東京大学 大学院農学生命科学研究科 アグリコクーン講義「国際農業と文化」

国際農業と文化ゼミナール2020


このページは、受講生のレポートを共有することにより、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、自分とは異なる視点もあることに気づくことで、より深みのある講義にすることを目的に作成しています。

国際農業と文化ゼミナール2020講義日程

3日目(6月12日)「経済と食品流通」
10:00〜11:45 日本とアジアの食文化と食品産業(荒木)
13:00〜14:45 アジアの経済(鈴木)

1日目2日目3日目

Q3-1.荒木教員の講義で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。

  1. 「食の工業化と食品化学の光と影」という最後のスライドが正に、食文化と今の状況を端的に表していると思う。便利になることは全体の中にある食文化にとってプラスになるのかどうか、よく考えていきたい。
  2. 「食文化」をどのように定義するか
  3. コロンブスの交換が、人類の食生活を根本から変え、食文化のグローバリゼーションをもたらしてくれたこと。これにより、自分が今日、これだけ豊かでバラエティに富んだ食生活を送れていることを改めて実感できた。
  4. コロンブス交換の影響の大きさは、食文化にあたって食卓にあがる料理(調味料、香辛料など)にもあらわれていること。
  5. マクドナルドのプロセスの最大化
  6. 異文化由来の発酵食品はなかなか受け入れられにくい
  7. 一つ一つの作物が自分の歴史がある。例えばトマトに対して過去誤解と偏見があったなど、作物をめぐる歴史はとても面白い。
  8. 各々の調味料の原産と、現在各調味料がどの地域で多用されているのかというところに違いがあることが面白かった。これは伝播する過程で、地域の文化的背景が影響していることも理由の一つとして挙げられるので、その過程を知りたいと思った。
  9. 各国の現在の食文化は,他の大陸由来の食品や調味料に大きく影響されている
  10. 経済社会から食が影響を受けたのとは対照的に、スローフードのように、食が経済社会に影響を与えようとしている動きが生じていること。
  11. 香辛料は今や我々の身近にあって切っても切り離せないものである。
  12. 私はけっこう調味料が好きなので、いろいろなところでの特別な調味料の話を聞いて面白かったです。
  13. 社会のマクドナルド化
  14. 食の簡便化 調味料の歴史
  15. 食の地域性と社会の発展に沿った変化
  16. 食品工業は人々に利便さをもtらした一方、食の不透明性を強めてしまった話が印象的だった。それは、食のマクドナルド化にもみられた話であるし、super size meなどを見ていても思うことだ。消費者による生産者の評価の仕組みを作り上げる必要性を感じた。
  17. 食文化に関する固定概念への執着(トマトを有毒植物だと思い込んで食べない)
  18. 食文化の変遷
  19. 食文化は技術と密接な関係にあるということ。
  20. 食文化は保守的
  21. 食文化をcultureではなくwayとしてるのはおもしろいなと思った。食文化の話もおもしろかった。
  22. 世界の調味料についてあまり深く考えたことがなかった。
  23. 調味料や発酵食品を歴史と関連付けて地域ごとの概念的なものとして見る見方は非常に面白かったです。
  24. 調味料や保存食の歴史
  25. 農産品の値段があがっても農家さんの手取りは上がっていないことに印象的でした。よく考えると、中間業者は商品に高級な農産品の名を乗せて高く売っている一方、農家さんから安い値段で農産品を購入しています。結局苦労した農家さんはもうけていなくて利益は中間業者の腹にはりました。これは絶対間違っていると思います。
  26. 普段自分が口にしている調味料を意識することは重要だと思った。日本人も減塩したことで寿命が伸びたように、毎日口にしている食材だけでなく調味料まで気をつけたり調べたりすることが健康のためには必要だと思った。
  27. 物流が豊かになった現在でも各地域で独自の食文化が残っていることがすごいことだなあと改めて感じた。
  28. 冷凍食品は何となく「体に悪い」というイメージだったが、むしろコールドチェーンによって減塩化が進んだというのが面白かったです。
  29. (似ているものの存在が基盤にあるにしろ、)未知のものに対する偏見や抵抗感というものが食にも存在しており、それが普及の足かせとなってきた例もある。

