国際農業工学レポート課題3
このページは、受講生のレポートを共有することにより、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、自分とは異なる視点もあることに気づくことで、より深みのある講義にすることを目的に作成しています。
レポート課題3:以下の3点について思うところを述べよ。
- 農業農村における情報インフラとはなにか?
- それによって未来の農業農村はどのようにかわると思うか?
- そのインフラは誰が整備すべきか?
Q1-1.農業農村における情報インフラとはなにか?
- 農業農村における情報インフラを一言で言うと、たくさんの種類、膨大な量の情報を送受信、管理、提供、閲覧できるプラットフォームのことを示す。例えば、情報の送受信のためには、LoRaやWiFiを整備する必要があるだろう。また、水管理の情報や防災の情報を活用するためには、それらの情報が電子化されている必要がある。つまり、農業農村事業を情報化する必要がある。サーバ側は常に情報の蓄積と管理を行い、ユーザにとって有益なデータを提供できるように、情報基盤を維持する必要がある。
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- 今日の授業を受けて、グループディスカッションも含めて考えうる様々な情報インフラの例が出てきた。それらすべてに当てはまることとして一つの結論が自分の中で出た。
具体的に言うと、農業農村における情報インフラとは、人間が判断しなければならない部分を減らすようなIT技術であると考えた。
上で言ったことはIT技術すべてに当てはまることである。すなわちIT技術により自動化が進み、人間がしなくて良いことが増える。これはなにも農業分野のみに向けた技術ではない。しかしそれでいいと思っている。他の分野と本質的に何ら変わらないIT技術を農業分野にも応用してあげればいいのだ。農業分野におけるITの尖った特徴が見つからなかったのは、農業分野においてITが現時点でなかなか普及しておらず、農業特有の問題点がいまだに浮き彫りにされていないからであると考えた。"
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- 農業農村における情報インフラを考える際は、農業におけるそれ、農村におけるそれと分けて考える必要があろう。農業における情報インフラとは、農業生産に関連するICTやIoTが連想される。農村における情報インフラとは、過疎化の進む農村地域において、その人口減少を食い止めたり、あるいは過疎となっても生活が成り立つようにする技術が想起される。
しかし、なにごとも技術とはそれがどのように使われるか、その技術がいかなる社会において実装されるかによって、まったく異なる性質を持ってくる。例えば、現代は資本主義社会であるが、このような社会において技術は利潤追求を主な目的に使われる。半世紀前、「50年後は技術革新で人間は働かずに済むようになる」との未来予想もあったが、実際には人間の労働はそのままに一層の生産力が実現しただけだった。新幹線ができて東京・大阪間は日帰り出張が可能になったが、これまでに比べて浮いた1日は休みではなく別の労働に充てられることとなった。また、中国のような独裁国家においては、顔認証システムなどは政府による人びとの監視のために使われている。こうしたことを踏まえれば、農業農村における情報インフラは何のために・誰のために導入するのかという問題と不可分であることがわかる。
現在、政府が目指している大きな方向性(「日本再興戦略」等で打ち出されている)は、農業の成長産業化であり、輸出型農業への転換である。(もちろん、中山間地域等直接支払制度のような施策もあり、条件不利地域の農業が完全に切り捨てられているわけではない。)こうした方向性のもとでの農業の情報インフラは、当然にも輸出に適した高付加価値化、大規模農業とセットになった工場的な農業となる。"
- リモートセンシングを真っ先に思いつきました。具体的には、作物の状況の分析に基づいた水やり時期や肥料の投入量・割合などを適切化することです。
- 情報インフラ、というのは、水や農地、周辺環境などのハード面でのインフラではなく、通信技術や情報などのソフト面でのインフラのことを指す。例えば、インドネシアの例では、GPS付きの畑の画像が送られてきて、それを農業省の担当者が確認し、作業の指示を出す 、といった形で、農業の効率化や発展のために情報技術が用いられているのである。農業に情報インフラを導入すると、遠隔からの農業が可能になったり、多くの情報を収集することで科学的な根拠による農作業や収量の変化なども見込むことができ、今日発生している、少子高齢化や過疎化などの様々な社会問題にも大きな効果を及ぼすことができる方法である。日本の農業では、他国に比べ、情報インフラがあまり利用されていないという現実もあるが、今まで参入がなかった技術であるからこそ、これから大きく飛躍していくのではないかと考えている。
- 農業において必要な情報を見る。ビッグデータを整備するという想定でマクロ的にみると、栽培においては地球温暖化の影響、病虫害の発生報告、作物の理想的な成育データについての情報であり、その他に市場価格の変動、客の嗜好についてのトレンド情報、新技術の情報共有などであろう。そして各農家にとって必要な情報は、自身の育てている作物に関する詳細かつ多様な情報である:地表温度、日照時間、気温、湿度、水深など田畑の気象情報、作物の生長・結実数・熟成状況などの生育状況、栽培・収穫のコスト計算など経営を効率的に行えているかについての状況、流通後の売れ行きなどのマーケティング情報などである。
- 農業農村において価値のある情報について述べる。これは圃場の環境データ、栽培管理データ、作物の状態を示すデータの3種類があると考える。環境データは気温、湿度、土壌水分量、PH、CO2濃度、土壌の肥沃度などである。栽培管理データは水やり、施肥の量と質などを記録したものである。作物の状態とは、植物の温度、純光合成速度などである。環境、栽培管理データの二つはかなり取得が進められている。その一方で、植物の状態をリアルタイムで計測する方法についてはまだまだわかっていないことが多い。情報インフラとは、農場でも壊れないくらい頑丈で、これらの3種類の情報を手頃な値段で、誰でも利用できるようになるシステムのことである。具体的には、高速通信を可能とする設備や、リモートセンシングを可能とする。また必要な時に必要な量の水を供給する水利システムもある。また、その前提には安価で壊れにくいセンサーが必要である。
- 農地の地理的状況や水利情報など、農家が作物の生育にあたって必要な情報をいつでも入手可能になるような情報基盤のこと。
