リスクコミュニケーションの問題。科学的には安全だと分かっていても、一般人がそれを知らない/感情的に納得できない場合どう説得するのか、という困難な課題。宣伝し続けるしかないのか。 (2) (1)について。心理学、マスコミ等も含む分野を横断した戦略的コミュニケ―ションのプロジェクトを官民一体で設置してとにかく宣伝を続ける、といった取り組みが有効ではないかと思った。完全に危険だと固く信じ込んでしまった少数の人の説得は諦める他ないかもしれない。
  4. (1)セシウムが土の粒子に付着してはなれないため、水の中に溶けだしたり、移動したりすることはないということは今回初めて知りました。今までは放射能がどういうものなのか見通せず、僕自身も不安に思っていました。しかし今回の話を聞くと、先生がおっしゃっていたような除染の方法でセシウムが除去できるというのは納得でした。このことを考えると、確かに科学的に正しいことでも普通に暮らしている人はわかるわけがなく、きちんと説明することが大事なのだと思いました。
  5. (1)45年問題やセシウムの付着した土の処理に関してのリスクコミュニケーションのところで、理系と文系の架け橋的存在が必要だと感じられ、文2から農学部を志す自分には一層刺さる内容でした。 (2)正直非常に楽しかったです。グループワークも思った以上に盛り上がって有意義でした。
  6. 復興は最終的には地元に住んでいる方々の手によって成し遂げられてこそ意味があるということ。
  7. 風評被害の対策として、福島産の食品が美味しいということのアピールなど、非科学的だとしても感情に訴える手法が有効なのであればどんどん活用していくべきだ、という点が重要だと思った。サイエンスコミュニケーションで対応しきれない、一般人が抱きがちな汚染に対する抵抗感などの感情には、こちら側も感情面で訴えかけてほぐしていく、という方法はよく考えると合理的なのかもしれないなと感じた。
  8. (1)どうすれば放射能と正しく向き合っていけるのか。そしてそれをどのように伝えていけばよいのかを自分にこれから問い続けていくこと。 (2)放射能がなぜ人体に有害なのか、生物学的観点から知りたいと思った。
  9. (1)放射能をやみくもに恐れるのではなく、科学的観点から正しい向き合い方をしていく必要があるということ。そしてそれを人々に伝えていく努力をしていく必要があるということ。 (2)放射能が人体に害を及ぼす生物学的メカニズムをさらに詳しく知りたいと思いました。
  10. (1)科学的に安全性が保証されている放射性物質の処理も、印象として市民が安全だと認識しないことがある。このような形で一度固定化されてしまった考えは、いくら科学的な「正しさ」を説いた所で変わり得ない。こうした所に、サイエンス・コミュニケーションの難しさがある。 (2)文一に所属しており、細かな化学的事項は十分に理解できたと言えませんが、将来法的知見から原発その他の風評被害に対応する中で、正しさを振りかざすだけではいけないのだと学ぶことができ、非常に有意義でした。
  11. 農村に暮らす人々にとって農業は生活の基盤であるため、その復興支援の際には、基本的な知識を備えた上で、実際に農業が行われている現場を訪れるのが効果的だということ。
  12. (1)マスコミの報道と実情には大きな隔たりがある可能性があるので,フィールドワークが重要であること。 (2)特になし
  13. (1)専門家と一般の人のあいだのリスクコミュニケーションの難しさとその重要性 (2)授業前にスライドを流し読みしたとき、苦手な化学の話だと思って乗り気ではなかった。しかし汚染土に50cmほどの土を被せたり、セシウムは土に染み込まなかったりという方法で対処できることを知り驚いた。同時に、科学的なものをなんとなく難しいものだと先入観を持つ多くの一般の人に汚染対策をつたえるのは難しだろうなと思った。