Q3-2.鈴木教員の講義で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。

  1. 「理論は実証によって検証される」ということ。理論家は得てして自分が信じる理論に当てはめたがるのでこの視点は非常に大切だと思った。
  2. いかに先進国政府が開発途上国の人々の暮らしを自分ごととして捉えるかが重要な論点であると感じました。自由貿易協定などのニュースを聞いていても、日本国民に対するメリットとデメリットばかりが報道され、それが世界における貧富の格差を増幅していることは中々想像できていませんでした。私以外の日本人もそのような方は多いのではないかと思います。しかし、先進国から開発途上国に対する働きかけには必ず自国の経済的利益の追求という目的が背景にあることを認識した上で、寡占企業の主張が現実になるならば開発途上国の人々にはどのような影響が及ぶのかを、日本の一国民として考えることは重要であると感じました。
  3. かなり抽象的だが、学者・専門家だけでなく現場で働く人など様々な立場の方の意見に耳を傾けることが大事だと思った。特に貧困問題の解決に関わるのであれば、なおさらデータや実際の状況を把握することが間違った政策を取らないことにつながると思った。
  4. コロナによる農業の影響
  5. コロナ影響の機会を、日本の盲目的・思考停止的な対米従属姿勢を考え直す機会にし、アジアの人々が、そして、世界の人々が、もっとお互いを尊重し合える関係強化の機会になれたらいいと思います。 アジア経済と関係ないのですが、経済日本でコロナの影響で学べる重要なことは「現場の実態をしっかり実感する・把握する」、そして、「数字で示す・検証する」こと。"
  6. 寡占市場において規制緩和は逆効果であること
  7. 学問の在り方について再考した。学問の究極の目的とはなんなのか。知的好奇心の充足、社会実装が行われること。(役に立つこと) 何を目指すべきなのか農学の場合最終的に役に立つことがやはり求められるのだろうか。少し混乱する授業だった、
  8. 規制緩和を進めて一部の人間に利益をもたらそうという動きという認識が重要だと感じました。
  9. 現在IMF/世銀の政策等で提唱されている「自由貿易推奨」には、「寡占」や「価格支配力を持つ大企業」による価格統制力の要素が(意図的に?)捨象されていることを指摘されたこと。
  10. 現在の自由貿易推進には欠陥があり、不完全貿易は途上国農家の貧困解決にはほど遠いこと。
  11. 現在世界で当たり前になっている仕組みや考え方を学び、それが本当に途上国のためになっているのか、現実的なのかを疑う視点を持つこと。
  12. 現実を説明する理論
  13. 自由貿易は世界の格差を助長すること
  14. 食品貿易の自由化は、格差を助長させること
  15. 食料自給率の向上、消費者と生産者間の適切なトレード
  16. 食料自給率を改善すること
  17. 食糧自給率の問題は日本にとって一番大切
  18. 数少ないグローバル企業が自由貿易の名のもとに途上国の農民から利益を吸い上げている事実
  19. 世の中に完全市場はない.
  20. 世界の仕組みとして寡占は放っておいても自然と解決できるという考えのもと、少数の寡占企業が貧しい農家さんから不当に搾取しているという事実
  21. 生産物の不当な買いたたきによる中間マージンの創出がアジアの国々を苦しめている。(日本も例外でない。)
  22. 日本も食料自給率の低さが問題になっているので、貿易自由化の議論は重要なポイントだと思った。
  23. 農村社会格差の解消において協力の重要性。データに基づいて議論を考える重要性。
  24. 不完全競争の議論や数字を用いた検証の重要性。
  25. 輸出規制の話を聞いて、今回の感染症の流行によって、国内の第1次産業を守ることの重要性を改めて見直す必要が出てきたことを実感しました。介入しすぎず市場を歪めない程度で、不完全競争市場を矯正するという政策の加減がすごく難しそうだと思いました。"
  26. 理論は実証によって検証されるという言葉。そして、それを数字で示していくことの必要性。
  27. 本当の意味で一次生産者である農家の利益を増やすには、肥料や農薬の販売者や市場の買取手の独占(農家に対する買いだたき)という問題に取り組まなければならない。

