国際環境資源情報学特論22

Mizoちゃんの考えたこと

担当: 溝口勝

(2023.2.7)  受講者:約10名


このページは、受講生のレポートを共有することにより、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、自分とは異なる視点もあることに気づくことで、より深みのある講義にすることを目的に作成しています。

講義資料

テキスト(資料1資料2) 動画(動画1動画2動画3動画4

(事前アンケート)この講義を受講した理由は何ですか?

  1. 農業は労働者が減少している業界であり、高齢者の働き手も多いため、ICT化による恩恵が大きいにもかかわらずあまり浸透していないことが問題だと感じていたからです。

  2. 溝口先生の授業だからです。ICTを学べるから。面白そうでした。

  3. 国際農業と文化ゼミナールを履修した際にICTの浸透について意見交換を行った。その議論でICTの農業への浸透に興味を持ち、知見を深めたいと考えたため。

  4. 自分の専門である水利分野においてもICT化を目指す動きがあり、ICTへの理解は必須のものだと感じているからです。

  5. 学部時代から少しだけ学んだことことがあったが、卒業前にこの分野についてきちんと理解したいと思った為。

  6. 溝口先生の講義に興味があったため。

  7. 情報と農学がどのように関係しているのかを学びたかったからです。

  8. I once took a teacher's course last semester and thought it was very interesting, so I wanted to continue taking relevant courses

  9. 農国の講義を通じて、農業における情報の大切さを感じ、それらを地方へと発信することに興味を持ったため。

(講義中のアンケート)1コマめの講義で重要だと思ったことを 挙げてください。

  1. 好奇心を失わないことと、目先の仕事だけでなく、組織の中での自分の役割について考え続けることが大切だと感じました。ワクワク度を記録しておくのは主観的なテーマに見えますが、自分の現状を相対的に評価し、どう動くべきかを考えるうえで重要な指標になると感じました。

  2. 自分自身での研究や人生の流れを可視化することで、役割や使命が見えてくることがあるということ。

  3. ワクワクを探すこと。環境が変わるのは大事だと思いました。

  4. 異なる環境に身を置き、これまでの環境を見直すこと

  5. 研究に限らず生活する上で新たな視点を取り入れ続けること "

  6. ・先生の場合六年周期でワクワクするポイントがあった。それは、現状に満足できなくなったときにそのたびにまったく異なる環境を志向し、新しい知見を受け入れていく積極性が備わっていたからこそ ・くすぶっているときに思考を止めず、継続してきたことが今の先生を創っているのではないか"

  7. 自分にとって新しいもの、楽しいものを追求すること

  8. 先生は人生の異なる段階でたくさんの選択をして、自分を見つめて、自分が欲しいものは何かを考えています。本当にいろいろ考える価値があると思います。 "

  9. 研究論文を書くことが大学教育にとって最も重要なことだということ。そしてその際、実際に手足を動かして、誰もやっていないことをするのが重要だということ。 勝海舟になろうと思ったことは興味深かったです。福沢諭吉が「やせ我慢の説」で勝海舟をを非難していたので、それも勝海舟を知るうえでぜひ読まれてほしいです!"

(講義中のアンケート)質問・意見・感想など(次のコマで回答します)

  1. 6年周期は確かに価値観や趣味が大きくタイミングとして感じるところがあります。溝口先生が今まで行ってきた研究の分野が広くて非常に驚きました。アメリカの完全分業制の研究スタイルは初めて知ったので衝撃的でした。

  2. ワクワクグラフは様々な起こったことをふり返り、その出来事に対するインパクトを引き出すことができるのでとても良いグラフだと感じました。

  3. 産業廃棄物土を利用した多孔性焼成体の物理的特性、アイディアソン:未来の農村で何をしたいか?を詳しく聞きたいです。

  4. コロナ禍がワクワクグラフに与えた変化

  5. 溝口先生の経歴では何を成し遂げたいのかが重要になっていると感じた。

  6. 進路を考える最中の自分にとって聞き応えのある話が続きそうで楽しみです。人生を振り返る上で”ワクワクしていたかどうか”を基準に持ち出すくらい夢中になれることを大事にしてきた先生のお話から、自分にとって夢中になれることは何なのか、これから偶発的に見つけていくために何が大事か、そんなことを考えるきっかけにしたいです。