4月20日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 福島の帰宅困難者の数や基準値を超える放射線を含有している農産物の数は思っていたよりも少なかったです。福島の放射線に関して、自分の中で勝手な認識が形成されていたことを自覚しました。このような考えはまだまだ多くの人が持っていると思います。難しいですが、少しずつそのような考え方を取り払っていくことが大事なのだと考えさせられました。 "
  2. (1)情報の伝わり方、伝え方の重要性 (2)なぜ風評被害を起こさせるイメージは、時間とともになくなると思う。一方で、そこに県が進める県産品のアピールなどの努力は貢献しているのか。" "
  3. 県外避難をする割合が1%程度であることに衝撃を受けた。 情報のアップデートがなされていない中で、風評被害を減らしていく取り組みをしていく必要があることに難しさを感じた。" "
  4. (1) 災害時に生じる問題には,災害特有の問題のみならず,普遍的な問題が(時間的に圧縮された状態で)含まれていること。 (2) 福島の問題に関して人文科学的な目線からの研究について今までほとんど聞いたことがなかったので面白かったです。" "
  5. (1)正しい情報を伝えることが難しいこと。 (2)科学的に妥当な見解を発信するにあたり、一般の人々は、それが科学的に正当であるかを自力で評価することが難しいと思われる。その時に、科学的な評価を信じるかどうか、その情報を発信する機関を信頼するかどうかということに左右されるのではないかと思った。"
  6. もしデマがあればそれはきっぱりと否定する、その上で、自分が体感した福島の良さを伝える。そうすれば、少なくともこれから自分が関わっていく相手には、福島に対してポジティブなイメージを持ってもらえるのではないかと思った。そして、これは福島についてのみではなく、今後起こりうる様々な危機におけるデマや風評被害に対しても応用できる手法なのだろうと思う。
  7. 災害は社会の弱さを露呈し、加速させるということ。いわきや郡山に人が移住し、原発近辺の小規模自治体へ帰還する人も限られているという現象は、一見原発事故の影響の大きさ、長さを示すようだが、実際は生活環境のより充実した都市部への移住という津々浦々見られる現象が震災によって表面化、加速しただけだという指摘には目から鱗だった。
  8. 福島の復興に向けた課題は今後他にも通用する普遍的な問題だという点。大規模避難と地域社会、風評対策などは将来起こり得る南海トラフ巨大地震といった災害や有事でも深刻な課題になると思う。風評被害について、政府が明確にデマを否定すべきだというお話も非常に大切だと考えた。今まで日本政府の情報発信はあまり上手ではない印象を受けるので今後頑張って欲しい。
  9. 福島の被害の実態や現在の状態について、マスコミが報道している部分と現実には違いが見られること "
  10. (1)情報の受け取られ方にはいくつかのパターンがあることを認識した上で、情報の伝え方を工夫することが、風評被害を減らしていく上で大切なこと。 (2)一次情報に触れるのは大事ですね"
  11. 震災やパンデミックなどによって、特別な問題が発生する一方、慢性的な問題が表出しているケースも多いということ。