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- 農業農村におけるインフラにはどんなインフラがあるだろうか。農業農村のインフラを、「農業を成り立たせるために欠かせない、もしくは農業の効率を飛躍的に上昇させる公共的・公益的な設備」であると解釈するとまず一番に思いつくのは水だ。それから土地、土壌。
私は、情報インフラは地域に眠っている問題によって多種多様だと考えているが、今回は防災という観点で考えてみることにした。防災の観点とは、例えば私は熊本県出身なのだが、県内の人吉盆地という地域では雨が多く降ると土砂崩れが起きやすくなっている。他にも阿蘇山の噴火、地震など災害はよく起こる。どんなに高い技術で大切に育てて出荷しようとしても災害で一瞬にして育てていたものが全滅なんてことも起こり得る。これでは農業の大きな目的の一つである生産や利益が失われてしまうため、それを少しでも克服するための情報インフラが必要ではないかということだ。時々起こる火山の噴火で言うとどのように情報インフラが働くだろうか。飛んでくる火山灰が農作物につくことによって被害が大きくなるということならばいち早く噴火の情報が入れば農作物を何かで覆うなどの対策はできそうである。
このように防災という観点でいくと情報インフラ整備は、農業農村においては「予測」「事前対策」につながる役割を主に果たすと思われる。"
- いわゆる伝統的なそれぞれの世帯、あるいはコミュニティで独自に行う農業スタイルではなく、より広範囲な地域かつ大きな規模で統一的にデータ管理しながら進める農業スタイルを可能にするもの。
- 情報インフラは農業農村を支え、また活性化させるものだと私は思う。地図情報や水利用、水利施設等の情報、各種センサーからのデータなど農業分野では既に数多くのデータ、情報が活用され始めている。これを可能にする情報インフラは既に農業にはなくてはならないものであり、効率的なスマート農業や高齢化の進む農村を支えている。また情報インフラは農村を活性化させる可能性を持っている。情報インフラの整備によって農村や農業へのイメージや難易度が改善されることで、若者の新規就農者が拡大したり就農後の定着がしやすくなったりすることが期待される。また農業に直接関わらずとも溝口先生の巻頭言にあったように、通信環境の整備によって田舎に移り住むSEやIT会社が出てくることも考えられ、これもまた田舎や農村の活性化につながる。後者などはコロナ禍によるリモートワークの拡大に伴い、より一層現実味が増したことであろう。
- 一般に情報インフラとは、高速インターネット通信により情報の流通や処理などを下部から支える基盤を指す。これを踏まえると農業農村における情報インフラとは、農村において農業に関わる人々、機械、設備がインターネット、ネットワークにアクセスできるための情報基盤、具体的にはコンピュータ、高速インターネットを指すと考える。
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- そもそもインフラとは、生活や産業などの経済活動を営む上で不可欠な社会基盤と位置付けられ、公共の福祉のために整備されるものの総称である。
情報インフラを用いれば、データなどを通じて産業を支えることができる。これは、農業においてはどのような意味を持つのだろうか。
農業を画像や位置情報などを通じて管理すれば、収穫効率を上昇させることにも繋がる。それは国の根幹をなす第一産業である農業の発展に寄与し、国力を増加させる。データをもって物事を数字で管理し、分析を用いて効率化を図る手法は今や多くの業界で用いられており、その波が農業にも伝わってきたということが言えよう。
具体的にはどのようにデータを農業に持ち込むことができるだろうか。日本はこの分野では諸外国に遅れをとっており、十分にデータの活用を行えているとは言えない。ここでは、どのような分析が実際に行われているかを記す。
例えば、定点カメラで捕捉したフィールドの画像を朝昼晩定期的に集約すれば、現地に行かずともそこから成長具合を把握することができる。画像からその情報を数値化し、それをスプリンクラーと結びつけるアルゴリズムを組めばより効率は上昇する。そのデータを記録として残せば、どこにどれほどの種を蒔けば最も良い生育環境を整えるべきかを分析するための材料ともなる。データは積み重ねれば積み重ねるほど様々な観点からの分析を行うことができ、より有意義なものへと変わっていく。"
- 農業農村では、携帯の基地局が少なく、電波が入らない地域が多い。その状況では、遠隔の農地モニタリングや農業ロボットの遠隔操作などが困難で、機械化を阻害する要因となっている。そこで、5G回線など大容量通信が可能な電波の基地局を建設することで、Iotデバイスを用いた農地の情報のリアルタイム取得をできるようにするもの。
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- 現在、AI、ICT等を活用した改革が急速に広がっているが、その動きを農業分野にも伝播させることでスマート農業を推進していくことができる。収益性の高い農業と強靭な農村づくりのために、スマート農業をうまく取り入れていることは今後欠かせない。
そのためには、地図情報、農家情報等の公的なデータや水利用、水利施設等の情報を活用する必要があり、それらの多くの種類と膨大な量の情報を収集、管理、提供するプラットフォームの整備も必要になる。この過程において、まずは情報を電子化し、そして複数の情報を連携して効果的に活用できるような基盤を構築する必要がある。こういったシステムを構築することが情報インフラの整備であると考える。"
- 科学技術は日進月歩で発展を続けている。新たに開発されていく技術のなかには農業農村に応用できるものが多数あることだろう。しかし、農業農村の人々が使う技術は農業農村の技術レベルに見合ったものである必要がある。つまり、単に先端技術を導入し続けることが良いというわけではない。また、現代の農業農村が抱える最大の問題の一つとして、後継者不足、担い手の高齢化が挙げられる。情報インフラの導入は、こうした問題をケアする必要がある。これらの点を踏まえて、農業農村における情報インフラは、農業農村の住民の生き甲斐とも言える仕事を奪いすぎず、農業農村の人々にとって有益だと直感的に思えるものであり、かつ情報を蓄積したり、共有したりできるものでなくてはならない。具体的には、外部から管理やアドバイスをするためのシステム、農家自身が情報を記録し、情報を記録するビッグデータなどが挙げられるだろう。
- 情報インフラとは、情報の流通や処理などを支える基盤のことであり、農業における情報インフラとは、例えば携帯電話を用いた情報収集システム、その得た情報からの管轄システム、遠隔操作技術などのことをいう。
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- 農村における情報インフラとは、各農業分野、?利施設等の情報、データの蓄積、そしてそ
れらを管理し、農業従事者に提供するプラットフォームのことを指すと考える。例えば、?
