東京大学総合科目一般・水と土の環境科学

福島から始まる復興農学

担当: 溝口勝


このページは、受講生のレポートを共有することにより、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、自分とは異なる視点もあることに気づくことで、より深みのある講義にすることを目的に作成しています。

資料

福島から始まる復興農学(2022.6.30)  受講者63名

講義スライド 講義動画

Q&A

  1. 堆肥づくりについて詳しく知れるものください。糞は糞でも人糞に興味があります。
    (返信)堆肥つくりに関しては農家さん向けのいろんな本が出ています。まずはその中で図解してあるような易しい本を読んで、好気性菌とか嫌気性菌とかの違いを理解してください。
  2. 実際に現場に活かせる学問をしたい、学問を現場に活かせる人になりたい思っているのですが、勉強する上で考えるべきこと、心構えを教えてくださいませんか
    (返信)現場を常に意識した上で基礎的な勉強をしてください。
  3. 土壌中のセシウムの挙動など、どうなるか分からない中で実験するわけだと思うのですが、実際の田畑で実験が行われたのですか?
    (返信)はい。
  4. そもそもの疑問なのですが、表面の土に強く吸着されるのであれば、その土で育ててもそれほど大きな影響が作物に出ないのではないかと思ったのですが、実際にはどれほどの影響が出るのでしょうか。特に果実ではなく野菜ならば地面から離れた場所で結実するし影響が少ないのではないかと思ったのですが、そのような作物によ影響の大小はあるのでしょうか。
    (返信)植物の根は有機酸などを出していろんな栄養分を取り込む性質があります。その栄養分が実の方に移動していきます。植物の種類によってCsの吸収の度合いが異なります。(移行係数)
  5. 内閣府につとめて、その後の研究に大きな影響を与えたということですが、そこで得たことをもう少し教えてください。
    (返信)研究予算の流れ方を知ったことですかね。科学と政治の関係性とか。
  6. 実験して調べることと、科学的に調べることでは前者の方がすぐに結果が分かるということは農学においては多いですか?
    (返信)「科学的に」ではなく現場調査という意味で考えると、実験条件を制御しやすい実験室の方が結果は得られやすいことが多い。現場調査(実験)だと台風とか大雨とか制御しきれない自然を相手にしなければならないので苦労して育てていた作物が一瞬のうちにパーになってしまうようなリスクがある。要領よく正解を求める賢いエリートたちはそうしたリスクを取ろうとしない。でもだからこそ逆に現場調査には価値があるとも言える。
  7. 今回得た知見から、逆に粘土をばらまいて放射性物質を取り除くような方法はないのか気になりました。
    (返信)元々土壌中にあった粘土にはCsを強く吸着(固定)するサイトが豊富にあり、そこに多くのCsは吸着されてしまっているので今更粘土を撒いても効果はないでしょう。
  8. 原発事故の直後、個人で調査したら怒られたから組織作っちゃったとおっしゃっていたことが行動力があり感動しました。組織を作る際は農学に携わるお知り合いに声をかけて作られたのでしょうか?
    (返信)はい。普段から協力や議論できる仲間を持っておくことが大切だと思います。
  9. 大学生のうちにやっておいた方が良いことを教えていただきたいです。
    (返信)体力をつけておく。1に体力、 2に食欲  3・4がなくて   5にジョーク www (みぞ研のモットー)
  10. 実験とは綿密な計画を立てて実施するものだと考えていましたが、先生は現地の様子を見て思い付いたアイデアを何でも試してみることを大切にしていらっしゃると感じました。フィールドワークを取り入れた新しい学問における(実験室から飛び出した)「実験」のあるべき姿や、目指すべきものについて、何かお考えがありましたら教えていただきたいです。
    (返信)もちろん実験は綿密に計画を立てて実施するべきです。しかし原発事故では悠長に綿密な実験をしている時間はありませんでした。まずは大雑把に試してみて解決策を絞り込んでいくしかなかったと言えます。また、しっかり準備をして現場に行っても道具がなかったり壊れてしまったり、想定外の事が起こります。そのピンチをとっさの判断で切り抜けられるようにしておくことも必要です。
  11. シベリアで行っていたことについて詳しく知りたいです。
    (返信)私の土壌物理履歴書とかツンドラから地球環境をみると ツンドラ、アラス にアクセスしてみてください。
  12. 大学で学ぶ農学と実地の農業の間に感じた乖離というのが具体的にどのようなものだったのか少し気になりました。
    (返信)農学は学問、農業は実践、ということ。これで良いかどうかは別にして、農学とは何かもう一度議論が必要だと思います。
  13. 帰還までにまだ時間がかかる地域では、土地が利用されない期間が長引いて再び耕作するための準備が大変になったり、もともとの住民の世代が上がることで帰還へのモチベーションが小さくなってしまうように思われる。現時点で居住が可能になった地域への帰還者の割合を考えると、今後帰還困難区域が居住可能になったとしても地域の機能を維持するには致命的な過疎が起きかねないように思うが、それでも復興はできるのだろうか。
    (返信)良い質問ですね。確かに「帰還へのモチベーションが小さくなってしま」っているのが現実です。でもだからと言って「復興」しなくても良いのか?復興とは何か?それをみんなが考えなければならないのだと思います。