4月27日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 復興というと被災した各々の方々というミクロ視点と、インフラなど全体の復興というマクロ視点の2つが確かにあるなと感じ、単に一元的に語ることのできるものではないのだなと思った.
    ---> 今振り返ると,駒場時代(教養学部)で多様な分野に触れたことは, 同じ出来事に対して複数の視点を持つことに通じると感じています. 好みの問題もありますが,ミクロ・マクロに関わらず, 別の切り口で複数の視点で見る力が,これからの時代には必要と思います.
  2. 被災からしばらく経った状態でも、心身の健康の状態はおのおので違っていて、それはキャラクターの問題もあるので、対応方法が難しいということ。
  3. (1)復興のミクロな視点に立つと、例えば、疾患を取り上げた場合に、それが果たして震災に由来するものなのか突き止めるのが難しいということ。 (2)人の心に寄り添う「支援」の必要性と意義について改めて考えさせられました。
  4. (1)今回の講義のそもそもの話である、復興についてミクロとマクロどちらの視点も必要になってくるということが大事だと思いました。マクロな視点がなければミクロなことにうまく対応することはできないし、マクロなことを考えるのにミクロな事例が必要になってくるという話になるほどと思いました。
  5. (1) 震災に復興にはミクロとマクロといった,簡単に分けろれない準があること。
    (2)患者との対話を重視していらっしゃるが、その際に心理学的医学の知識をどれくらい使うのか? 震災を体験した被災者との対話は簡単にいかないと思っていて、知識より経験のほうが重要なのではないかと思いました。
    ---> 実際に被災者支援に従事していた時には, 学生時代に保健師や看護師として蓄えていた知識を活用していました. そして,対応の中で疑問があったりした時に適宜学び直していく, ということが多かったです. そして今回の講義のようにある程度時間が経ってから, あの時のあの人の様子は,医学的・心理学的にこのように解釈できるな, という形で振り返っています. 経験は確かに重要ですが,最初の一歩を踏み出した時のことを思い出すと, 未経験だったから,まっさらな状態で向き合うことができたかな,とも感じます.
  6. (1)マクロなアプローチとミクロのアプローチの両方があって、人により得意な分野に違いはあるが、どちらも大切であるということ。
  7. 被災者一人ひとりの語りといったミクロな視点と、統計データや制度といったマクロな視点を併せ持つことが重要だと思う。
  8. 被災された方と一対一で向き合ってこられた先生のお話を聞いて、上から見た「政策」だけではなく、その先には一人一人の人間がいるんだということを忘れてはいけないと思った。マクロな対策とミクロな対策は、見えない人を笑顔にしたいのか、目の前の人を笑顔にしたいのか、というよく聞く対比と結びつくような気がして、自分がどちらを仕事にしたいのか今後ゆっくり考えていきたいと思った。
  9. (1)一人ひとりの患者さんへの向き合い方がぜんぜん違うのと、印象に残りづらい患者さんへの向き合い方に意識を傾ける必要性を感じた。 (2)グーグルフォームで意見書くの新鮮でよかったです。
  10. (1)ミクロとマクロの視点を両方持つこと (2)被災者が震災で失ったもの、感じたこと十人十色である。しかし、支援者が「震災で何かを失った人」という大きな括りに勝手にまとめて、そのカテゴリーに適した振る舞いで接するのはやりがちであるが非常に傲慢だと感じた。ミクロとマクロの折り合いをつけるのはとても難しいことだなと思った。
  11. ミクロな視点で被災者を見たときとマクロな視点で被災者を見たときの感じ方は異なるけれど、両者をつなぐことは可能であるという相場先生の考え方に感銘を受けました。
  12. (1)聞き取り調査を行うと,「普通」の生活を送れている方々の話はあまり印象に残らず,典型的な被災者像に合致する人の印象が強く残ること。

5月11日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 福島高専の方々の話を聞いて、現地の方の率直な意見を知れる良い機会となった。
  2. 福島高専の方の意見で、福島県内に住まれてる方でも当事者意識を持っている方はあまり多くないということ
  3. (1)処理水問題の行方の最大の鍵を握るのは消費者の反応かもしれないということ。 (2)処理水海洋放出への強い反対意見は、(事情をよく知らない国外での風評被害を除けば)地元関係者の風評被害に対するもっともな懸念や国・東電への感情的わだかまりと、政治的な思惑で日本政府等への批判材料に利用している国内外の勢力の大きく2系統あるように思える。地元関係者等に対しては、地元及び全国の消費者への丁寧な説明・対話を継続することなど困難ながらも取組を続けていくべきだが、政治利用する勢力は、政治的思想や外交関係が先にある以上いくら説得しても如何ともし難いと思う。
  4. 避難指示が解除されたからといって、そもそも不便な田舎に戻りたくないという考え方が、言われてみれば確かにそうだなと納得した。 不便な田舎から都市部へ移住したいという潜在的な願望が元々あったと考えれば、以前の授業であったような、原発事故が今後早晩顕在化してくるような諸問題を早めに提起したという考え方につながる話だと思った。
  5. (1) 福島の若い世代にとって,原発事故というのは,より便利な都市部へ移動するひとつの口実としても作用しているという事実。 (2) 福島に住んでいる同年代の方々の意見を聞くことができてとても貴重な機会でした。
  6. 福島に住む若い世代は、震災について被害者意識を持っていない人もかなり多い。
  7. (1)漠然と現地の人々はアルプス処理水の海洋放出に反対なのだと思っていました。しかし福島高専の方々のお話を聞いて、現地の人々はそんなに反対していないことがわかり、現地の人々を被害者としているのは現地に住んでいない私たちなのだと思わされました。