(講義中のアンケート)2コマめ の講義で重要だと思ったことを 挙げてください。

  1. 人間関係の構築力は様々な場面で生きてくるなと感じました。それが新しい学びや縁に繋がると思いました。

  2. 専門にとらわれない幅広い知識をもとに自分の考えを構築し、それを誰にでも伝えられるようになること。

  3. 自分の意見を持ち続ける意識/自国と他国の違いを目の当たりにし、自国に良い部分を取り入れようとする意識

  4. 外で先進的なスキルを学びそれを内に持ち込み発展させる構造が、島国である日本にとって重要だと改めて思いました。湾岸戦争もそうですが、あの頃のアメリカは冷戦を終結させたことによる楽天ムードが漂っていたと聞きます。(フランシスフクヤマの『歴史の終わり』など)実際のところ、あの時代のあのアメリカを知る立場としてどのような雰囲気だったのか気になります。

  5. 学習や探求には実際に現場を見るということが大切であると感じた。

  6. 実験では、他の学者とコミュニケーションをとることが必要です(または、けんか、、、)

  7. 自分自身の学問領域からの派生も含めて様々な方とのコミュニケーションで新たな知見や経験が得られること。

  8. 実際に現場に行くこと、やってみることが大切であること。さまざまなバックグラウンドの人材がコミュニケーションを取ることによりアイディアが洗練されていくこと。

(講義中のアンケート)3コマめ の講義で重要だと思ったことを 挙げてください。

  1. 日本を客観的な視点で考え直すのは私も重要だと思っていて、たびたびやっています。研究についても客観的な視点をもっと持てるようにかんばりたいです。 「温暖な場所で凍土を〜」の質問にどう返答していたのですか?

  2. 専門が細分化されることで、農学研究全体としてのゴールが曖昧になっているという話が興味深かった。

  3. 人との関係が重要になっていると感じた。

  4. 事象を細分化してそれぞれの専門家を養成することだけが正しいとは限らない、とのコメントが印象に残っています。農学国際ができるきっかけもこういった意識からなのかな、と推察しました。

  5. 土壌、凍土といった研究に、しだいにITが浸透していく流れが面白いと思いました。実際にフィールド研究をしていたからこそ、いち早く両者をつなぎ合わせることができたのではないかと思いました。

  6. 先生と学生の関係が濃かった。

  7. 先生の過去の論文を閲覧することで、凍土について知らなかった知識を学んだ

  8. ツンドラの凍土についての話と過去の失敗談のお話が面白かったです。

  9. 実地調査はほとんど経験がないので、実験のデータの取り方や失敗の仕方が新鮮でした。

  10. 研究ごとに目的や役割が細分化されているだけで、本来はその元となった大きな目標がないがしろになっているのではないかという視点は、見失いがちだが忘れないようにしなければならないことだと感じた。

(講義中のアンケート)4コマめ の講義で重要だと思ったことを 挙げてください。

  1. 先生から野外実験の見聞をたくさん教えていただき、とても面白かったです

  2. 多岐にわたる分野が長いキャリアの中でのヒントやアイディアとなっているのかなと考えながらお話をお伺いしていました。

  3. 自身が研究している物以外のものにも目を向けることが発想や新たな研究分野へ繋がるのだなと感じました。

  4. 研究者と一般市民をつなぐものとして、アウトリーチの方法はとても重要であるということ。先生のYouTubeがあれば見てみたいと思いました。

  5. 日本の農業全体をより良くするためには、まず現場のフィールドを改善していく事が重要だということを学びました。

  6. 地道なアウトリーチ

  7. 研究には偶然で起こったことが助けてくれるので、失敗も必要。

  8. アウトリーチにおける問題点として、メディアは非常に影響力が大きいが伝えたいことが正しく伝えられるかどうかはまた別問題であること。昨今の情勢で研究内容を伝えることの難しさを実感することが多かったので。

(講義後のアンケート)受講後の意見や感想

  1. 先生の研究キャリアの歩みがみれて大変勉強になりました。先生は農学分野におけるカバー範囲が広いことに加えて、歴史や社会問題、時事問題に関する関心やご意見もお持ちで、それらが総合的に合わさって何かしらの形に作られていることを学ぶことができました。 "

  2. 今回の講義では溝口先生のキャリアを知るとともに、それに合わせた溝口先生の考え方や思いの変遷を学ぶことができました。今日の講義で一番印象に残った学びは、実践と人が研究において重要であるということです。この実践と人とは、自身が研究し何かを実現する上での突破口となるものであると感じました。溝口先生のお話でゆえば、シベリアへ行ったことで何をすべきなのかが明確になった事、留学中の飲みの席での出会いから新たな繋がりを得た事に該当すると思います。今回は学んだことは研究だけでなく自身の人生設計にも応用できると思いました。この学びを活かして、実践と人を意識して生活して行きたいです。 感想としては、学問的なところばかりではなく失敗談などカジュアルな話も聞けたのでとても聞きやすかったです。また、他の生徒さんの質問も面白くて自分の新たな視点につながったと感じます。"