管理に際して?利施設の配置や構造、扱っている?の総量など利?、さらなる改良が必要な
時に要する情報の集合体のようなものだと考えている。現在では、???情報システム(全
国???ネット)、農業?利ストック情報データベース(農林?産省)、国営造成?地改良施
設防災情報ネットワーク(農林?産省)というような農業農村に関連する複数の情報基盤が
あるようだがこれらを統括できるようなさらなる?規模なシステムが必要だと思われる。
各地の農業、農業作物のデータが蓄積されることで、新たな知?が得られる。この知?は2
でも述べるが農業?産の予想、収益の予想に?常に有意義であると考えられる。同様に、?
規模な農業関連施設を作る際に多くの情報が電?化されていて、モデル化がとても便利と
なる。"
- 農業情報インフラとは、減り続ける農業人口による労働力不足をカバーするための「農業のデジタル管理」の基盤になるものである。廣嶋先生の授業では、林業をICT技術を駆使して行っている北海道演習林の紹介があったが、これのように、人間がするには手間のかかる確認作業や、伐採・収穫に移行しても良いかなどの人間には判断の難しい作業を、機械的・定量的に行うことのできるインフラがあるとよい。また、日本各地で行われている農業の実態(食害情報、成?記録など)を別の地方までリアルタイムで共有できるようになることも立派なインフラである。こちらの方がインフラという言葉に適っているかもしれない。これを実現するための、田舎の4G(5G)高速通信設備も、情報インフラと呼べる。
- 現在、あらゆる分野で情報インフラの整備が進んでいると思うが、農業農村においてもロボット技術やI C Tを使ったスマート農業が発展している。このスマート農業は農業農村の情報インフラの一部であると思う。実際に現場で使われる情報インフラと販売などで使われる情報インフラの二種に区別することができると思う。現場におけるものでは、気象データや作物の生育スピードを観測してデータ化することで今後の作物への対応を適切なものにすることができる。また、販売においては、農業従事者本人が直接消費者へ販売する仕組みを作ることもできる。このように、農業農村における情報インフラとは生産におけるものと販売におけるものとがあると思う。
- 農業農村における情報インフラとは、時として人口の少ない農村地域において、通信環境がきちんと整備され、かつ農作物の状態などの農業に関する情報を農家が政府や民間機関に向け日常的に発信できる環境のことであると考える。
- 農業農村での情報インフラとは、通信回線や公共Wi-Fiなどのネットワーク環境、コンピュータや農業機械などのハードウェア、農業機械に搭載するエッジAIやアルゴリズムといったソフトウェア、また、気候情報・施肥データ・収量データなどをビッグデータとして管理するクラウドのことを指す。これらによって、地域の活性化やスマート農業導入の基盤が整備される。
- 「情報通信インフラ整備で開花する新しい農業農村の多面的機能」の記事に出てくるインドネシアの教授が進める農業農村インフラ整備の例として、携帯電話回線を用いて各地の状況を農業省に送りそれに対し担当者が指示を送ったり、集まった情報を一括管理したりするというものがあった。これを踏まえると、農業農村における情報インフラとは、農村と、都市部や他の農村、そのほかの地域との情報の伝達を可能にするための、回線や機材であると考える。そして、農業農村における情報インフラの整備とは、どれだけ人が少ないような農村でも、不自由なく、農業に関する情報を他の地域と共有できるよう、回線や機器の補充・強化をすることだと考える。
Q1-2.それによって未来の農業農村はどのようにかわると思うか?
"- 情報インフラの整備によって農業農村がどのように変わるのかを考える。自分は、これによって、効率的に農業を行えるだけでなく、より多くの若い人たちや経験の無い人たちが農業に参加するようになると思う。
例えば、色々な地域の気温、湿度、降水量、土壌中の窒素量を把握して、それをクラウドに上げる。そして、サーバがデータを集積して、統計解析を行う。そして、いつどのくらいの水や肥料などを与えれば良いかのフィードバックを行う。この時に農家さんのスマホに通知が届くシステムであれば、農家さんに専門的な知識があまりなくても、農家さんはサーバから指示をもらえるので農業を行うことができる。また、高解像度のモニターや熱を測るカメラがあって、水や肥料を与える機械があれば、遠隔でも農作業行うことができる。だから、常に農場にいることができない人でも、少しの期間だけ遠隔で農作業を行うなどの工夫ができるので、農業に参加すしやすくなると思う。"
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- 人間が判断しなければならない部分を減らすことで、稼げる産業へと変革していくことが可能であると考える。
単純な理由であるが、人間が余分に労働しなくて済む分、農業従事者は楽をすることが出来るようになり、従来の農業のイメージを一変し社会に注目される産業へと発展させていきたい。"
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- したがって、現在の施策の先にある農業や農村とは、すくない人口でも農業生産ができる無人化に重点を置いたものになると考えられる。
しかしながら、農業は多面的機能を有しており、食料生産だけが農業の機能ではない。農業を通じて形成される農村(単に人が集住するというだけでなく、その中で文化も生み出される)もまた重要な機能の一つである。また、農業とは人間が自然との相互作用の中で生きているということを認識させてくれる労働・産業のあり方をしており、それは自然によって生産が左右されるという資本主義社会においては望ましくないとされる傾向を持ちながらも、同時に人間の思い上がり・自然の軽視・自然に対する畏怖の喪失(その最たるものが原子力発電であろう)への歯止めとなる。
したがって、農業の多面的機能を発揮させるという方向性での農業や農村の情報インフラの整備が望ましいと思う。具体的には、まず省力化は進めるが無人化はしないことである。省力化によって、就農しやすい環境を整えることは重要である。しかし、多面的機能に鑑みれば、無人化は望ましくない。第二に、生産力の向上もそこまで重視する必要はない。もちろん単収が増加するに越したことはないが、輸出ありきで高付加価値商品を大量生産するあり方は日本の伝統や文化にそぐわないだろう。"