5月18日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 1 風評被害の負のスパイラル。2 一番最初の不安感をなくすことが重要だと思った。年月と科学的な根拠によって、安心感を得られるはずだと思った。ここに無関心が加わると結局は表面的な理解だけに終わってしまうのは残念に感じる。しかし、事実を伝えるほうが重要であるという結論に納得いった。
  2. (1)風評被害は、心理の問題から始まり、それが流通面などに影響を及ぼし、さらに複雑な要素が絡まり合い、重大な問題を引き起こしていたこと。
  3. (1) 福島の県内の人は,福島の農産物よりもむしろ茨城県など検査が一部しか行われていない地域の農産物を忌避すること。
  4. 風評被害とうわさの性質の違いの分析や、「福島の人は放射線の影響を恐れているからこそ、ちゃんと検査されている福島県産の食品をあえて選んでいる」という話など、全く考えたことのない視点が多くとても印象に残る講義だった。情報×災害という学際的な研究にとても魅力を感じたので、今後自分でも学んでみたいと思う。
  5. (1)風評被害≠噂による被害、風評被害には段階がありフェーズが変遷していることを理解した上で対策を講じなけれならない
  6. 1. 風評被害の範囲の捉え方が、地域やバックグラウンドによって大きく異なることを可視化して示していただいたのが印象的だった 遠ければ遠いほど、被害範囲を広く捉えがちである上、情報をアップデートすることが難しいことに、風評被害の問題の解決の難しさを感じた。

5月25日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

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  1. (1)大変面白い講義で、政治判断を下した時期の首相が次に問題になったときに矢面に立たないところのおかしさが面白かった。 (2)アメリカでのトリチウムを含んだ水を蒸発させた事例についてもっと詳しく知りたいと思いました。
  2. 処理水への対応について、選択肢が五つあったがそこから海洋放出という決断を政府がしたということ。
  3. 処理水放出は科学的に安全でコスト面でも合理的であると7年も前に結論が出ていたが、なかなか決定できず、最終的には政治判断になったということ。
  4. (1)今までの講義は先生から情報を受け取る受動的な授業が多く、自分で気になることを調べる能動的な授業は初めてでとてもためになりました。また、グループ内での話し合い、他のグループの話を聞いて、さまざまな処理水に関する話や考え方を聞けてとても興味深かったです。
  5. これまでの講義を通し、ALPS処理水について知識を増やし、深めた気でいましたが、それが浅はかであったことに気付かされました。ALPS処理水の海洋放出を決定したのは総理大臣であったり、中国、韓国、ロシアなどの国が「汚染水」と称して日本を非難するなど、結局のところ政治的な問題に帰結するのだという点が、非常に重要であったと考えます。
  6. (1)話し合いをしても、全然答えが出なかったこと。復興は新たに作っていくことでもあるので、対立を乗り越えなければならない難しさを感じた。 (2)早野先生が全然自分の意見をいわなかった理由を共有してもよかったのでは?
  7. (1) 処理水放出は,技術や科学の問題というよりも,政治的側面が強いということを再認識しました。 (2) 30分という短い時間ではありましたが,アルプス処理水について自分で調べたことや,そして受講生やゲストの方々とディスカッションする機会をいただけたことはとても貴重な経験でした。 様々な目線からの意見を聞けて新鮮だったので,グループで調べて発表する形式の講義がもっとあっても良かったなと思いました。
  8. ディスカッション・発表という授業形態を選んだのは、処理水問題のような複雑なケースは講義形式と最も相性が悪いからだ、とおっしゃっていたのが強く印象に残った。各当事者の立場を想像して自分の頭で考えることの重要性を学べたので、この姿勢を今後いろいろな問題解決の機会において忘れないようにしようと思った。
  9. 福島第一原発の処理水の海洋放出におけるトリチウム含有量の基準は、他の原子力発電所における基準に比べかなり低いこと。
  10. (1)住民からの合意が得られない限り処理水の海洋放出はしないと政府は説明していたにもかかわらず、菅総理が放出を決定したこと。
  11. (1)限られた時間の中で妥協点を探る方法は不可能にも思われた。(2)各国によって「汚染水」なのか「処理水」なのか異なっており、一国の問題の報道のされ方一つ取っても外交問題に発展するのだということを痛感しました。
  12. 1. 現地の方々が、もはや今事故について興味関心や恐れを持っていないことに驚いた

