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東京大学全学自由研究ゼミナール

週刊・福島復興知学講義(2025)

講義日程

  1. 4月11日:秋光先生(ガイダンス)、松尾先生(放射線基礎)
  2. 4月16日:溝口先生(講義資料
  3. 4月23日: 楢橋里彩先生(講義資料) ⇒オンライン
  4. 5月7日: 万福裕造先生
  5. 5月14日: 張政遠先生
  6. 5月21日: 相場繁先生
  7. 5月28日: 関谷直也先生
  8. 6月4日: 開沼博先生
  9. 6月11日: 窪田亜矢先生
  10. 6月18日: 川端邦明先生
  11. 6月25日: 早野龍五先生
  12. 7月2日: 土屋武司先生
  13. 7月9日: 総合討論

このページは、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、そのレポートを共有することで自分とは異なる視点もあることに気づかせるために作成しています。
受講生は自分のコメントやレポートがあることを確認してください。

受講後アンケート(出席カード)

毎回受講後に答えてください。(出席の確認に利用します) 過去の回答例(2024,2023, 2022, 2021, 2020

この講義(福島復興知講義)の存在をどこで知りましたか?

  1. シラバス、昨年受講した先輩の話。
  2. 福島県のいわき市出身で、復興地学フィールド学習に参加しました。
  3. 溝口教授の紹介
  4. シラバス
  5. サークル(東大CAST)
  6. 講義は時間割表から見つけたが、秋光先生の名前は東北にいる友人から聞いたことがあった。

この講義(福島復興知講義)を受講する理由(期待)書いてください。

  1. 福島出身の身として、改めて震災、そして復興について知るべき機会だと感じたから。
  2. これまで漠然と受け止めてきた福島の課題と復興を整理して学びなおしたい。
  3. 様々な学問的見地から福島の復興を論ずることで、より自らの視野が広がると考えるから。
  4. 原発事故当時、事故の与える影響やその範囲が全くピンときておらず、その後も当時の地震や津波の印象が強く残り、原発事故に対する理解はあまり変わらないまま大学生になったがそこでそれを学べる機会を得たから。
  5. 東北が好きだから。 普通に生きていたら復興についてこんなに詳しく学ぶ機会はないと思ったから。 大学の授業は学問分野別のものが多く、ひとつの事象に対して色々な面から考えるという授業に新鮮さを感じて興味を持ったから。
  6. 上にも記した通り、聞いたことのある教授が行っている授業ということで関心があったため。また、(震災に限らず)地域の再生というテーマに興味があるため。

4月9日の講義(秋光・松尾)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1)放射線の仕組みや種類など、今まで知っていた知識を補強する形で学ぶことができた。 (2)特になし。
  2. @県内ニュースで見ていた震災と復興に関するニュースでは得られなかった、放射線に関する理科的な知識を学べて興味深かった。 A放射線の単位ごとの意味の違いがよくわからなかったので調べなおしたい。
  3. (1)放射性物質・放射線・放射能の使い分け...正しく理解し使いこなせることが、風評被害の抑制につながると考えるから。 (2)福島産の農産物・海産物を忌避しつつも、韓国の地下鉄に乗ったり・ギリシャの石造りの家を観光することを厭わない人々がいるが、彼らの思考の枠組みというか、考え方のプロセスが知りたい。"
  4. (1)福島原発の立地の選定に至る経緯が非常に怪しい。「地域の人々の理解が得られる」という文言は都市ではなく田舎なら良いだろうという安直さが窺える。 また、放射性物質は自然に常に生成される(トリチウムは宇宙線と大気の反応で)もので、さらに普段の我々の食事や、土壌、壁などにも少なからず含まれていることを踏まえると、完全に0にすることは不可能であり、安全性の観点から設けられた基準値以下にすべきということの理解を得ることが重要だと思った。(二つになってごめんなさい) (2)福島に行くのはいつ頃でしょうか。
  5. (1)核実験が行われていた冷戦時の放射線量と、福島原発事故によって残った放射線量がほぼ変わらないということ
  6. (1)震災を見つめ直すとき様々な視点があるという事実が、当たり前ながら最も重要だと思った。なぜならこのことへの意識は情報リテラシーの基礎となりうるし、問題提起を行うときの前提ともなりうるからだ。福島第一原発の事故の調査所で東電が責任の所在への明確な進言を避けていることや、「アカデミアは震災に対して何ができるか」という問いがたてられていたことがそれぞれの例である。この点を忘れないようにしなければならないと自覚させられた上、見たことのない視点が現れた時にも拒絶せずに受け入れる意識を行わなければならないと感じた。(2)特にありません。