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- メリットもあることとは思いますが、あえてデメリットを考えてみることにしました。というのも、以前授業で読んだ、溝口先生が書かれた文章にあった、機械化で便利になった部分もあるが、かつての農村の伝統的な風景が失われてしまった、ということから、新しくて便利な技術の導入により失われてしまう部分もあるのではないかと思ったからです。
考えられるデメリットは、農家間の関わりがなくなってしまうのではないかということです。情報技術の導入によって、写真を送ることで、種まきをいつするとか、どのタイミングでどれくらいの肥料を投入するということを中央にいる専門家から助言を受けることになります。これによって、それまで行われてきた、先輩の農家さんに、作物が枯れてきたんですけどどうしたら良いでしょうか、とか、どの程度間引きしたら良いですか、とかを尋ね、そこで交流が生まれる、そして今回聞く側だった若手農家さんが、次は先輩農家として若手農家さんにアドバイスするようになるというバトンタッチも行われる、ということが途絶えてしまうような気がします。"
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- ここでは、日本の話に限定して考えてみる。これからの日本は人口が減少し、耕農業従事者の減少で耕作放棄地が増え、農業生産も減少していくのではないかと考えられている。それを解決してくれるのが、農業農村におけるインフラであると私は考えている。先述したように、遠隔農業が可能になるかもしれないし、遠隔でなくても農地の把握が容易になることで、一人当たりが管理できる農地面積も増加するかもしれない。そうすれば、これまでは多くの専門的技術や経験が必要であった農業も簡略化されて、新規就農もしやすくなるだろうし、地方に定住せずとも農業従事者になれる可能性もある。このように、社会の大きな変化が予想される中でもそれに対処できるポテンシャルがあるのが情報インフラを利用した農業ではないかと考えている。
また、私は、農業がより身近なものになると考えている。今までは、きつい、厳しい、などのイメージがあるかもしれないが、情報インフラによって、どこからでも農業へのアクセスができるようになるならば、それだけ多くの人に農業が身近な存在になるのではないだろうか。今まではその土地に行かないとできなかったものがそうではなくなるのである。その最初のきっかけがあれば、実際に農地に行ってみようという気になるかもしれない。私自身、サークルで農業に取り組んでおり、体験したからこそ分かる、農村の気持ちの良さがあると思う。日本人の奥底には、自然を愛し、自然に癒される心がある気がしているので、農村が近い存在になればなるほど、それだけ農村もどんどん魅力あるものになっていくのではないだろうか。"
- 農業の最適化を行うことができる。地球温暖化やエルニーニョ現象などに関するデータが整備され、冷害などを予想できれば、凶作にならないよう投入資本を予め調整できる。さらに小売業界からのフィードバックで、ロスをなくすことも期待できる。また、作物の栽培方法が、「長年の勘」を必要としなくなることは、新規農業参入者にとって大きな参入障壁を取り払うことになる。またIT技術応用の実践的なフィールドとして、若者を農業に注目させることができれば、多くのベンチャー企業が農業に関わり、高齢化する農家の孤独死などを防ぐこともできる。基盤固めをすることができる。
- それによって、未来の農業農村は水路の見回りや配水管理などの手間が省け、農業が楽になる。
- これまで農家が自身の経験や知識で行なっていた生育が適切な管理のもと画一的に行えるようになるので農業の効率化が進行すると思う。
- 予め考えられるリスクに対して情報を得て対策を打つことができれば、生活していく上で欠かせない農業による収入がなんらかの災害で激減する可能性を低くすることができるだろう。地震や土砂崩れなど災害の種類によるとは思うが、たいていの災害ではその被害は農家1,2軒分では済まない。だからこそ対策が遅れるほどその地域の農業は大きくダメージを受け、農業以外の収入で生きていかなければならない事例も出てきてしまう。その被害を最小限に抑えることができれば、例えば定年退職後で農業のみ行って生計を立てている高齢の方々なども他の労働や補助金などに頼る必要性は減らすことができる。
- より効率性、生産性を重視することが可能となり、収量過多などの問題に直面しにくくなる。また、他地域の収量に対する値段と比べることで、ある程度画一的な値段設定が可能となる。また先述の通り、経済性を相対的により重視するようになるので、現在の一日中畑に向かっているというような状況が変わり、必要な時間だけ必要な時期に農作業に従事するというスタイルに変わると考えられる。
- 農業については農地に行く必要が大きく減ると思う。農地に行かずともスマホ1つで様々なデータや様子を知り得、種々の作業も機械により遠隔で行うことができるため、田畑に実際に行く必要が大きく減り都会にいながら遠隔で農作業を行うことなどができるようになると考えられる。この変化には都会の若者の就農人口増加が期待できたり、高齢の農家が都会の家族の近くに移り住んでも農業を続けることができたりと様々なメリットがある。次に農村についてだが、1でも述べたように元々都会に住んでいた人が農村に移り住むことが増え、活性化すると思う。先ほど述べたSEやIT会社関係の人だけでなく、子育てを自然豊かな田舎で行いたい人や田舎で暮らす両親を心配して三世代家族で住むことを望む人なども農村への移住を希望するだろう。これまた先ほども述べたことだが、コロナ禍により働き方が多様化した現在においては通信設備さえあればどこでも仕事ができるようなケースも増えてきたため、農村への需要はかなり高まっていると思われる。
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- 農村において情報インフラが普及すると、農業の生産性が上がり、消費者との繋がり方が変わることにより、農業に関わる人々がより豊かに農業を行うことができると考える。