6月8日の講義で (1)特に関心を持った他の受講生の意見はどのような意見でしたか? (2)なぜそのような関心を持ったのか、その理由を書いてください。 (3)質問や意見があれば書いてください。

  1. 1. グループAがこれまでの学びをどのように活かすことができるかという点で、議論を深めていた 2. 福島の問題を個別具体的な事例として捉えることなく、風評被害の問題をどのように進めていけばいいかなど、未来思考な議論を行っていたのが新鮮だった
  2. (1)(福島出身の人の意見として)福島の人は原発は安全かというところに関しては、特に意見がない状態。それを気にしていては生きていけないから。 (2)問いを放棄することが正しいことなのかはともか、そのような状況にあるなかで現状に批判的であることは問題を最小化する上で大切ことだと思うから。 (3)いっしょに授業を受けている皆のバックグラウンドを垣間見ることができて、興味深かったです。
  3. (1)将来には、どの視点からどの立場から原発問題を見ていくか (2)一住民として見つめる場合と、将来もっと俯瞰的に見る場合では違う。何を基準にして考えていくのかは重要だと感じた。 (3)もっとディスカッションやっていきたい
  4. 個々の人が持つ情報の量と質によって問題も見え方が変わってくるという意見にはとても同意できた。この講義を通して、自分の意見も変化していることからも実感できる。
  5. (1)この講義で学んだことをどう今後にいかすかということについて、今は第三者視点で考えているが、これからどのような立場になるかでかわってくるという話が興味深かったです。 (2)あまり自分の立場を考えたことがなく、ただ知識を享受するような授業の受け方をしていました。自分の立場が第三者であることを意識したうえで、様々な立場から考えてみながら授業を受けてみようと思います。
  6. (1)福島の問題やこの授業で話されてきた被害というのは過去に起こったことにすぎず、それをどう将来に生かしていくかが課題だということ。 (2)色々な議論がされているが、過去に起こった、という起こったことはもうどうしようもないという考え方に新鮮さを感じた。確かに一歩引いて捉えると過去の事だなと思ったし、それをこれからの時代に活かしていくというところが1番難しい部分ではないかと感じたから。
  7. (1)福島県の当事者は、他に気にすべき問題が山積しているために、必然的に食料の放射線濃度に対する関心が薄れていくという意見。 (2)福島県の高専生がALPS処理水について存外関心を持っていなかったことを内心不思議に思っていたが、他の諸問題という視点を得たことで合点がいった。他県の我々は過度に福島の原発問題を気にしてしまうが、それはある意味で福島に対する関心の低さに起因しているのかもしれず、重要な指摘だと感じたから。
  8. (1)情報を広く公開すると,議論は深まる一方で,情報を曲解した人による批判にもさらされるため意思決定が必要以上に遅くなってしまう。しかし,あまり公開しないと,説明責任を問われて後々批判されることもある。 (2) すごく納得できる意見だった。情報の取り扱いの難しさを改めて実感した。
  9. (1)科学的で客観的な事実に対し、実際に現場で震災を経験した人の気持ちも注目する意義があるという意見。(2)この授業を受けていなければそう考えなかっただろうなと思ったから。