4月16日の講義(溝口)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1)理論上うまくいっていることが現実では上手くいかない、というのはよく言われていることだが、今回の講義では"だから実際にやってみよう"が強調されていて、溝口教授の実行力の強さと実際にやることの大切さを実感させられた。
  2. (1)土壌が汚染され農業ができなくなった問題を現実的に解決し、さらに現地で暮らす人にとって便利な新しい農業のあり方(WiFIを通し複数のカメラを設置することで遠隔で一目に広大な田の様子を見れるようにするなど)を飯館村から始めようとする人がいること。 (2)飯館村に人や学校や店はどの程度戻っているのか。
  3. @被災地のすぐ近くで育ってきていたにも関わらず、少なくとも小学生まではあまり放射性物質だとか除染だとかの知識に触れずに育ってきました。そのころにも、福島県で溝口先生たちが様々な試みを行っていたと思うと、不思議な感謝を覚えました。 A溝口先生は震災発生後すぐに飯舘村に入られていたので、どうしてそこまですぐに福島行きを決断できたのかを不思議に思いました。
  4. (1)正しい科学的知見に基づいて震災・原発事故の被害を分析し、農業などをどのようにして活気あるものにしていくべきかを考えていくこと。 (2)誤った風評被害は無くしていかなければいけないと思う一方で、原発事故などで放射線の被害があったことは紛れもない事実で、それに対して不安に思う人が(日本に限らず)多くいると思うので、それを否定するのではなく何が正しくて何が間違っているのか、どういったデータに基づいて安心だと言えるのかを伝えていく必要があると思った。 (間違って先週の時点で、4/23の部分に記入してしまっていたかもしれません。正しくはこちらなので、回答時間等を確認して訂正していただけると幸いです)
  5. (1)今回の講義を聞いて最も重要だと思ったのは、本題から外れるかもしれないが、飯舘村内でも汚染のレベルに差があるという事実である。これまでコミュニティの復興という言葉は「震災でバラバラになった人たちが帰郷した後に新たなつながりを形成する」だけのことであると思っていたが、「現在も同じコミュニティ内で発生しうる不平等に折り合いをつける」ことも必要だと気付かされたのだ。現地の状況を鑑みずに政治上の都合でボーダーを引くのはかつての植民地問題にも通じるところを感じ、とても印象的であった。 (2)特にありません。