生産性が上がる理由は、第一に、ICTの活用により、自動で農業機械を運用することや加工処理の自動化により人力の部分が大幅に減少するからである。人力と比べて一気に複数、広範囲に作業が可能となる。第二に、ICTを用いて水管理をすることにより、効率的な農業が行うことができるからである。ICTによる管理は最適な選択が可能となり、人力による管理より高く安定した生産性を保つことができる。第三に、データが蓄積できるからである。コンピュータに農作業や収穫のデータを蓄積することにより、将来的にそのデータを活用してより生産性が高い方法、手順で農業を行うことが可能となる。また、農村においては農民同士の繋がりがあると思うが、インターネットの普及により、より効率的に情報の交換、共有を行うことが可能となる。これにより集合知の活用が今までより高いレベルでなされることとなる。
消費者との繋がり方が変わることに関して説明する。今の農業は図にあるような流れで流通している。農家が生産した農作物を消費するのは私達消費者であるが、その間には数多くの業者が絡んでいる。
農家はこのシステムにより農協に出荷すれば後は他の業者が消費者とマッチングしてくれるという恩恵を受けていた。しかしその分農家の利益が削られていた。
今、農家がインターネット環境を手に入れることでこの環境が変化しつつある。農家がインターネット上で商品を販売することで消費者と直接マッチングして商品を販売することが可能となっている。いわゆるD2Cが可能となっているのである。現在もAmazonその他ECサイトで農家から直接野菜を手に入れることが可能である。これは農家、消費者双方にとって利益がある。農家は中抜きがないので利益が増えるし、消費者は高い品質の農作物をより安く手に入れることができる。これからこの動きは加速していくと考えられる。"
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- 今はその整備が不十分なインフラでも、将来的には大きな活躍が見込めるものはいくつもある。例えば、農業用ロボットなどに期待を寄せることができると私は思う。
人工衛星の位置情報などを駆使することによって、より精密な走行を行う農業用ロボットが開発できたらどうだろうか。人手という観点からこれほど革新的な開発はないのではないか。ロボットは昼夜問わず活動することができるし、例えば種うえなどは人よりも何倍も精密に行うことができる。今日本の農業が抱えている喫緊の課題の一つに挙げられる農業人口の減少という課題が大幅な改善が見込めるのである。
1.でも記した通り、データを利用することはデータの蓄積につながり、それを用いて新たなデータが利用できるという好循環を生み出すことができる。
このサイクルを回し続けることで、農業農村は効率化を推し進めることができ、日本の国力増大へとつながっていくことができる。"
- コロナ禍で多くの事業がオンライン化が進む中で、農村での通信環境が整備されれば都市と農村でのビジネス面での違いがなくなり、娯楽が整備されれば農村でも住みたい若者が増えると思う。農地に近い場所で住む人が多くなり、さらに農業が効率化、高収益化すれば農業就労人口も増え、農村の人口の多様化も進むだろう。現在の農村は保守的な集団が多く、良くも悪くも大きな変化なく、昔の日本を引き継いでいると思うが、多様化が進めば創造力や行動力の豊かな環境として、農業と地元産業を活性化する。
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- 情報インフラを整備してスマート農業を取り入れ農業の効率を良くすることで、農業の大変さを小さくし、農業に従事することをより魅力的にすることができると考える。現在の農村では、少子高齢化や人口減少、今後後継者不足が問題となっているが、スマート農業が浸透することで、体力面で農作業が難しくなってしまった高齢者でも安全に仕事を続けられるようになったり、農村に生まれた若者が農業から離れることを防いだりできる可能性がある。こうして農村を再び活気づけ、魅力的な地域にすることで、地方から農村に移住する若者も出てきて、更なる活性化につながるのではないかと考える。
また、整備された情報インフラを、医療やエネルギー産業等の異分野にも活用することによって、農村の高齢者の安全と健康を確保したりする機能など、新たなサービスを創出できる可能性もある。"
- 農業農村にはその地に受け継がれる経験知があり、その情報の伝達は現状の高齢化や跡継ぎ不足といった問題によって途絶えようとしている。これらの問題は、農業を振興する様々な取り組みを持ってしても容易には解決できないだろう。情報インフラはそんな未来の農村のために先人が残せる遺産のようなシステムになり得る。その地に生きた農民だけでなく日本、世界中の農民が残すデータや知恵は、どんなイレギュラーにも耐えうる農業の経験知による教科書となり、中央から管理、助言するシステムは農業に柔軟性を持たせると思う。
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- 農業農村における情報インフラが広まることによって、世界の、特に発展途上国の農業農村はより農業技術の普及が加速化し効率的な生産を行うようになると思う。現在でも発展途上国では、農業機械化などの技術が普及しつつある。しかし、現地でその技術を教えることのできる人員は多くはないため、その普及にはある程度の時間が必要になっている。もし、情報インフラが広まれば、現地の人との技術共有にかかる時間が大幅に削減することができると考えられる。例えば、農業の機械化が発展途上国で推し進められた時、機械の使い方がわからないなどの問題が発生したとする。情報インフラがなければ現地の数少ない有識者に教えを乞うか、その連絡手段がわからなかった場合は仕方がなく機械化導入を機械があって放棄するしかない。しかし、情報インフラが広まっていれば、教えをこう相手が現地にいる必要がないため、技術導入を放棄する農家を減らすことができ、技術普及の速度が上がる。このようにして効率的な生産を行うことができるようになると思う。その一方で農業の機械化、無人化が進むため農業従事者は減ると考えられる。その際農業従事者が減りすぎて放置される農地をいかにうまないようにするかも情報インフラにかかっていると思う。情報インフラの伝達技術を用いて荒れていく農地を見つけ管理することができれば、農業従事者が減っても安定した食料供給を行うことができると思う。
