2011年3月の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故は、大量の放射性物質を環境中に放出し、福島県および周辺地域の人々の生活に深刻な影響を及ぼした。
本講演では、事故直後から福島県飯舘村に入り、私が実施してきた土壌中の放射性セシウム汚染調査や農地除染に関する現場実験の取り組みを紹介する。さらに、事故から14年以上が経過した現在の復興状況や残された課題、住民の意識の変化にも触れた上で、現在私が取り組んでいる「美賢村構想」―未来を見据えた農業再生、ICT/IoTを活用した農村振興、そしてフィールドツアーを通じた若者の学びと交流の場づくり―について紹介する。この講演は、翌日に実施される飯舘村ツアーの理解を深めるための事前学習の位置づけでもある。
ツアーでは、除染土壌の再利用に関する実験サイトの見学や郷土料理を通じた村民との交流、土壌と放射性セシウムに関する講義、そして地元農家の生の声を聴く機会がある。この経験を通じて、参加者の皆様が「福島の2025年問題」への理解を深め、新たな解決のヒントを得ることを期待している。
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