東京大学全学自由研究ゼミナール
週刊・福島復興知学講義(2025)夏のツアー
引率教員
秋光先生、松尾先生、溝口先生、張政遠先生
復興知ツアー(8月4-6日)の資料
- 福島復興知学・フィールド学習のしおり(参加者名簿なし)
- 参加者の感想フォーム
伝承館で一番印象に残ったことを5分以内で一言書いてください。
- 朝日新聞社の現場の写真が貴重でした。
- 原発事故の後も様々な理由で避難指示が出ても避難できなかった人がいたこと
- 被災当時の現地の住民たちの様子が事細かに記述されていたこと。
- 伝承館に展示されている浪江町内のスーパー「サンフーズ」の3月11日のチラシを見て、あの日から長く日常が戻らなかった現実に衝撃を受けた。
廃炉資料館を見て感じたことを書いてください。
- 放射線事故の一番の原因となった水素爆発の原因が、ジルコニウム合金の融解とそれに伴うジルコニウムと水との反応だったことを理解できました。
- 廃炉が進んでいるが、それでもまだ作業には長い時間がかかるということ
- 以前は同じ建物がエネルギー館として利用され、原発のPRに用いられていたこと。
- 思っていたよりも、福島第一原発構内には防護服なしで歩ける区域が多いと知った。
- 1Fの廃炉作業において、氷の遮水壁や4号機のクレーンの1号機での再利用など、廃棄物になる機材を作らないことを意識した設備作成が行われていること。
宿泊施設についての感想を書いてください
- ほうじんかん、きらり、両方とても快適に過ごせました。
- とても豪華だった
- 覚悟していたよりも随分と水準の高い宿で驚いた。
- 清潔で交流できる場所もあって快適だった。
- 非常に居心地が良かった。強いて言うならば、2日目の施設の調理場は多人数で調理を行うにはガスと水道が不足していた。
- 分担での料理が難しくも、楽しかった。水道や、コンロの使用状況を加味しながら、効率よく準備する方法を考える必要性を感じた。一方、その過程でのコミュニケーションを通じて親睦を深められたように思う。
農作業体験で一番印象に残ったことを書いてください。
- 力仕事で大変であったこと、スムーズに行う為には、ホップ収穫でも椎茸の積み木作業でも、仲間とのコミュニケーションが欠かせないということが印象的でした。
- 実際にホップを収穫してみて、この作業を機械を用いて行うのは難しそうだと思った
- 旅の途中で新たな出会いを得て情報交換したことで、視野を広げられたこと。
- 農学部の方々と作業しながら交流できたことが印象的だった。
- なめこの栽培には桜が用いられること、そして急斜面でホダ木を置くために独特の組み方をすること。実家で祖父が栽培していたときは平坦な竹林であったため、櫓のように組んでいたため、違いが印象深かった。
- きのこ栽培のホダ木を設置した。作業の中で、放射線の影響を低減するために、地面にシートを敷き、その上にホダ木を置くというお話を聞いた。放射線の影響下での農業の工夫の一例を学ぶことができた。
図図倉庫の感想を書いてください。
- 飯舘村のことをもっと深く理解できたと共に、放射線についての宇宙規模からの丁寧な説明が印象的でした。
- 放射線などの知識がない人に対しても霧箱を用いることで放射線が身近に存在するものであることがわかるような工夫がなされていた
- 暑いうえに水分補給がしづらく、倒れそうになってしまったこと。
- 展示で土壌汚染や放射線の仕組みが分かりやすく説明されていた。
- 除染のための調査で、深さごとに測定したデータをすべて保管することで将来資料が必要になった際にも対応できるようにする体制に、データをすべて有効活用する姿勢が見て取れた。
- 放射線及びその影響、環境でのあり方について学ぶ指針を提示しているような施設だと感じた。さまざまな人の意見を交えることができる点が魅力的であるように思う。
までい館の感想を書いてください。
- 他の市町村の道の駅に劣らない素敵で豊富な品揃えの道の駅でした。
- 売られていた花の価格が都会の水準より低かったこと。
- トイレやコンビニがあって、地元の農産物も買えるのが嬉しかった。
- 線量を測定した所、東京と遜色なかった。除染と1Fからの距離によるものだと感じた。
バスの移動時に思ったことを書いてください。
- より福島を好きになったと共に、自分はこの福島にどのように貢献できるだろうと思考していました。帰還困難が解除された地域について、他県民の受け入れについてはどのような状況なのかなど気になりました。
- 処理水の放出に対しての地域の抵抗の記録をどのような形で残していくのが正しいのか。