4月23日の講義(楢橋)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1)正しい科学的知見に基づいて震災・原発事故の被害を分析し、農業などをどのようにして活気あるものにしていくべきかを考えていくこと。 (2)誤った風評被害は無くしていかなければいけないと思う一方で、原発事故などで放射線の被害があったことは紛れもない事実で、それに対して不安に思う人が(日本に限らず)多くいると思うので、それを否定するのではなく何が正しくて何が間違っているのか、どういったデータに基づいて安心だと言えるのかを伝えていく必要があると思った。
  2. (1)香港の人々は日本文化好きの人が多い中、香港政府による日本の一部地域の水産物の輸入禁止に伴い、日本食を食べないどころか日本に絶対いかないとまで極端に考えてしまう人が案外多いこと。 (2)中国にある複数の原発が、福島第一原発の処理水の海洋放出の年間予定量を上回るトリチウムを含む処理水を海水に流しているという報道があるが、中国や香港においてそのような報道はなされているのか、また、人々がその指摘を認識しているのか。
  3. 中国の原発も処理水を放出しているのにもかかわらず、報道されないことによって、福島の作物や漁獲物がことさらに危険だとみなされている状況から、正しい知識を偏りなく得ることの重要性を感じました。
  4. (1)メディアがフェアな立場を保たなければいけないというのは、当たり前のようでいて今の時代ではとても困難なことになってしまっている。そんな中で私たちはメディアというもののあり方について批判・自省ともに常に考え続けなければいけないと思った。 (2)メディアの報道に動かされる民衆の姿についてのお話は非常に興味深いものだったが、しかしながら現実は日本も変わらず、多くの日本人がメディアの言うこと、ひいては周囲の意見に同調しており、自らある特定の問題について追求していく姿勢というものが欠けている人が大多数なのではないかと感じた。今回の授業では香港の事例について扱ったが、これを他人事ではなく自分たちの問題でもあるのだと自覚するべきだと思った。
  5. (1)いくら科学的に安全性が証明されていても、人間を安心させられなければ意味がなく、その為に報道はとても大切である。また、これは悪事にも利用されており、つまり、いくら努力して安全性を証明できても、その情報を人々を安心させるために活用できなければ意味がなくなってしまう。
  6. (1)メディアの報道が民衆に大きく影響を与えることを示した日本料理レストランの話が今回の講義で最も重要だと思う。なぜならSNSや動画サイトがこれほどに普及している世の中でもメディアの影響力が大きいことは予想に反していたからだ。そして、このことは報道の自由への制限が先進国の中で大きい日本国内でも決して他人事ではないだろう。さまざまな利権が絡み合って自由な報道ができなくなっている日本社会で暮らす我々は、特に災害時などの非常事態の時にはメディアの報道にすら疑いの目を向け、正しい情報を取捨選択する能力を身につけなければならない。SNSの匿名性だけが取り沙汰される世の中だが、大衆メディアへの向き合い方を改めて考えさせられる講義だった。(2)特にありません。

5月7日の講義(万福)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 被災者に伝わる情報の中には、先入観や思惑などから出る誤情報が多く含まれるため、専門家による今後の計画や試験の説明に納得できない人々がいるのは必然だと思う。しかし、それは説明のわかりづらさや、そもそも専門家は政府の回し者であるというような印象による不信感にも由来するのではと感じた。特に後者は、万福さんは、万福さんらを批判していた被災地のある首長との会話で、意見があって仲良くなり、その後の事業も順調に進んだ、ということが良い例だと思う。また、人は当然分かりやすいことをより正しいと思うはずだから、専門家側も、想像し難い事柄をなるべく噛み砕いて説明する必要があると感じた。また我々は、伝わってきた情報を鵜呑みにせず、自分で原因から結末まで詳しく調べることが重要だと思った。
  2. 1福島で被災された方々とコミュニケーションをとる際に、お互いに持っている前提知識が全く異なることで、自分の言いたいことを理解してもらうことができないという事態は、現在の除染度再利用の問題にも通じるものだが、結局は正しい知識を伝え広めるという方法に終始してしまうのだろうなと感じました。
  3. (1) 万福さんの"村長と仲良くなってそれ以降ことが上手く進んだ"というエピソードを聞いて、理論的な正しさや科学的な安全性を証明するのももちろん大切だが、それらの目的は人間を安心させることなので、やはり人とのコミュニケーションが必須であると感じた。
  4. 実際に浜通りの方で復興関係の仕事に携わっていた方のお話を直で聞くことができたのは非常に良い経験になったと思う。
  5. (1)最も重要だと思ったことは、何をするにおいても現地での総意が得られることが必要不可欠であるということだ。そしてこれを達成するための手段としてわかりやすい説明や現地の人との信頼関係の構築を行う必要があるが、教授の体験談からそれらは決して簡単なことではないと実感された。現地に赴く人は被災者よりも楽な立場に見えるが、そう見えるからこそ心労も多く周りからの対応も暖かいとは言えないものになりがちだ。このことを今回の講義から肌身を持って理解できたので、災害への対応をなさった方々に最大限の敬意を表そうと思った。(2)特にありません。

5月14日の講義(張)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1)被災者と外部の人で、集まって議論する機会は現状少ないが、日常会話では吐けないが本音で話したいことは個々人に少なからずあると思うから、集まって対等に話し合える機会を設けることは重要だと思った。
  2. 今回の授業を聞いて、哲学カフェというアプローチ方法やその有効性について初めて学ぶことができた。