また、日本のような多種多様な家族経営の農家が多い国では、生産の無駄を減らすことができるようになると思う。中山間地域の多い日本は多種多様な地形条件に合わせて小規模な農業形態をとっているため、現状ではその各農家の連携が取りにくい。しかし、情報インフラが広まればリアルタイムで各農家の予想収量や需要を把握することができるため、生産調整が容易になり、より無駄のない生産ができるようになると思う。"
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- より効率的で機械的な農業が?われるので、農業に対して従来思い描かれているようなイ
メージ(汚い、儲からない)が払拭されて、農業従事者の呼び戻し、増加に寄与するのでは
ないだろうか。
また、現在の孤?化の問題を解決し、オープンな農業農村になり、現在よりもより?般に浸
透した形になるのではないかと思う。
現在、農村が抱える問題の1つに??減少に起因する後継者問題、そして?化の伝承が困難
になっていることがある。情報インフラの進歩は?化の伝承を?幅に?助けするように感
じる。ただ?化を情報を多くの対象に発信できるだけでなく、その形が多様になることが挙
げられる。例えば農作業の様?を動画で?ましょうということは今でも可能ではあるが、視
聴者側はあくまで受動的な形を抜け出すことはできないが、例えばVR の形で実際に距離感
を掴めたりするとどうだろうか。さらなるVR の発達があれば、現地にいるような感覚がよ
り増す。農業の?化を伝承するに役?つはもちろんのこと、農業をより?近に感じることで
農業に携わろうと考える?が増えるかもしれない。
加えて、農業の計画、景観の保全にも?役買うのではないかと思っている。
データの蓄積、運?がより効率よく便利になることで、農業計画がより正確に?てることが
できそうである。どの?地をどの作物に当てるか、どの?地は別の作物に変えるかといった
こと、収益などの可視化がより簡単になることは農業経営をする上で?いに効果的だ。また、
現在家具の購?の際などにもしここにこの家具が配置されたらこのようなインテリアにな
るというのが?れるアプリがある。この機能を拡張することに成功すれば農村の景観の計
画にも?分に利?できる。伝統の形を残しつつ、農業が魅?的に?えるようなデザインにす
ることができれば??減少に??めをかけたり、上記のものと同様に新たな農業従事者を
?むことに寄与するかもしれない。
すなわち、今よりも活気に満ちたかつての農村を思い起こさせる??を持ちつつ、機械的な
効率的な作業が可能となる。"
- この技術により、害獣・害虫(特にイナゴ)の発生、台風などに関して、詳細な被害情報を迅速に共有し、対策を打つことで、被害を最小限にとどめる可能性を大きく上げることができる。また、畑を見回る人がほとんどいなくなり、それをドローンなどの機械が行うことになる(これはかなり技術的に高度ではあるが)。
- 第一に、農業にかける人員を減らすことが可能だと思う。農薬や水の散布、ビニールハウス内の気温や湿度の自動化を行うことが情報インフラには可能であると思う。今まで人の手によって行われていたことを自動化することができれば自ずと人間の力を必要なくなる。これによって人件費を削減することも可能であるし、機械にできないことを人にさせることも可能である。農業従事者の高齢化やそもそもの農業従事者の数が減っている現状を踏まえるとメリットである。またこのことは負担を減らすことだけでなく生産性を上げることにもつながると思う。販売においては、新鮮な食材を日本全国に届けることができると思う。今までは多くの仲介業者を経由していたとことを自分で販売するシステムを作れば早く消費者に届けることができるようになるだろう。直接届けることができれば早く届けるだけでなく、安く届けることも実現できる。また、消費者も近くのスーパーに買い物に行くよりも、日本全国の農家による多くの選択肢を持つことができる。
- 多種多様な人間が農業に関わり、より先端的な様式で農業が行われるようになると思う。今よりも通信環境が整備されることによって、例えばSEのような今までであれば農村には存在しなかった人種が移り住んでくることも考えられるし、IT面のインフラが整備されれば例えば作物の情報を他の農家や専門家とやりとりすることによって、今まで内にこもりがちであった農村というコミュニティがもっと開放的なものになり、例えばより効率的で良質な作物の栽培手法の導入といった点で、農業にまつわるより良いノウハウがさらに普及していくと思う。
- 上記の情報インフラを整備することで、多様な農業機械を「一つのサービス」として統合し、農民が自由にアクセスして需要に応じて利活用できるシステム、AaaS(Agriculture as a service)を実現することができると考える。例えば、天気予報やイネの生育情報を取得し、AIが最適な施肥量を計算。計算結果を農業機械に送り、自動で施肥をしてくれるといった、あらゆるデバイスや機械が情報インフラを介して繋がった状態だ。また、農業の多面的機能を周知することで、情報インフラが整っている農村には、都会からの移住者も期待できる。現在は多くの企業でリモートワークが普及しているので、都市や郊外に住む必要が必ずしもないからだ。情報インフラとは、このように新しい農業の基盤を作るだけでなく、農村の活性化にもつながる。農家の方々と移住者が互いを尊重して有機的に関わり合うことで、日本の農村の再生が期待される。
- はじめは、農業において情報技術の発展が進みロボット技術やICTを活用できるようになると、農業の完全機械化ができるようになり、各地で、無人での農業が可能になるという浅はかな考えをしていた。しかし、「スマート農業の死角」の記事を読み、それは「農場ではなく工場である」という言葉に気づかされ、情報インフラの整備された農村のあり方に関する考えを改めなくてはならないと感じた。農業農村における情報インフラが整備されると、さきほどのインドネシアの例のように、日本各地の農業情報が有識者のもとに集約され、的確な指示を受けることでより高い生産性が見込まれると考えられる。また、農業機械の導入により、これまでは体力的に農業をあきらめなければならなかった高齢者農家が農業を続けることができるようになると考えられる。これは、すぐに導入するのは、デジタル機器を扱うのが難しい現在の高齢者を考えると困難であるが、幼いころからデジタル機器を扱ってきた我々世代が高齢者農家になるときに導入ができれば現代より普及しやすいと思う。
Q1-3.3.そのインフラは誰が整備すべきか?