Q3-3.荒木教員の講義の感想

  1. (質問)退出アンケート提出後に思いついた質問を記載します。講義の中では取り上げられなかった調味料で「酢」があります。発酵調味料の一種だと思いますが、ネットで調べたところ、「世界最古の調味料」などの記述がありました。日本では寿司に使いますし、中国のサンラ―(すっぱ辛)、欧米のビネガーなど、世界各国で使われているようです。これは歴史的にはどこに起源があるのでしょうか?
  2. グループワークをしてみて、普段自分が食べているものにどんな調味料が使われているかは案外知らないということがわかった。これまで調味料に関して詳しく知る機会はなかったので、今後は普段の食事はもちろん、海外に行ったときはその国の食文化にも注目してみようと思う。
  3. コロンブスは「アメリカ大陸を発見した」と歴史の知識だけで承知していましたが、そのことがどれだけ現在の自分の生活に(特に食の多様性という点で)意味のあるイベントであったかということを改めて認識できました。今回の授業は「調味料」を切口に話を伺えましたが、調味料をきっかけに「食材」「料理」も国際化が進んでいますし、実は「食」に限らず、生活様式、異文化の交流から、感染症の拡大という負の側面にまで、今日の人類のありように対する大きな転換点であったと思い至りました。ありがとうございました。
  4. ご講義いただきどうもありがとうございました。入りが調味料のお話ですごく面白かったです!ぜひ、社会のマクドナルド化の話をゆっくりお聞きしたかったです。
  5. トマトが毒物だと思われていたことが衝撃だった。また、自分は日本で生まれ育ったが、見慣れない人が納豆をみたらかなりゲテモノに見える気持ちはわかるので、異文化の発酵食品は受け入れるのに時間がかかるということに納得した。
  6. マクドナルド化の話興味深かったです。
  7. 後半の話こそもっとゆっくり聞きたかったです。ブレイクアウトセッションでの話し合いもこれはこれで楽しかったですが、意見交換というよりは報告?になってしまっていたので、意見の割れそうなトピックでの話し合いがよかったなと思いました。食の簡便化によるデメリットも多く、これからも簡便化の方向だけでいいのかとか、いろんな人の意見聞いてみたかったです。
  8. 工学系の生徒で、あまり知識は持っていませんがとても楽しめました
  9. 香辛料の話が印象的で個人的に調べてみようと思いました。発酵と腐敗の違いが文化の概念によるものということにはっとさせられました。他の授業(社会学)でマックス・ウェーバーが取り上げられて、今日の食の授業でも登場したので彼の守備範囲の広さに驚き、また社会構造の変化が様々な点で現れていることを感じました。
  10. 食の簡便化が進んでいますが、色々な調味料にこだわって料理してみたいと思いました。
  11. 食品加工業の大規模化(例えばアメリカのチキン市場はbig5と呼ばれる企業差存在します。)と食の安全性のつり合いはどのようにしたらとれるでしょうか?
  12. 食文化について詳しいつもりであったが、この講義を通して今まで気づかなかったような視点も得ることができた。
  13. 食文化の歴史や最後はマクドナルドの話など幅広い話が聞けて面白かったです
  14. 新世界から全世界に広がった唐辛子ですが、いつ、どのような経路で中国に至り、なぜこれほどまでに中国国内で利用が浸透したのか。(寒さはあまり関係ないのではとのこと)
  15. 世界の食文化を調味料の観点から考えたことがなかったので非常に興味深かったです。
  16. 地域、国の食文化の差はとても面白い。どうしてこのような差が生まれるのかについて勉強したくなりました。
  17. 地域によって食文化が分かれることは認識していましたが、地図上に大別して分けて考えたことはなかったのでとても参考になりました。大航海時代のきっかけが胡椒であり、胡椒を求めたのがヨーロッパ圏の肉食文化であるのではないかといった、食文化と歴史が綿密に結びついていることを再認識できて大変興味深く拝聴させていただきました。また、「食の工業化と食品化学の光と影」の部分について、課題や考察などを深く知りたいと思いました。これらの内容について機会があれば、また講義を受けさせてください。ありがとうございました!
  18. 中国語の胡瓜と胡桃と胡麻に胡という字が入っていないのでこれ全部中国の西から来た舶来品と知らなっかたです。
  19. 調味料を中心として食文化の形成を知るのは大変面白かったです。昨日話題になった宗教との関連性が濃く、残念ながらそれが障害となって食生活か向上しない国もたくさんあると思いました。「食の500年史」を読んでみようと思います。
  20. 当たり前に使っている調味料の歴史を考えると、いまの食の多様性を獲得したことはとても価値のあることだと思いました。無形遺産として食を認定する理由もわかる気がします。
  21. 発酵食品は文化的概念であるという言葉が面白かった。からすみの例から、自分の文化には相いれない食文化を、一つの多様性としてどう尊重していくかが難しいと思った。クジラや犬の肉を食べる文化など。
  22. 保存食や加工技術について詳しく知らなかったので大変勉強になった。この講義をきっかけにもっと学んでいきたい。
  23. "高度経済成長により肉類の消費が増え、それが自給率の低下に繋がった"などマイナス面についてはこれまで多くの授業で聞いたが、「冷蔵・冷凍技術に発達により、日本人の1日の塩摂取量が減り、寿命の延長に繋がった」というプラス面は初めて聞いた。これまではマイナス面が強調されるようなイメージであったため、意外に、そして嬉しく感じた。基礎知識としては既知のものがほとんどであったが、それに加わる内容があり、わかりやすく興味が持てた。