5月21日の講義(相場)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1)我々が紙面上で見るデータでは個々の実情が見えないことと、逆に現場にいることで主観的な印象というバイアスがかかり全体像が見えてこないこととは両立が難しいと感じた。さらに、研究データについてはその研究対象の選別の仕方や調査方法による偏りがあり得ることに注意する必要がある。
  2. (1)被災者への対応において、個人のパーソナリティに寄り添ったミクロな対応、そして住民全体を俯瞰したマクロな対応はどちらも必要不可欠ではあるが、単一の個人や組織が同時に行えるものではなく、二つの連携は非常に困難であるように感じた。
  3. (1)実際に現地で保健師としての活動をされていく中で先生が感じた、ミクロな視点とマクロな視点の両方が必要になるということ、そして同時にそれらのバランスを取るのは非常に難しいということに対する気づきは、私たち学生が震災を考える上でも非常に重要であると感じた。
  4. (1)震災についての記憶を保存する際、必要な遺産は必ずしも崩壊したものである必要がないということが重要だと思う。今までの私は陸に打ち上げられた船のような使い物にならないものたちのみを記憶装置として認識してしまっていたが、実際には浪分神社や資料館などの震災後に建てられたものたちも重要な役割を果たすはずだと実感を伴って理解できた。

5月28日の講義(関谷)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. 風評被害を軽減するために、正しい知識を積極的に伝え広めることの重要性は認識していたつもりだったが、あくまで事実を伝えるのであって、イメージや理想を伝えても意味がないという部分が特に印象に残った。
  2. (1)授業内で、科学者、漁業関係者、一般の人々などさまざまな立場からの震災の影響や風評被害に対する考え方の違いを学ぶことができた。
  3. (1)「子供世代にとって原発事故が実感を伴わない歴史上の出来事になる日は遠くない」という教授の発言が最も心に残った。この惨劇は語りや体験型学習などで必ず後世に伝承していかねばならないと思う。また授業の本テーマであった風評についても、その解決策が事実ベースの知識の周知であることと同時に伝えていく必要があると実感させられた。というのも、イメージ戦略だけでは動かない人たちがいることをきちんと見据えなくてはならないからである。しかしこのような状況でも依然としてイメージ戦略がとられ続けていることには報道への何者かの介入を疑わざるを得ず、そうした疑念に関連した知識のさらなる調査も必要だと実感した。
  4. (1)海外での風評被害の存在 (2)国内の風評被害にしか目を向けておらず、その国内についてはかなり改善傾向があると思っていたので、海外の風評被害という観点が新鮮だった。また、海外では国内と比べ改善されていないと知り、国外報道の難しさを感じ

6月4日の講義(開沼)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 震災により避難生活を強いられることで、高齢者にとってはそれまで自分を支えていた近所の人や家族などのコミュニティがなくなり、精神的にも体力的にも生きづらくなる。このことは、高齢者に限らず、学校の友人がいる子供にも、仕事のある人にも言えることであり、様々な災害がいつ起きてもおかしくない今、避難所で生活する高齢者や、転校生徒、転職者になるべく負担をかけさせないような対策を今十分に検討する必要があると感じた。
  2. 開沼先生は、福島第一原発に関する風評被害の根本的な原因を、個人の感情としての不安の中にではなく、固定化されてしまった慣習、制度のような形のものとしてとらえていた。こう考えれば、風評被害の対策は、正しい知識を広めることには終始しない。
  3. (1)今回の授業で最も重要だと思ったことは、かいぬま先生が常にこちらの知識レベルに合わせた説明を提供してくれようとしていたことである。このことは5月7日の講義で教授がおっしゃっていた「わかりやすい説明をしなければ誰からも同意は得られない」ということの実践例のように思えたのである。そして、以前の講義では得られなかった新たな発見は、集団それぞれのニーズに合わせたレベルでの情報を提供することが大切だということである。例えば放射線量についてのクイズをするときに教授は「ここにいるみんなは大体の線量の感覚はわかっているよね」のようなことを言っていたのだが、これは単なる冗談混じりのプレッシャーではなく、その場にいる聴衆の知識レベルを精査して適切なレベルの説明を行うための手法だったのである。このようなコミュニケーションを意識して目の当たりにしたのは初めてだったので、多くのことを吸収していけたらと思う。
  4. (1)海外での風評被害の存在 (2)国内の風評被害にしか目を向けておらず、その国内についてはかなり改善傾向があると思っていたので、海外の風評被害という観点が新鮮だった。また、海外では国内と比べ改善されていないと知り、国外報道の難しさを感じた。