今日の講義で学習した中で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。

 
  1. 今日の講義で重要だと思ったことは、農学としての学術的な知識を蓄積するだけでなく、実際に現場に行って課題を発見しそれを解決しようとするのが大切だということです。福島の農業の復興のお話を聞いて初めて知る事実が沢山あり、現場の農家の方の生の声を聞いたり現地調査をしたりしなければ分からない現実があるのだと思いました。復興農学に限らず、学問と社会との実際的な関わりを意識し、問題解決を目標とすることを意識していきたいです。
  2. サイエンス的な研究だけに注力するのでなく、復興のために日本酒を売り出すことを目指すなど、本当に現地のためになることをするのが重要だと思った。
  3. 目に見える形の具体的な作業まで、学問の範囲を伸ばすこと。
  4. 机上の空論だけでなくとにかく現場に行ってやってみること
  5. セシウム汚染土が埋設してもセシウムが殆ど移動せず、自然に減少しているということ
  6. 現地に実際に行って、試行錯誤することが大切だと感じました。
  7. 土から離れたら生きていけないということが一番重要だと思った。私は都会育ちな転勤族で土地に対する執着がないので、福島からへの帰還をいち早く実現させることや、それ以外でも災害が起きやすい地域(定期的に大洪水が起こる地域など)にはそもそも住み続けているのである程度の被害は自己責任ではないかと考えていたが、その考えを疑問に思った。正直に言うと、地域に執着する理由はよくわからないが、よくわからないなりにそう思う人がいるという前提で現地の人の意見に耳を傾けること、そしてそもそもどう思ってるのか話をすることの重要性を感じた(農業のことは農民に聞け)。農業と農学の乖離が講義では述べられていたが、自分が将来進む法学分野や、民間就職先の企業でも、実情と乖離しないように現地の人と仲良くなることを心がけたい。 "
  8. 現地に行って、現地の人と話すことが大切だということに改めて気づきました。 横井先生の、「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」というお言葉を心にとどめておこうと思います。"
  9. 粘り強さ。泥臭く…
  10. 一つの分野に閉じこもることなく多角的な問題解決を図ること
  11. 現地に行ってみないと分からないことがある。地方と都市の乖離。
  12. セシウムは粘土表面の穴のサイズにぴったり一致し、また、セシウムとシリカの電気的安定性も相まって、穴から抜けにくくなるということが学べました。セシウムの土壌中での振る舞いについて科学的に学べたことがよかったです。
    さらに知りたい方は-->聞いてみよう!あなたの知らない“土の世界”-放射性セシウムとの関係-
  13. マスコミは恣意的として先生をはじめとする研究者の方々から警戒されているなら、逆に世の中に貢献する手段として、科学者や官僚になるだけでなく、メディアに所属して、正しい情報を過不足なく伝えていく先生に信用されるような記者になることも手段のように感じた。
    (返信)是非とも良い記者になってもらいたいですね。
  14. ぼくは将来農業に従事する者になることを志して農学部に入りたくて東大に入学したのですが、これからの農業の在り方を生物工学から研究するにしても、生態系から考えるにしても、あるいは政治といった観点から考えるとしても、やはり農業を行う土地が第一にあるのであり、机上での議論だけでなくその土地と向き合うことが大切なのだなと思いました。
  15. 実際に見ること、実験してみることは重要だと思った。
  16. 実際に行動することが大事だと思いました。実際、原理的には複雑なものはあまりないように思えましたが、例えば凍土をはがせばいいだなんて実際に動いたから得られた方法だと思ったし、高効率をひたすら追い求めるだけでは絶対になしえないことも多かったと思います。結局、現場を見ることが一番の学習なんだと分かりました。