Q3-4.鈴木教員の講義の感想

  1. いま世界で起こっている、語られない事実を知ることができて大変興味深かったです。
  2. オンデマンド講義のおかげで動画の再生速度設定(1.5xと2.0x)でき、早く終わらせたので個人的はよかったと思います。
  3. グローバル化と叫ばれる中、グローバル化の負の部分にスポットを当てたことが自分の今までの生活でなく、貧困層の搾取を促進しているという状況の深刻さを感じました。物事は良い面しかとりただされないことが多いけど、それによる他への影響を考えることが大事だと思いました。またついつい手間や労力を感じて現場を避けていた自分がいましたが、現場を知って初めてデータや政策が生かされるということ、現場の重要性を感じました。
  4. この3日間を通してずっと感じていた、農業と経済性の両立の難しさを先生の授業でも感じました。学部自体に在籍していた大学で、たまに開発学の授業をとっていたのですが、その時も本当に途上国のためになるのだろうかと思ってしまう支援策などにによく遭遇していたのに、今回もやっぱり途上国のためになっていない策(貿易の自由化など)が行われていることに悲しくなりました。このままより資本主義の世界で弱肉強食が続いていくことは良いことではないと思いました。
  5. コロナによって各国の貿易の危うい部分が浮き彫りになっているのは感じます。またそのような政府や企業にとって隠したいような情報も調べようとすれば、個人に暴かれやすい状況ではあると思います。それに関してどう働きかけるかというのは、年齢や立場に関係なく考え学ぶ必要はあると思います。
  6. コロナによる輸出規制に関して、2008年の食料危機の時にも同じ話がなされていたのかと思い、自分でももう少し調べてみようと思った。 "
  7. ご講義いただきありがとうございました。 食糧危機が起こった時、農家は儲かるような競争市場になるのでは、と思っていましたが、ベトナムのコメ市場のように食糧危機の時に独占度が1を超えるような状況になるのでは農業従事者が減るのも頷けると思いました。 協同組合は現場の管理という点で確かに非常に有効な手段なのだなと感じました。 科学的根拠・数値を理解するために必要な知識は議員や大臣になるには必要ないというのが数値的な根拠より神話的な先入観を優先させてしまう大きな原因の一つなのではないでしょうか。自分ももっと知識をつけて、神話に惑わされないような審美眼を身に付けたいと思いました。"
  8. ベトナム実習に行った時に、組合の形成による農家のエンパワーメントについて話したことを思い出した。途上国の農業支援において、とにかく生産性の向上が注目されてきたような気がするが、農家の所得向上に繋げるためには、農家と流通販売のパワーバランスの改善は重要であると考えている。また、かつて日本による支援プロジェクトが行われていたタンザニア農村部の農家にインタビューを行った際に、支援の中で推奨された肥料や種子の価格が高く、毎年購入することが難しいという話をしていることも思い出した。