6月11日の講義(窪田)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 中間貯蔵施設が負の遺産たりうるかは、原発事故の現在・未来世代への伝承と、元の地域住民の生活の主に二つの視点で考えるべきだと思う。講義では、日本の負の遺産の代表として原爆ドームが取り上げられたが、これもすぐに保存が決まったわけではなく、20年以上の時が経ってからのことであった。このことからすると、上の二つの視点の対立をすぐになくすことは難しいかもしれない。しかし、中間貯蔵施設の期限は刻々と迫っているのだから、対立が自然消滅するのを待っているのでは遅いと思う。
  2. (1)授業後半で話し合った震災遺構として何を残すべきかという議論も重要ではあると思うが、私が今回の授業で最も重要だと思ったのは、震災で土地を失った人が金銭的側面以外でも損失を負っているということだ。親しい人の亡骸を瓦礫の中に探し続けている人のエピソードなどは、特に心に響くものがあった。実利の面以外にも考慮すべき事情は多くあるということに気付かされる講義であった。(2)特にありません。
  3. (1)負の遺産について、それを形として残すべきか残さないべきかという議論を受講者全員で行ったが、一人一人それぞれ違った考え方があり、自分の正義は他者の正義とは限らないのだなと改めて痛感した。ただ、やはり個人的には中間貯蔵施設は負の遺産としてこのまま残し、原発事故の悲惨さを後世まで伝えていく義務が我々にはあると感じた。
  4. (1)負の遺産は遺せばいいというものではない、という考え方。 (2)負の遺産を残すということは、その地の復興を放棄することと表裏一体であると感じ、何でもかんでも残せばいいものではないのだと思った。対象物を負の遺産とした時に得られる教訓が、本当にその地の復興を放棄するに値するほど大きいものなのかしっかり吟味する必要があるのだと感じると共に、その判断基準の難しさに頭を悩まされた。

6月18日の講義(川端)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 今できることととして、燃料デブリの取り出し等が手探り状態である現状に少し驚いた。ただ手探りとは言え今後時間をかければ乗り越えられると思うが、街の復興との関連を考えると、それに合わせて周辺地域の復興も想定できないくらいに遅れてしまう気がする。
  2. (1)これまでの授業は、(初回の放射線の基礎的知識を除いて)風評被害や遺産などどちらかといえば社会学的な視点のものが多かったように感じていたので、今回とても実際的な技術的知識に関する授業は新鮮だった。
  3. (1)原発内部の処理がどう行われているのかということについて、正直あまりつかめていないのが本音だったが、実際に現場で活動されている方から直接現場の現状について話を聞くことができたのはとても貴重な経験だと思った。
  4. (1)廃炉は本来人が入る想定でつくられているものだということ。 (2)廃炉は本来人が入る想定だったと聞き、人が入るはずだった場所があそこまで荒廃してしまっている、とネガティブに捉えていたが、""人が入る場所だったわけだから、安全面さえクリア出来れば人の手を使ってどんどん作業が進められるようになる""というポジティブな話を聞いて、発想の転換の大切さを感じた。
  5. (1)復興について考えるとなると広い視点にこだわってしまいがちである。その中で今回のような緊迫感のある現場の話を聞けたことは、とても有益であると感じた。全体を考えることで個の問題を見落とすことがないようにするということは、これからどのような問題と向き合うときにも活用できる姿勢であり価値のある学びだと感じた。 (2)特にありません。