- 行きのバスでは田園風景に安心感を覚え、帰宅困難地域の見学では人の暮らしの形跡と共存する荒れた田畑と除染作業に強い違和感を覚えた。帰りのバスでは旅を通して言葉を交わした人たちを想い、人どうしの繋がりの価値を心から実感した。
- 1?2時間おきに20分くらいの休憩を入れてくれて快適だった。
- 水と土の環境科学の溝口先生の回で、地中に埋め込むことで放射性物質の移動がほとんどない状態で保管できるという説明があったため、交渉に時間とコストがかかる県外処理ではなく県内で地中に保管して線量の低下を待つほうが望ましいのではないかと感じた。特に田畑では客土による痩せた土の導入よりも天地返しによる被曝土の埋没のほうが望ましかったと考えられる。
ツアーに参加して考えたことを書いてください。
- 今必要なのは何か。医療が揃っていないと帰還しても不便かもしれないので、医療機関が必要であると思いました。若い人で農業に興味がある人は少なからずいると思います、その若者をどうやって福島の地域の方々と引き合わせることができるかが肝なのかなとも思いました。同時に、福島の空間線量は既に心配いらない程度に下がってきている事や、未だ農地の一部は除染が必要であることも知ってもらう必要があると思います。それも含めて、福島の新しい未来をどうやって再び作っていくか、ポジティブに考える必要があるな、とも思いました。
- 科学の発展が必ずしも良い未来をもたらさないという考えが広がっているにもかかわらず、負担を押し付ける場合には安全性を科学のみによって評価してその地域に住んでいる人々への風評や地域住民の意向を無視しているのではないかということ。
- 小さい頃から福島にはたまに行っていたが、災害についてどれだけ無知であったかを授業とツアーを通して初めて痛感できた。特に俺たちの伝承館では芸術作品に大きなエネルギーを感じ、作品が伝えるものはこんなに大きいのかと驚きを覚えた。自分にできることはまだ見つけられていないし、まだ学ぶべきこともたくさんあると思うが、現地で積極的に活動するひとたちの声に耳を傾けて思慮を巡らせたことは大きな前進だと感じる。
また、この二泊三日でしか出会えなかった人達との交流は学内交流も含めてとても楽しいものだった。自分の人間関係のあり方を見つめ直すという内省の面でも成長できたと感じられた。
自己管理能力が足りず、話の途中で何度か微睡んでしまったことだけとても申し訳なく思っています。貴重な体験をありがとうございました!
- 福島の復興に取り組む人たちの姿を見て感動し、もっと多くの人がこうした体験をする機会があれば良いと思った。
- 第三者による客観的かつ科学的な根拠の基でALPS処理水の海洋放出の安全性が検証されているのにもかかわらず、俺達の伝承館の展示にあった毒を流すなという感情的には理解できても客観的には的はずれな指摘がなされている点に、科学リテラシーの重要さと感情的に考えやすい人たちへの説得の難しさを感じた。2階の展示中の"少量とはいえ有毒なものを流している"という学校教員の発言はまさに思考誘導にほかならず、感情面を抜きにすれば教育者として有り得べからざる事態だと考える。感情的な面から判断を誤った人が現れて社会の中で大部分を占める事態が起きないようにするには、知識がなければ人は正しい判断ができないため、教育の中で科学リテラシーを強調していくべきだと感じた。
- 福島に対して多様なスタンスでいる人と交流できる点がこのツアーの利点なのではないかと考えた。
自分以外の意見を読んでの感想を書いてください。
- 首都圏の大学生にはできる限り大人数に福島の現状を見てもらいたいと思いました。
- 自治体の考える復興のあり方と、市民の環会えるあり方にギャップが有るという事態は重要だと感じた。典型的には土壌の除染の問題で、環境省としては除染は表土を剥ぎ取って廃棄するものであるが、現地の人間からすると畦畔の除染や客土により土地が痩せる問題も対処が必要になるというギャップが存在する。もちろん全て現地のニーズに合わせた復興は不可能であるが、農業や漁業、現地に住む人間といった実際に土地に向き合う人にとっての影響も考慮した復興のあり方を模索できるシステムが有ると望ましいと考える。(無論、災害が起きる時点はわからないため、実際起きたときに対処するうえでであるが)
- 途中参加になってしまったこともあるが、もっと他の参加者と意見を交わすべきだった。
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Update by mizo (2025.8.12)