  17. 現地の人たちの課題を解決できるように研究していくことが重要だと思いました。研究して結果が出て終わりではなく、課題を解決する姿勢がなければいけないので、今後農学部に進学しようと思っていますが留意して学びを深めます。
  18. FPBLの精神。今までの講義を受けてきた中でも、研究者や政策決定者と、現場で実際に取り組む人たちとの乖離がかなり問題な気がする、とおもっていたので、まさにこれが必要だと感じました。
  19. 地域密着型の都市開発
  20. 実地に赴くこと、これが大事だと感じました。実地で泥まみれになって泥臭いですが、現地に赴いて現状を知り、問題を解決することが農学という学問の本質ではないかと感じました。
  21. 和牛のモニタリングや水田用水の遠隔操作など、農業という一次産業にITが組み込まれ始めていることに驚きました。
  22. 震災後の取り組みの成果が表れている例をみて政府や自治体に全てを任せるのではなく、被災者に限らず一人ひとりができることを考えることが大切だと感じた。
  23. 一度人々の生活が壊れてしまった所だからこそ、科学的知見がどのように人の役に立つか試せるチャンスにつながる、つまり転んでもタダでは起きない「不死鳥」精神、福島の復興のシンボルとして強く心に残りました。
  24. FPBLの考え方 私はまだ1年生で、どのように大学生活を送っていけばよいか時々考え、友人とも話すのですが、やはり、学びを机の上で終わらせない、試験のための勉強にとどまらない、知の社会への還元ができるように過ごしていくことが大事だと思ってます。現地や社会に実際に出向き、課題を見つけ、解決することは一筋縄ではいかないと思いますが、東大生、駒場生としてその考えを実践していきたいと思いました。
  25. 現場を見て判断することの重要性を感じました。理論や分析と、実地の現状との相互作用により両者が深まるのが興味深かったです。
  26. 農学栄えて農業滅ぶ 理論を立てておしまい、研究材料を集めておしまい、あとは農家でやってね、という姿勢は農家の研究者への不信感を生むはず。農学という分野においてはやはり、頭でっかちの理論屋にはならないようにしなければならず、現場で働く農家の人たちと協力し、信頼感を醸成したうえで課題解決に取り組まねばならない、という戒めがこの言葉から感じられた。 "
  27. この授業の中で私が感じたメッセージ・キーワードは「科学技術のあり方」の一言に尽きるように思いました。その中でも特に、福島の復興において科学技術の専門的な知見を、現場に生かしてきた軌跡やその手法(土壌学やセシウムイオンの性質に関する知見を用いて、セシウムの除去方法を編み出すなど)に対して非常に感銘を受けました。 私自身は都市工学に興味があり、文理を問わない様々な知見を実際のまちづくりに活かして、実際の街並みとして学問の「成果」を形にする所に惹かれていたのですが、他の理系学問にありがち(なように感じた)「目の前の事柄を分析するだけしておいて、現場の問題解決は他人に任せ、あとは放置」といったスタンスに対してずっと疑問を感じていました。しっかりとした学問の知見を元に、その土地に住む人々の経験や土地個々の特徴を織り込んだ「地域の専門家」になりたいと感じていたため、今回の授業は自分の進路のヒントになるように思いました。 また、化学肥料の「便利だが、使いすぎると長期的な目では持続的ではない」という箇所も印象的でした。科学技術は便利である一方で、適切に使用しなければリスクやマイナス面がプラス面を上回りかねないことも、改めて実感しました。"
  28. 現地で打てる方法(田車など)を考慮することも含んだ、現地での問題を見つけて解決するフィールドワーク力
  29. 体力と好奇心
  30. 土壌放射線の測定が素早く行うことができるということと土壌放射線が理論通りに現象していること。
  31. 実験を用いた科学的アプローチの重要さ。事例が少なくて理論が確立していないものを取り扱うのなら、現地でたくさん実験してみる必要があることがわかった。
  32. セシウムの除去は困難だが、工夫次第では自然を利用して比較的安価に行える
  33. 実学に限らず、学問を学ぶ上で机上の理論と現場をどうリンクさせるかを常に意識するのが大事だと感じた。