- 情報インフラを整備するには、政府の援助が間違いなく必要になってくる。ネットワークの環境を整えることが大前提で、その上でさまざまな機械を導入する必要があるので、お金がかかる。農家さんの気持ちとして、経済的に割に合うかどうか分からないことに、多額のお金を投資したいとは思わないだろう。だから、政府からの補助金は必要になってくると思う。また、圃場整備などをする時は、IOTを使うことを想定した上で行うべきだと思うので、政府が中心となって行う必要があると思う。
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- 農業従事者が自ら整備を促すような行動をとったうえで行政が整備するべきであると考える。
IT技術が発展していることは言うまでもない。ではなぜ農業分野においてIT化が進まないのであろうかと考えると、やはり農業従事者当人がIT化に消極的だからであると考える。この理由は農業従事者が古いやり方に満足してしまっていて、IT化の価値を理解することが出来ていないからであると考える。知識がなくIT化に価値を見出せないため、IT化に踏み出せないのである。よって農業分野にITを浸透させるには、農業従事者が自ら整備をしてほしいと感じるまでITを理解し、その上でお金のかかる作業は国にやってもらえばいいと思う。"
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- これらのインフラ整備にかかるコストは、もちろん国民的に負担するべきである。農業の外部経済はこれまで十分に評価されてこなかった。しかし、洪水防止や景観維持(※)など農業による外部経済は広く国民が受益しており、それに見合う負担をするべきなのは言うまでもない。
これまでは、農業の外部経済に農村以外の住民はただ乗りしてきただけであり、むしろそれが不正常な関係だった。核関連施設の地方への押しつけのような都市?農村の不正常な関係は現在もあるが、そのような関係を断ち切り、都市と農村の正常な関係を構築する契機として、農業および農村のインフラ整備を全国民的負担により進めるべきである。"
- 日本の場合、政府の指示を待っていると法律がどうだとか時間がかかるので、地域ごとに農協などが主体となって進めるのが良いと思います。インフラの整備については専門的な知識がないと厳しいところもあると思うので、そこは、ベンチャー企業でもなんでも、私たちのような学生でも、でいる人がやればいいと思います。スマホで写真を撮って専門家の元に送るというシステムをとるとすると、大掛かりな機械などが必要になるわけではなく、おそらくプログラミングと、あと専門家としてアドバイスしてくれる人が必要なだけなので、学生にも十分できると思うからです。
- 情報インフラは、日本の行政上での立ち位置が曖昧であるというのが問題点だろう。農水省がそこまで乗り気でなく、農業農村整備事業にも載っていないということを学び、さらに情報を扱っているのは総務省だということも学んだ。農業における情報インフラが特殊なものであるならば、農水省が推進していくのが良いのではないだろうか。スマート農業を目指す農家さんは聞いたことがあるものの、最初は国家的なプロジェクトとして進めなければ、全国的な普及も進まないだろう。農水省が先導して初めて、多くの農家が土運輸できるようになるだろうし、それが進めばそれだけ民間企業の新規参入も入ってくるのではないだろうか。そのような循環になっていけば、日本の農業農村におけるビジネスも成立し、より強力に進んでいくだろう。
- 政府は農家保護を引き続き行う必要がある。一方で、日本政府は現在多くの借金を抱えており、全ての課題解決を公的機関にゆだねることは持続的とはいえない。特に、農業以外の産業にも応用可能であるうえ、新たな技術は新たな市場と競争を意味するため、民間企業への期待は大いにできると考える。前者の理由から既存の大企業が研究開発に投資したり他産業の管理システムを農業に応用させることが期待され、後者の理由から農家と契約し様々なアイディアを試すベンチャーアグリビジネスも隆盛できる。個人事業主にあたる農家の経営体制は、このようなベンチャー企業がモデルを試しやすい産業といえるだろう。
- 受益者の農村で農業に従事する人が負担するべきと考える。ただ、それだけではなく、食の安全という意味で恩恵を受けている都会の人も負担するべきと考えるので、国の補助を入れて良いと思う。
- 全国の農業を管理する立場にあるはずの農林水産省が整備すべきである。
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- 選択肢としては何があるだろうか。思いつく限りで言うと農林水産省やデジタル庁といった国、地方自治体、農協などの団体、民間企業が挙げられる。
そもそも整備に必要なものは、その地域の農業が何を課題としていて何が必要であるかなどの地域固有の情報、整備するだけの資金と技術、その地域の農家の方による情報インフラ環境への順応、整備後に起こる問題・変化への対応など様々ある。これらのことを考えると少しでも多くの、あらゆる立場の人が関わるのが良さそうである。ところが、様々な立場の人が混在すればするほど各々の思惑が錯綜して対立したり、責任の所在が不明瞭になりやすくなったりするリスクがある。少しでも早く情報インフラを整備したいとなれば尚更こうしたリスクは避けたい。そうすると、ある程度は関与する人を絞った方が良さそうである。
一つの案としては実行者として地方自治体と民間企業が整備し、監督役・資金の出資者として国がみるという案がある。国が全て行えば統一されやすくはあるかもしれないが、その地域のことをよく知る人はいるべきであるし、地域によって問題が異なるとすれば一層国が全ての負担を負うことは難しいと予想したからである。また、民間企業を入れたのは国や地方自治体がメディアで批判されやすいこの世の中において公的な組織、団体と民間の乖離を避けることで農家の方にとってもより納得されやすい形になると考えたのである。"
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- 国がIT系の企業に助成金のようなものを交付し、その企業から派遣された人間が農家に寄り添ってIT化を推し進めるべき。特定の企業に依頼するだけでは、企業側も張り合いがなく、農家がただ搾取されるだけといった構図に陥ることも考えられるので、複数の企業を活用し、それぞれ競争させるようなイメージ。
企業から派遣された人間も、自社を背負ってきているので、真剣に担当地域のIT化を推し進めることになるだろう。
ここで企業が直接関わる形を提案したの背景には、国が直接行うと融通が効かなかったり、金銭的制約によって、あるいは動き出すのに必要な根拠、理由の不足によって、十分な働きをできない可能性があるということがある。"
- 先生の巻頭言を読む限り縦割り行政の弊害でなかなか整備が進まないということなので、民間が行うしかないと思う。ただし農村の情報インフラ整備にチャンスを感じてくれる企業や人がなかなか現れてくれないというのが現状につながっているはずなので、行政側が民間企業に委託するなどが一番効率的で現実的だと考えられる。軽く調べてみたところ、少し方向性は異なるかもしれないが総合情報サイトを手がけるマイナビが省庁からの委託を受けて「マイナビ農業」という事業を始めていた。