6月25日の講義(早野)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1) 福島県における事故後の甲状腺検査は、被災地の人々の健康状態を確認し安心させる(?)というメリットが大きいと思っていたが、過剰診断という点で、むしろ否定的な見解の方が主流であったことは初めて知った。 (2) 甲状腺癌罹患率とそれによる死亡率の関係から過剰診断であると判断できる理由がよくわからなかった。またスライドのp15で、空気中の放射線量が減っている要因は、時間経過以外にあるのか。
  2. (1)甲状腺検査の是非については、正直個人個人や家庭によって様々な考えがあるし、客観的データから考えられる背景についても様々な解釈がありうると思うので、今ここで結論を出すことを急がず、自分でさらに調べて自らの考えをまとめられるようにしたいと思った。
  3. (1)甲状腺がん検査が過剰診断であったこと (2)検査や調査はやればやるほどいいと思っていたが、そんなに単純な話ではなかったと知り、自分の安直さを感じた。
  4. (1)甲状腺がんの検査を社会問題として捉えること自体ももちろんためになったが、授業後に話していた「スクリーニングに反対していたら組織を追い出された」という話が最も印象的だった。報道の自由が利害関係によって往々にして妨げられるこの国でどうやって正しい情報を広めていくかというのは、さまざまな分野で課題だと感じる。 (2)特にありません。

7月2日の講義(土屋)で (1)重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。 (2)質問や意見があれば書いてください

  1. (1)ドローンの利用はまだ普及している段階には至っていないため、法整備と同時並行で徐々に活用範囲が拡大されていく。講義では能登の震災での活用が取り上げられていて、今後の災害において支援物資の運搬や被害状況の調査などでより活躍していくことになると思う。
  2. (1)ドローンの災害への活用の仕方が多様であることにはもちろん魅力を感じたが、最も印象に残ったことは「事故は必ず起こる」とする姿勢だ。これは質疑応答での「万博の事故は試験であるが故に起こったものなので、社会的責任より今後の改善に注目すべき」という見解に色濃く現れていた。また、講義で見せてくださった空中分解するドローンの制御を試みるテストは、映像の迫力も相まってとても印象的だった。リスクを単に警戒することの一歩先をいく視点は災害への備えでも大切になるだろう。学ぶことが多いと感じた。 (2)特にありません。

7月9日の講義:振り返り(1) 今日までの講義の中で特に印象に残った講義は何ですか?

  1. 6/11「原子力災害と負の遺産」
  2. 万福先生、開沼先生
  3. 5/7 万福裕造先生「環境回復に向けた取り組み」 5/21 相葉繁先生「住民それぞれの復興」
  4. 5/21「住民それぞれの復興」6/25「過剰診断」
  5. 窪田亜矢先生「原子力災害と負の遺産」
  6. 5月28日の講義「震災と風評被害」
  7. 溝口先生のご講義「復興農学」です。

7月9日の講義:振り返り(2)なぜ、その講義が印象に残ったのですか?

  1. その場にいた受講者や講師の先生を含め、全員でディスカッションを行い、中間貯蔵施設を残すことの是非について、自分と同じ意見の人や逆に全く違う人など、様々な立場の意見を聞くことができたから。
  2. 万福先生は、震災直後の派遣時の体験談を赤裸々に話されていたのが印象的で、特に政府から派遣されてきた方と地元の方のすれ違い、温度差のようなものについての部分が心に残った。開沼先生は、風評被害を、個人の忌避感、嫌悪感の様な個人の感情としてではなく、社会構造に残る問題として分析されていたことが面白かった。震災以降にしみついてしまってきた漁業、農業関係者にとって不利な慣習を改善することで、風評被害に対処することができる道筋が示されていた。
  3. 万福先生は被災地の住民に現状や今後の事業計画を説明し、常に責められる立場であったが、非難されながらある地域の首長と会話している時に、些細なきっかけで急に菅家が良くなり、その後の事業を万福先生の事業だからということで住民の方々の理解をスムーズに得ることができたという話が印象的であった。 また、それに近い話で、相葉先生の講義では、住民の健康調査に回るときに、住民がいつもいなかったり、冷たい対応をされたりと、住民との間に溝があるようであったが、こちらから一方的に調査するのではなく、逆に相葉先生から住民に人生相談をしたりしたことがきっかけで、徐々に良い関係になっていったという話も面白いと思った。
  4. 相場先生のものは最もミクロな視点で、福島に行ったことのない自分としては被災者の声を(間接的にだが)聞く経験が貴重だった。早野先生のものは今まで震災に関して聞いたことのない問題を扱っていて、内容もデータに基づいて論理的で興味深いと感じた。
  5. 負の遺産についての意見交換をした時間が印象に残っている。自分で考える時間が多かったからだと思う。 また、原爆ドームはたまたま残っていただけという事実が驚きで、印象に残った。
  6. 印象に残った理由は、風評や噂などに対する最も有効な対処である「対象を絞った事実ベースの情報付与」が述べられていたからである。 そもそも事故に対してマイナスなイメージを持っている民衆は、事故に対するマイナスな報道を受け入れやすくなっている。その上4/23や6/25の講義でも述べられていたように、報道機関は利害関係を考慮して正しい報道を行おうとしないことがある。その中では悪い噂が立つことは当たり前であり、復興のためには相応の対応が求められる。 その際に必要な姿勢が述べられていたため、この講義が最も印象に残った。
  7. 農学部の皆さんの土壌除染への努力に感動しました。また、噂よりも現地で自分の目で確かめることの大切さを学びました。