自由意見

 
  1. 非常に面白い講義でした!
  2. 今まで東大の授業色々受けてきましたが、先生がダントツ1番面白かったです!
  3. ありがとうございました。
  4. 東日本大震災の後私の家は東北を産地とする野菜を食べないようになりました。しかしそれが続いたのは二年くらいで、今は何も考えずに食べてしまっています。放射性物質は半減期が数十年のものが多いので、多分今も含まれる放射性物質の量はあまり変わらないような気がしますが、時間が経って感覚が麻痺してしまったのを感じます。原発事故の当時は息をするのも恐ろしくてマスクをしていたのに、(今は別の意味でマスクしてますが)今日原発事故の話を聞いてすごく懐かしいような、そんな時代もあったなあ、というような気持ちになりました。実家が福島県なのですごく興味を持って聞かせていただきました。
  5. 農学だけでなく、他の学問にも通じるお話が聞けて、大変面白かったです。イントロで授業に惹きつけられました。
  6. 帰ってこない人のうち、確かに夢や希望を持てない人もいると思いますが、避難した先の新たな土地で夢や希望を見つけ新たなコミュニティを築いた人もいるのではないでしょうか。必ずしもネガティブではないさまざまな意味で、一度強制的に避難させられた村は元に戻らず、それは悲しいけれど避けられない変化だと思いました。
  7. ニュースなどで見ていて除染は莫大な費用がかかる困難な作業だと思っていたが、きちんと性質を学ぶと工夫次第では除染は自然を利用して行えるのだと知ってきちんとした知識を持つことは大切だと感じました。
  8. 最初に聞いたときは復興について研究するのはとても狭い分野で役に立つ場面が限られるのではないかと思ったが、そうではなく実際に大いに社会のためになっていると思った。復興農学と称してはいるが文理問わず様々な分野の知識が必要となっていて興味深いと思った。近々大地震が起こると言われている中今後さらに大事なテーマになっていくと思った。
  9. 思った以上、福島の土は回復されつつあるのがびっくりでした。けれど、スーパーで福島やその辺の県産の野菜を見ると買うのに悩んでしまうのはその分不安がおさまらないからであるとおもいます。もっとこのように専門的で確実な情報でどれだけ回復されているかについて世の中に教えるともっと世間の意識の復興につながると思います。
  10. 時代は人糞堆肥!
  11. 駒場時代は焦らなくていいという経験談にとても励まされました。逆に頑張れる気がしています。ありがとうございました。
  12. persistence 、やり抜こうと思いました
  13. レジリエンスの定義が、苦難のあとに再び幸せになる力だということだというのが素敵だと思う。
  14. 「農学は本当に農業に役立つのか」といったような「学問と実践のギャップ」のようなものは他の分野でもよく指摘されているように感じる。「学生」としては否定したい意見であるが、考えもなく否定できるような意見でもないと思う。その点、溝口先生は原発事故からの復興を中心に科学的観点から現地で実践的に仮説を検証されてまたその情報を発信されていて「ギャップ」を埋めることにとても貢献していらっしゃると感じた。個人的にとてもエネルギーを頂きました、ありがとうございました! "
  15. 実地に赴き、試行錯誤する先生の研究の仕方がとても素敵だと思いました。とても面白い講義、ありがとうございました。 講義後の提出です。"
  16. 今度福島に行くので不死鳥の如くを探して飲んでみたいと思います。
    (返信)福島県内だと飯舘村のまでい館。東京だと農学部正門前の高崎屋で買えます。あとはふるさと納税返礼品として。
  17. ただ何も考えずに除染しようとするとそれは次に始める農業に悪影響があるのだと考えた対応を行う必要があると考えた
  18. これまでの講義の中でも最も地域に密着していて、実際に協力してお酒を作るなどプロジェクトを行っていることに感動した。挫折から学ぼうとする姿勢を忘れないようにしたい。
  19. ラピュタの主人公はパズーだと思います。
    (返信)そうなの?シータだと思っていました。
  20. この駒場の二年間で幅広く学ぼうと思います
  21. 土壌汚染に対して無知すぎたこれまでの自分が恥ずかしい。学ばずに物事を判断するのは良くないことに気付かされた。あた、現場を重視してる先生の姿勢がすきです。
  22. とても面白い講義でした。
  23. 高校生の時に経済成長とレジリエンスを両立することに関しての文章を読んだことがあり、それで持続的な経済発展は、復興農業にも通ずるところがあるのだなと感じた。
  24. 溝口先生のお話はおもしろいので、もっと講義を受けてみたいです。
  25. 先生の実体験がお聞きできて面白かったです。 "
  26. 還暦わくわくグラフが面白かったです。 私は一年生ですが、東大に入って以来劣等感を感じることばかりで、あれほど入りたかった東大にいることが嫌になってしまいました。タフに生きる方法はこれから探します。いつか語れるような経験になったらいいなと思っています。"
  27. 風評被害について、関係者は具体的な数値やデータによって安全性を示せても必ずしもそれで自分を含む一般人、悪い言い方をすれば知識のない人を納得させることに繋がらないことが大きな壁だと感じました
  28. 非常に面白い講義でした。自分が文系でなければ教授について言ってた気がします。授業の時間が足りなくなるからと言って話をしてくれなかった話の内容がとても知りたいです。
  29. 福島の農業の復興のために実際に現場に赴き続けていらっしゃる姿に感銘を受けました。ありがとうございました。
  30. 今までの授業と違い、文系的な要素が多く面白かった。