6月15日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 原発事故後の避難指示などに関する行政の対応が想像以上に官僚的であることに驚きました。
  2. (1)公共の福祉という最大多数の最大幸福という概念によって根こそぎに合う被害者が生じるということ。
  3. 現地の方が撮影した写真から、本人たちがどのような街を望んでいるか分かるのではないかという方法は初めて知ったし、効果的だろうなと思った。
  4. 「根」「根こぎ」という観点からも避難や地域社会を考えること。
  5. (1)被災地の水の例のように行政の気遣い以上に地元住民のほうが生きる知恵を持ってる場合がある。震災から40日後に政府が避難地区の方針転換したのはどうするべきだったのか、、
  6. 復興における都市工学というテーマは今まで考えたことのないものだったので新鮮な学びを得ることができた。特に、学問や政策の観点からの論理や「正解」を振りかざすだけにならぬよう、現地の方の感情を汲み取ることも重要視する真摯な姿勢がかっこいいなと思った。
  7. (1)私たちは科学的知見に基づいた真実を追い求めているが、科学的知見は未来を予測することはできないという話にとても納得させられました。たしかに、科学的知見が未来を予測できるなら、福島の原発事故は起きなかったと思います。そして事故前までは、私たちは科学的知見に基づいて原発を信頼していたと思います。だからといって科学を完全に疑うのは違うと思いますが、ある程度不確かであることを念頭に置かないといけないと思いました。
  8. (1)個を越えたコミュニティにより形成されてきた地域を既存の枠組みの中でどのように再生させていくかが重要。外部から入ってきて支援する側の姿勢として非常に参考になる。 (2)都市工学の考え方を学ぶことが出来て有意義な機会になった。
  9. 復興に際し、被災地域に息づく諸々を根こぎにしてはいけないという事はとても重要です。その土地の人々のじねん的実践を無視し、画一的な復興を志向するのは、外部者の怠慢であると感じました。
  10. 実際に復興となると、その単位は包括的な市町村ではなくて、それよりもっと小さい単位である昔ながらの伝統的な行政区であることは関心が湧いた。都市部における町内会などもそのような機能を有事の際には果たすのか疑問に思った。