  3. 本講義の内容は受講前に思い描いていたものとは大きく異なり、良い意味で期待を裏切られました。修士1年がもうすぐ終わる今、修論をどのように進めるべきか思い悩んでいた節がありました。”まずは先行研究のトレースでもいいから自分の手を動かしてみる”というお話は、そんな自分にとても刺さりました。また、自分の専門にとらわれることなく、様々な視点をもつことの重要性を感じました。今日の講義では溝口先生が今までに出会われたたくさんの方が登場しました。普段の勉強だけでなく、人との出会いこそが、新しい視点を持つきかっけになるのだと思いました。僕も人との出会いを大いに大切に、これからの人生をたくさんのワクワクであふれさせることができたらなと強く感じました。どうもありがとうございました。 "

  4. 溝口先生のこれまでの研究人生を詳しく知れことで、職業として研究をするということがどういう事なのか少しわかった気がしました。 まずは実際に現場に訪れる。そこで現場の人達が研究に何を求めているのかその声を聞く。その上で、自分ができる事から研究をスタートさせる。この一連の流れが重要だということを学びました。机の上でいろいろ構想を考えたところで、それは実は大した研究でないのかもしれず、実際の現場が求めているものを把握した上で研究者として何がができるか検討することが重要であると学びました。 また、先生にとって震災そしてそれによる原発事故は極めて大きな青天の霹靂だったと思います。農学そのもののあり方やひいては大学教授としての意味など、先生のライフそのものを見直すイベントだったと思います。なので、震災が起こった時に先生は何を考えたのか、震災を自分の人生にどのように位置づけたのかなどについて気になりました。詳しく話を聞きたいと思いました。 他方、日本中に住むすべての人にとって、震災は多かれ少なかれ影響を与えたものだと思います。東北に住む人達はいうまでもなく、それをニュースでみた沖縄の人や、九州などに居住しながらも先祖、家族、友達が東北に住んでいる人など、ほとんど全ての日本人にとって自分の人生とは何か、自分は職業を通じてどんなことを発揮できるのかなどを考えさせる機会になったのではないかと思います。したがって、もしまたこのメンバーで議論をする機会があるのならば、各メンバーが震災をどのように自分の人生に位置づけているのか話し合いたいと思いました。私自身、三重出身でありながらも、震災で受けた影響は大きなものがあります。もし機会があれば、それらを話し、議論したいと思いました。 本日は貴重な講義ありがとうございました。 " "

  5.  途中までではありましたが、先生の研究史を概観してその量に圧倒されました。常に自分の手を動かして”理解”することにこだわりを感じ、それが様々なセレンディピティに繋がり研究者として結果を残すに至ったのだなぁと感じました。  また、分野ごとに細分化された専門家を育成することを必ずしもよしとしない、との考え方が印象的だと3コマ目のコメントで記入させていただきました。そういった背景もあり農学国際が創られたとのコメントをいただきましたが、それが成功したかといえばそうではないと先生がおっしゃったことが引っかかっています。  農学国際出身の僕も、以前から思うところが少しありました。僕が農学国際に入った当初、目指すべき学生像として、「国際的、学際的に本質的な課題解決を行っていくゼネラリスト兼スペシャリスト」といった姿をイメージしていました。農学国際を引っ張っていく先生方もそのような学生を育てようと企てていたのではないでしょうか。  しかし、実際に2年半の農学国際在籍期間を終えて、そのような姿に最短で近づくことができたか自分に問うたとき、はっきりと肯定することはできません。最も大きな原因が自分の学問に向き合う意識の低さにあるのは言うまでもないのですが、農学国際の教育カリキュラムが自分にあっていなかった可能性もあるように思います。  農学国際のカリキュラムは、まず第一に様々な分野に触れ、四年生になって卒論研究を始める際にようやく自分の専門領域を決めるといったものでした。つまり、他の専修よりも2Aセメスターはじめから3Aセメスター終わりまでの1年半だけ専門分野を決める時期が遅いことになります。農学国際は、まず全員をゼネラリストにし、その上でそれぞれの道を極めるスペシャリストにまで育て上げる方針といえるでしょう。  しかし今になって、この教育方針は逆のほうが良かったんじゃないかと思ったりします。つまり、「国際的、学際的に本質的な課題解決を行っていくゼネラリスト兼スペシャリスト」を目指す上で、まず全員が何かしらのスペシャリストになった上でゼネラリストを目指すほうが効率的なんじゃないか、ということです。  自分の専門が仮決めすら行われていない1年半の間、様々な授業を聞いて様々なインプットがあったものの、主体的にその分野の課題を考える経験がほとんどなかったように思います。研究を始める4年生のはじめの時期になって、ここ1年半の間は勉強してきたけどあまり身になってないような...と感想を抱いたことを覚えています。  逆に、仮でも自分の研究テーマが決まった4年生からは、専門分野、研究領域における課題が何かを自分の頭で考えるようになった気がします。専門分野が仮にでも決まったことで使命感が生じたからでしょうか。そして専門分野を学ぶ中で、課題解決のために自分にたりない知識がわかってきます。そのような場合に、必要性に駆られて他の分野の勉強をします。その際の学習効率はよく、結果的に最短でゼネラリストを目指せるように思います。  まとめますと、ゼネラリストを目指す上でも、いったんはスペシャリストを目指すのが近道なのではないか、と思っています。溝口先生はもともと農業土木のスペシャリストであり、そこから必要に応じて情報領域にも秀でるようになったとのお話を聞き、この自分の主張を支える根拠としての例が増えたのではないかと感じています。" "