7月9日の講義:振り返り(3)この講義を受講する前と後で考えや感じ方が変わったことがあれば、説明してください。

  1. 震災から10年以上が経ちなかなか当時の話を振り返ってする機会も減ってきた中で、改めてたくさんの課題がまだ残存しているということ、そして、震災や原子力の被害に対するそれぞれの立場・意見は一人ひとり異なり、それぞれの中に正義があるのだということを改めて感じた。その上で、今後福島の復興を実現していくために、互いに意見交換を行いどうすればより良い未来を作っていけるのかを考え続けることが重要なのだと強く思うようになった。
  2. どのようにして人を呼び戻すのか、産業を呼び込むのか、など”震災の跡を消す”ことばかりを考えていたが、相馬のロボットテストフィールドなどは人がいないことを利点として活用している。震災によって生まれた不利な状況を逆に強みとして活用する姿勢もまた(復旧とは違って)復興に重要なことだと思った。
  3. 以前は、被災者対非被災者という大きな構図で考えてしまいがちであったが、被災者にもさまざまなコミュニティがあり、個々人の尊厳があるということを忘れてはいけないと思うようになった。
  4. 単純に福島での被災・復興について知識を深めることができたので、それぞれのテーマに関しての考えや印象は大きく変わった。
  5. 負の遺産は遺せるなら遺した方がいいと思っていたが、負の遺産を遺すということはかつての街を取り戻すことを放棄することだという事実を認識した。
  6. 適切な知識があれば不安は減るのだと実感された。
  7. 外国人ですから、新聞やインターネットの記事を見て被災地の農産物を食べることを拒否していました。しかし、今はそれが風評被害ということがわかってきました。

7月9日の講義:振り返り(4)福島県などの被災地の復興にとって重要なことは何だと思いますか?

  1. 自らの身をもって震災を体験したかしていないかにかかわらず、東日本大震災とそれに伴う原発事故や被害を自分ごととして捉え考え続けること。また、過去や現実がたとえ辛く目を背けたいものであっても、そこから目をそらすことなく真実を後世に伝え、その上で復興という明るい未来を実現するために前向きな態度を保ち続けること。
  2. その地域の過去に固執しないことだと思う。以前と変わらない姿に戻すことは必ずしも復興ではない。震災はもはやその地域に刻まれた消せない決定の一つであるのだから、あるがままの現状を受け入れて、新しい姿を模索することが必要であると感じた。(もちろんその地域の過去を大切にする人たちの声も無視することはできないので、すり合わせは必要。)
  3. 地域コミュニティの分断のリスクを優先的に考慮すべき 被災者が一切の統制を受けることなく自由に語れて伝えられる場を作ることに積極的に協力するべき(被災者個人の尊厳を傷つけないために)
  4. 解決可能な復興上の問題のほとんどは、個人や地方自治体の手に負える問題でなく、政府や被災していない大半の国民の力量の意識・行動にかかっていると感じた。
  5. "こうすべき"と決めつけて動くのではなく、"どうしたいか"を聞いてから動くのが大切だと思う。
  6. 正しい情報を伝えられる人が現地と全国どちらもの人々の信用を勝ち取って、正しい情報を大勢に伝えること。
  7. 人と人との相互理解。

7月9日の講義:振り返り(5)福島県などの被災地の復興にあなたはどのような貢献ができると思いますか?