  31. 私は飯館村に高校の研修で行ったことがありますが、ニュースと違う現実の姿に驚いた記憶があります。
  32. 色んな科学的知識を、机上の発想で終わらせるのではなく、溝口先生のように現地で農家の方達に寄り添いながら、膨大な知識をうまく活用することこそ、学者のあるべき姿なのだと思いました。
  33. 私はむら塾に所属しているが、他の英語ディベートサークルが忙しくあまり活動に関われずにいる。英語ディベートは中学生のころからやっていて、英語ディベートをやるために大学に入ったので人生のわくわくメーターは今史上最高をむかえている。しかし、小学生のころから農学に進みたく、地域に密着した農業・食料供給を達成したいと思っていて、それを(今文科一類だが)総合科目やサークルを通して実現したかったのもまた事実である。今日の講義を通して、再びサークルに積極的に参加する意欲がわいてきた。 "
  34. 私はむら塾に入っています。飯館村には行ったことがないですが、富津の海龍寺での寺子屋活動には二回参加し、現地の子供たちと関わることがとても楽しいと感じています。 またFSという大学のプログラムで、福島に行く事になったので、現地の方との交流を大切にしたいです!"
  35. 私も教授と同じく農村の出身です。農村の諸問題に対して机上の空論を展開してしまわないように研究を進めておられて興味深かったです。凍土除去の話が良かったです。
  36. 講義前にも出さないといけないものだったらすみません。フォームの提出は一回でいいものと思っていました。
  37. 自分も色々やってみようと思いました。
  38. 吉良さんのnoteを読みました。日本一周などたくさん行動している中でも内心では恐怖が渦巻いていたということで、私も今はダメダメだしこれからもダメダメかもしれませんが、何もしないよりは何かしたいなあと思いました。
  39. 今まさに自分の将来や進む道について非常に迷子中で、焦っていたので、「タフに生きる」くだりのところでなんだか泣きそうになりました。頑張ります。
  40. 福島の原発の話は面白かった。
  41. 講義ありがとうございました。実地に赴くことはは泥臭いと感じていましたが、今回の話をきいて農学部に進学する身として見習うべきカッコ良い姿であるなと感じるようになりました。先生のなんでも行動に移すという精神を見習っていきたいです。
  42. 放射性セシウムなどに除染された土は埋めれば地表の放射線が減るなど、放射線対策はもっと複雑な化学的な方法で行われるものであると思っていたことが原始的な方法で行われることを意外に感じました。半減期を考慮しながら、二度と同じような汚染が発生しないように対策していきたい。
  43. もう震災から10年以上経ち、農業に関してももう流石に復帰していると勝手に思っていたが、まだまだ復興していないところもあり、忘れるべきではないと思った。 "
  44. サルやイノシンといった獣害への対策も必要と聞き、人間の都合を待ってくれない自然というものも改めて認識され、災害という非日常の状況の改善に終始せず、「普通の」農業の運営を支える様々な努力が必要であることを感じました。 僕も機会があれば福島のリアルを体感してみたいです。"
  45. 先生の知の使い方、行動力を見習いたいと思いました。 "
  46. ・「わくわくグラフ」が非常に印象的でした。「大学1年時には新たな生活や学問に対して意気込んでいたものの大学2年にはその心意気もだらけきって、運動部の活動ばかりの日常になっていた」という箇所が、私が大学入学から現在まで辿ってきた道そのままで笑ってしまいました。先生は「卒業論文で学問分野の面白さを知り、やる気スイッチが入った」とおっしゃっていましたが、私も早くやる気スイッチが入るような面白い学問分野に出会いたいものです。 ・私自身は上述の通りまちづくりを通した災害復興に非常に興味があり、「災害によって住民の構成や環境が一変し、社会基盤となるインフラや共同体が壊滅してしまった中で、これからどのように地域を維持し、コミュニティを作っていくか」という課題をインフラや地域計画の観点から学んできたのですが、農学においても、同様に集学的・総合的な方法で、学問の知見を実際の現場に生かしていく術があることを知りました。"
  47. 既存メディアは信用なりませんというのはよく聞く意見でしたが(むしろ信用すべきと聞いたことがない)、記事の移植時に発生した具体的な差異は考察しがいがあって面白かったです(原発に起因する問題は取り返しがつかず、現地で現実的に解決できるものではないという印象を抱かせたかったのでしょうか)
  48. 楽しかった
  49. 放射線がどのレベルになったら復興と言えるのか。
  50. 東日本大震災から10年以上たち、テレビでこの地域の復興について聞かなくなってからも、少しずつ復興は進み続けているし、進め続けないといけないことがわかった。私は土から遠い数学系を志しているが、今回の講義で取り扱われたような、科学を応用して動くやりかたを知っておく必要があると感じた。
    (返信)「土から遠い数学系」?? 土のことを知ろうとせずにそう断言できる自信がどこから来るのか不思議です。土壌物理学は応用数学を基礎に発展してきました。土壌中で起きている様々な拡散・移流・反応等の現象を記述するためには偏微分方程式の知識は必須です。しかもそこで使われる係数(パラメータ)は刻々と変化するために解析解を得ることができないので有限要素法や差分法を用いてコンピュータで数値解を得ています。そのためのソフトウェア(例えば、HYDRUSなど)が数学者との共同研究で開発されています。
  51. 講義当日に提出した気がするのですが、一応提出させていただきます。