- 結論から言うと国が整備すべきである。このインフラを整備する方法として、市場経済に任せるか政府が援助するかの二択だと思うが、市場経済に任せると情報インフラは行き渡らないと思う。なぜなら農村においては光回線を整備することがペイしないからである。農村は高齢者が多く人口も少ないのでインターネット利用者が少なく、回線業者に利益を産まない。よって市場経済に任せてもインターネットは農村に行き渡らない。よって国が率先して農村にインターネットを行き渡らせて情報インフラにより農業を推進していくべきであると考えている。
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- データの利用の推進は総務省と農林水産省がお互いに協力しながら行っていくべきである。今はデータの管轄は総務省が行なっており、その縦割り意識からか他の象徴との十分な連携は取れてない。日本の農業について官公庁の中で一番詳しいのは間違いなく農林水産省であるので、この二つの省が縄張り意識などを持たずに連携していくことが何より大切となる。
また、農業用ロボットの精密化は、国主導のもと企業が任せられても良いと考える。この分野に力を入れ始めている大企業は一定数存在し、そのノウハウの利用はこのプロジェクトの成功に向けて間違いなく必要不可欠なものとなるであろう。官民共々協力しあい、諸外国より遅れをとっている農業の情報インフラの整備に全力で取り組むべきである。"
- 基本的には地域全体に利益をもたらす施策なので、利益を受ける自治体と、各地の活性化により国家的な利益となる観点から国が協力して整備すべきだと思う。民間の通信会社が行うと、回線を用意する地域の選び方やサービス内容が目先の利益を追求したものになり、長期的な発展を視野に入れることができない可能性がある。
- 農村の住民だけの力ではどうすることもできないのが現状であると思うので、地方自治体や研究者が協力して農村の情報インフラ整備に貢献することが必要であると考える。
- インフラの整備は、その情報技術を十分に扱える人が行うのが最も適していると思うが、導入に際しては、農民の同意が必要になることを忘れてはいけないと思う。情報インフラの導入による恩恵を受けるのも、農家としての生活が一変するのも、現地の農家である。中央の組織が現場に無断で導入を進めるのは大きな間違いだと思う。整備の規模としては国家が行うべき事業だと思うが、地方自治体や、もっと細かい単位の自治体と連携して、合意形成を怠ることなくやっていくことが肝要だと思う。
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- 日本においては、農業農村における情報インフラは農林水産省が一括整備をするべきだと思う。現在、情報インフラに関してはデータ通信の基地局の整備までを総務省が行い、そのさきの農地農村への整備は、光ケーブルを用いるのか無線展開をするのかローカルな回線を用いるかを考えて農林水産省が整備している。この業務が一括管理されていないのは無駄が多い。農業用排水網や農道網の整備も行なっている農林水産省がそれに合わせて基地局の設置を行った方がよりスムーズに情報インフラが進むと思う。
また、世界においては、先進国の企業の協力のもと各国の政府が行なっていくべきだと思う。基地局の整備やそこからの整備は高い技術を必要とするため、先進国の協力は不可欠である。また、インフラ整備が進んだ際の農業効率は格段に上がるため、発展途上国のインフラ整備はビジネスとして目をつける企業も多くなると思う。しかし、全て先進国の企業の管理のもとで、インフラ整備を行なっていくと、その発展途上国は先進国の技術協力に永遠に依存してしまうため、あくまで各国の政府主体で先進国の企業と協力して情報インフラ整備のメリットを感じても対ながらインフラ整備を行なっていくべきだと思う。"
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- 資??や強制?を考えると、国や各市町村といった?政が整備すべきでしょう。しかし、こ
の?政にそうするよう促していかなければならないのが??になった私たち世代だと思い
ます。世界の農業開発であれ、国内の農業開発であれ私たちが農業開発に携わる限りは、現
地での技術指導など以外の仕事、責務として?政に促すということが?ってくるのではな
いかと思います。すなわち、実質的には私たち世代の農業開発従事者が整備すべきというこ
とになるのかなと思います。そして、私たちのみの判断ではなく、最終的にはその地でその
情報インフラを使?する地元、現地の?々が利?する訳ですから彼らが実際に利?できる
ように整備できるよう現地の?々との協?した整備が望ましいと考えます。"
- 農林水産省が整備し、気象庁のように被害予報を運用していくことが妥当であると思う。
- 私は国が整備するべきだと思う。第一次産業が衰退してきているこの現状は国家レベルで解決していかないといけない問題であると思う。また、この整備にはお金がかかって来ることでもあるので農家の人々では整備できないと考えられる。ただ、今の日本のトップの方々が農業のためにお金を割いてくれるとも考えづらい。コロナウイルスで経済不況に陥っていることも影響していると思う。もしこのような状況を改善したいと考える企業やお金を持った方がいるのであればお金を農業農村のために投資して欲しいと思う。このことは、この投資は農村だけでなく新たなビジネスが生まれるチャンスでもあると思うので投資する側にとってもメリットのあることだと思う。
- 国が整備すべきだと考える。現在では縦割り行政の影響で、情報インフラに関することは総務省の管轄にあるため、農業と情報システムを融合して捉えるという見方があまりできていないという問題がある。これからは、そうした情報に関する制度を整える機関と、農業を管轄する、例えば農林水産省のような行政が連携して、農業の情報インフラを整備していくべきだと考える。
- そのインフラは誰が整備すべきか?このインフラ整備には、農林水産省の先導の下で様々な主体が関わることが必要だ。インフラの整備を実現するためには、まず農村ごとに情報インフラの整備計画を立て、次に予算と人員を確保し、計画の実行とフォローアップを行わなければならない。この際、整備計画を立案する際は、インターネットの専門家や民間コンサルティング会社を動員することになる。莫大な予算は国の補助金によって負担し、計画の実行と整備後のメンテナンスを民間の事業会社が担当する。そして、これら全ての進捗の管理と課題発見を、農林水産省が統合して行い、全体を管理するのだ。
- このインフラは行政が整備すべきだと考える。農業農村の復興を目指す農水省や全国のインフラ整備を行う厚労省など各省が協力してこの農業農村における情報インフラを整備することが、大事だと思う。私は、いま、農林水産省入省にむけて就活を進めようと考えている。自分が富山県の農村出身なこともあり、地方の農村の復興に向けて、農経の講義で学んだ経済学的側面や、この講義で学んだ農業工学的側面などからできることを見つけるため尽力していきたいと思う。
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amizo[at]mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
Update by mizo (2021.6.5)