  6. 前学期は幸運にも先生の授業を受けたことがあり、今回の授業の内容も前回と同じ十分に専門的だと思っていたが、意外にも雑談的な授業で、とても意外だった,内容にも随分面白いです。溝口先生のこのような講義スタイルが大好きで勉強になりました 私に最も印象に残っているのは、先生が作ったワクワクグラーフです。このように直接他人の人生経験を見ることができて本当に光栄です。先生の人生前半、半転々としていましたが、ずっと続けてきた土壌の研究、そして私も先生のこの学科への熱情を深く感じました。「やはり自分で目を見なければならないものがある」と先生が言ったとき、私は思わず自分の研究の目的を考えて、どのような研究を行うのか。将来研究を続けるのではないかと考えてしまいました。 授業後半の先生の様々な土壌の研究の簡単な紹介は私に多くのことを学びましたが、やはり先生の研究に対する執着と情熱は私に最も忘れられず、先生の人生に比べて、私の人生経験はまだ非常に浅薄で、そのために多くの些細なことに悩み、迷いを感じました。この授業が終わったら、先生の影響で私はもっとしっかりと選択できると信じています。" "

  7. 先生が大学院に入ってからの研究の歴史を知れてとても有意義でした。土壌については奥が深く、凍土やメタンガス・透水性などどれも面白かったです。自分でもっと勉強していきます。実際にフィールドに訪れることで得られるもの、先行研究をたどることで見えてくる疑問を拾っていくことで面白い研究ができるということも自分の研究をもっと工夫しなければならないという考えをもたらしました。 また、たくさんの経験が先生のワクワクグラフを支えていて、社会の理不尽さや他国との違いも経験することが自分を育ててくれると改めて思いました。"

  8. 今回の講義は自分自身が予想していた講義と全く異なり、新たな知識を得るものだと思っていました。しかし、ICTなどの専門知識を得るよりも大きなものを得ることができたと感じています。溝口教授の人生歴を聞くことにより、自分自身の心の持ちようが変わりました。学士とは異なる学校に修士から入学して、学問領域の異なる研究を始めるにあたって目的を多少なりとも見失うタイミングがありました。今回の講義を受けて、研究活動について・人とのつながりについて考え方として取り入れようと感じたことが多くありました。自分もワクワクグラフを作って人生についてのインパクトを分析していこうと思います。また、ワクワクグラフでの東日本大震災でのインパクトの要因を聞いた時には、自分もそのような使命感を持つことに関わる人になりたいと思いました。実際に12月に福島を訪問した際に、想像と異なる現状を見て衝撃を受けました。やはり見てみないとわからないことだらけだと実感したので、ここからの研究生活・人生に役立てたいと感じました。

  9. ちょうどサイエンスコミュニケーションの授業も同時期に受講しているので、溝口先生のお話で具体的な実践例や問題点をお聞きすることが出来て良かったです。溝口先生の経歴を知ってその研究内容の多様さに驚きました。

自分以外のレポートに対する意見や感想

  1. 同じ講義に対して、同じ専攻の学生が受けているにもかかわらず、個々人の視点の違いが表れていて興味深く感じました。同時に、専門の異なる違う知識や視点を持つ人同士の会話による発展の可能性を表しているようにも感じました。

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mizo[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp
Update by mizo (2023.2.10)