Q&A読後の追加の質問や意見

 
  1. 追加の質問なんですが、農業のICT化が世界的に進むなど先端技術との融合が行われており、最終的には全て人工的・自動的かつ半永久的に農産物が作られるようになることが人類の理想だと思うのですが先生はこのことについて「可能であるか」あるいはその「デメリットは何か」をお聞きしたいです。
    (返信)不可能です!どんなに技術が進歩しようとも人間が自然を制御できるわけありません。むしろ制御できると考えていること自体が「デメリット」です。農業というのは、人類が蓄積してきた知恵を使いながら自然を相手にいかなる状況でも人が生き抜くためのなりわい(生業)なのではないかと思います。
  2. 他のみなさんが書いた自由意見を読んで、私と同じような劣等感を抱いているひとがいることに少し安心しました。自由意見の欄にも書いたように、私は数学系を志望していて、将来的にはソフトウェアエンジニアになりたいと考えています。ソフトウェアエンジニアリングは農業のような非常に応用的な側の営為で、趣味の範囲でも学んだことを総動員する機会がやってきます。そんななか、似た趣味をもつ同級生たちはどんどん強くなっていくのに、うまくがんばれない自分だけが取り残されているように感じられて、この先なにもできないのではないか、と内心ひどく焦っています。除染や復興にあたって、無機化学やらIoTやらの複数の分野の知見が引っ張り出されているのが印象に残り、強い同級生や先輩を見たときの「知っていることは強いことだ」という感触に重なりました。先生はわくわくグラフのあたりで「やる気が出なくなる時期が来るけど、心配しなくていい」というようなことをおっしゃっていましたが、今の私には生存者バイアスのように聞こえてしまって、その言葉を素直に受け入れることができません。講義後だいぶしてからの提出になのにわがままなお願いをするようで申し訳ないのですが、なにかもう一つアドバイスをいただけたら嬉しいです。
    (返信)まずは自分を他人と比較することを止めなさい。そして自分でやりもしないで「土から遠い数学系」と決めつけることも止めなさい。人は人、自分は自分。「生存者バイアス」と言う暇があったらゴチャゴチャ言わずに何かを始めてそれに熱中しなさい。そして失敗をたくさん経験し克服する努力をすること。それを繰り返すことでいざというときに使える「知識」が身につくのです。 1に体力、2に食欲、3・4がなくて、5にジョーク 自分の失敗をジョークで笑い飛ばすことも大切です。

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Update by mizo (2022.7.13)