  1. 福島県出身かつ避難をしたことがあるという経験を持つ人は、同世代の中でもあまりいないはずだ。まして、福島県は東大合格者数が少ないため、東大生という属性を考えるとおそらくこのような原体験を持つ人は自分以外にはほとんどいないのではないかと思う。そのため、東大という学びにおいて日本で一番恵まれた環境に今いることに感謝しながら、そこで得られる学びを最大限身につけ、そして、福島をはじめとする被災地の復興や震災というものについて還元していきたい。
  2. 福島出身の僕には帰るという選択肢がある(人口に貢献するという意味でも、もしかしたら政治に参加するという意味でも)。福島県にあまり関わりのない方ができることは、プラスの貢献をするというよりもむしろ、マイナスの貢献をしないことだと思う(例えば偏見の知識を広めるとか)。
  3. 被災の状況について事実に基づいて正しく理解し、ブログなどの手段で発信するなど
  4. 今回の講義で福島の被災・復興についての自分の無知と知ることの大切さを実感した一方、東京の学生の身分でできることは小さいとも思う。
  5. 知っていると声を上げること。 私一人が知っていることで世の中に影響力をもたらすのは難しいと思うが、復興に従事している人達に""福島県が頑張っていることを知っています""と伝えることで、復興の活力になると思った。
  6. やはり比較的新しいツールであるSNSなどを用いた、福島県民と全国の人のそれぞれに向けた情報発信が一番に上がるだろうか。 また、現地訪問を通して現地の人々に「県外の人も興味を持っている」と示すことが大切だと思う。
  7. 8月の活動に参加します。その後、自分の福島現地での経験を皆に語ります。

7月9日の講義(総合討論)

講義終了後に、7月9日の講義の感想として下記に回答してください。
(1)特に関心を持った他の受講生の意見とその理由
(2)本講義全体を通じて最も印象に残ったこととその理由
(3)本講義全体で改善すべき点
(4)その他
  1. (1)福島出身で東大の学生になる人が少ないからこそ、福島復興で自分にできることは何かを考えるという意見について、自分も他人事ではないと思った。自分だからこそということがまだわからない。 (2)自分が知らないことが多いというのは、案外他の人も思っていること(でも自分はその中でも知らない方だと思っている)。 (3)特にない。一度急なオンラインの対応もしていただいて助かりました。
  2. (1)福島出身外の人ができることは""悪評を広めない""ことである、という意見。 0を+にしたいと考える自分の傲慢さを突きつけられたから。そもそも-を0にすることすらできていないのだと自覚させられた。 (2)負の遺産にしても、甲状腺がん検査にしても、たとえそれが世間一般で良いとされているものであっても""やればやるほどいい""とは限らないということ。 (3)授業終わりに話が続くことが多く、6限がある身としてはやきもきした。秋光先生、お気遣いいただきありがとうございます した。
  3. (1)出生地や遍歴などの自分の特性を活かして地域の力になりたいという意見が最も印象的であった。どのようにそれを活かしていくかは具体的に定まっていなかったとしても、問題解決に使える切り口となる視点だと思うからだ。そしてこれはその人のみができる視点のもちかたではなく、自分も活用しうる考え方だ。自己の唯一性を活かしたアプローチという姿勢には学ぶことがあると感じた。 (2)議論でも触れたように、情報の伝わり方の悪いところをとても感じた。風評や噂もそうであるし、利害関係によるものもそうである。学問的なアプローチがなされていることは聞いたことがあるため、さらに知る必要を強く感じた。 (3)授業資料を見返したいときにutolにアップロードされていることが少なかったため、権利に問題がない時はご掲載いただきたいなと思いました。 (4)特にありません。

復興知ツアー(夏)(2025年8月4-6日)の資料

  1. 見学直後の感想


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Update by mizo (2025.6.23)