6月22日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

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  1. (1)科学的説得だけでは解決できないことがある、納得してもらうために共感力が必要。 (2)自分は今まで非合理的な世論や風評被害等に対して、こんな簡単な理屈も分からないどうしようもないバカども!などと怒ってばかりいたが、態度を改めなければいけないと思った。また、政府等がきちんと共感やコミュニケーションを心掛けても、そもそも会見等を観ていなかったりメディアが取り上げてくれずに届かない場合もあるのではないかと思った。
  2. 人からの理解を得るには「共感→納得」の流れ が大切だということが、メルケル氏のスピーチの例から実感できた。共感力を身につけるため、いろいろな立場の人と接することを心がけていこうと思った。
  3. 少し福島の話とはずれてしまうが、現代ではテレビや新聞だけでなくSNSもあってさまざまな情報が氾濫しているために、その中からいかに恣意的に切り取られた情報を排除し、正しい情報を獲得するかといったリテラシーが大切なのかもしれないと、長年メディアに関わっていらっしゃる池上先生のお話をきいて感じた。
  4. 正しく情報を伝達するためには、正確な科学的知識を参照することは必要条件であるが、十分とはいえないということ。
  5. (1) 科学的知見にもとづいた政策などをトップが国民に説明する際には,「共感力」が何よりも大切であること。 (2) ロックダウン実行時のメルケル首相の説明を例にあげていらっしゃいましたが,現状日本の閣僚にはあのような素晴らしい説明は難しいと思います。これには,閣僚が一般市民とはかけ離れた生活を送っているから,という理由もあるでしょう。しかしそれ以上に,閣僚自身が科学的政策の意義をあまりきちんと理解していないように,(少なくとも答弁などを聞いている限りは)思えてしまうからです。 そのため,まずは専門家が政策に関して閣僚に説明する際にも,閣僚に対する「共感力」を持ったうえで,国民の声から政策の背景にある科学的根拠までを伝えることで,閣僚に正しい知識と当事者意識を持ってもらう必要があるのではないかと思います。
  6. (1)自分は中学受験をしてから、似たような境遇の人がほとんどの環境で過ごしてきており、多様な人への理解が足りていないと思わされました。じぶんひとりで多様な人の考えを考慮に入れることは難しいので、やはり組織内に多様な人がいることが大切なのだと思いました。
  7. (1)制度設計をする人間に特に必要なのは社会的弱者に対する想像力と共感力。自分が恵まれた環境にいることを自覚し、積極的にボランティアに参加するべき。
  8. (1)伝え方の重要性。自分たちのことばで相手に伝えるのではなく、相手のことばを使って話すこと。これは多くの学者に言えること。 (2)日本の政治の「伝え方」の問題点がよくわかり、社会上層の「頭の悪さ」がよくわかる
  9. 働いてる女性はもはや男性思考なので女性官僚入れても意味ないんじゃないか。。 安倍さんのステイホーム動画 医療資源を重症者に集中させるためって言ったら、医療資源がヒト資源を指してることをわからない人が不平を言った例とかから政治家の言葉ひとつひとつの解釈の余地に着目する必要性を感じた。

6月29日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. ドローンも小型飛行機制作も遊び心の延長線上に世の中を助ける技術の確立があるんだなとおもった。
  2. 無人機が急速に発展している。このような新技術・新産業の活用が福島復興に向けた重要な助けになると思った。
  3. (1)ドローンの技術は人工知能やバッテリーなどの発達も相まって著しく進展している。様々な場面で無人で動けるドローンの需要が高まっている。
  4. (1)2023年がドローンの変革の年だということ。機体認証や免許を国が証明することで、より安全にドローンを使えるようになると感じた。ドローンの可能性を知ることができた一方で、建物内でGPSが使えないなどの制約があること知り、技術進歩がふくしまロボットテストフィールドで行われていることがわかった (2)法律ができることで、ドローンの使用に制限がかかったことで、その自由な開発や使用が難しくなってしまうのではないかと思った。また、ドローンは簡単に軍事利用に転化できると考えており、その辺のルールづくりが早急に行う必要があると感じた。

7月6日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 原発の廃止措置に非常に長い時間(自分たちが現役世代でいる間ずっと?)と労力、コスト、多くの高度な技術や人材が必要とされることがよくわかった。
  2. (1)不幸な出来事を不幸だけで終わらせない (2)これまでの授業では社会学的な部分を多く見てきたが、技術者の視点から復興を考えることも大切だと感じた。
  3. (1)イノベーションコーストという国家プロジェクトがあることを初めて知りました。廃炉を進めていくうえでとても有用だと思います。
  4. 廃炉・復興という、明確な定義のない問題に対して向き合っていく必要があること。
  5. (1)実際の現場でどのように廃炉作業を進めていくかを考えることが重要だと思った。ロボットやドローンを作って使用してみても、うまくいかないことが多く、トラブルが発生してしまい、作業の遅れにもなっている・ (2)福島国際研究教育機構の実態がよくわからない。聞こえはいいが、目指すところが抽象的で本当に福島のためになるものなのか疑問に思った。

7月13日の講義で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください


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Update by mizo (2023.7.11)