僕自身、途上国の農業も先進国と同じような方法で発展させれば良いと考えていた節があり、この時に現場の問題を見ずに解決策を考えることの危険性を強く実感して反省したことを覚えている。 貿易の自由化に関して、日本も土地の性質から海外の大規模農場で生産された農産物に比べるとどうしてもコストが高くなってしまう。輸入品に対する競争力を強めるために、国産品の付加価値を高めることも重要だが、食料品のような日常品の価格向上にも限界があり、政府による補助・貿易上の関税は日本の農業維持にとって必要なのではないかと考えている。特にコメの貿易自由化は、現状ですでに低いコメの価格にさらに打撃を与える可能性があるので、かなり重要に議論する必要があると思う。自分の中で考えていた視点の数値的なエビデンス(買い手独占など)を見れたのでかなり勉強になりました。
  9. 寡占市場においては、自由貿易により力をもたない農家・途上国が苦しむということがよくわかりました。アメリカを筆頭に、支配力のある企業や国の意向が中心に世の中の仕組みが形成されていく今の状況は、自国や自国の企業の利益を優先することから生まれる発想に依るもので非常に危ないことであり、途上国や農家に富を分配するためには、力をもつ欧米や日本、多国籍企業が、弱い立場を思いやるという、難しくも勇気のある行動を積極的にとっていかなければいけない。共通農業政策や、アジアでコメを備蓄する、などの施策により、これからの時代は敵対するのではなく、いかに仲間意識をもって動いていけるかが大切だと感じた。
  10. 強者がより強者に、弱者がより弱者になってしまうような状況をどうにかできないのかと痛切に感じた。この分野に関する知識はまだまだなかったので、今後しっかり勉強し、世界の仕組みを批判的に見ていきたい。
  11. 経済学を勉強していると、全体の豊かさを向上させることにフォーカスしすぎて、その構造は一部の人に富が集中したいびつなものになってしまうことがあるため、貧しい途上国の人々の状況をいかに改善させることができるかを考える際に「開発」という視点から考えることの意義が自分への戒めになった。 また、今までどうしても自分が勉強した理論やモデルに固執してしまうきらいがあったため、現場の実際問題が先行していて、それに対応するようなものを自分で再構築していくのだということを忘れないようにしたい。 アジアの経済学だけでなく、開発学を勉強していく心構えのような面で大変参考になった。
  12. 講義というよりは、配布資料について深く読ませていただきました。 食糧自給率に関する問題は既知でありましたが、コーヒーなど嗜好性の高い作物の問題について深く考えることが少なかったので非常に参考になりました。"
  13. 講義中何度もおっしゃっていた、"一部の企業が生産者から買いたたきをし、消費者へ高値を付けて売り払うことで不当にマージンを儲けている"点は、規制をしない限りなくならないはずです。さらにこの状態が続けば格差はますます大きくなるので、大きな課題だと感じました。正直トピックが豊富すぎて1時間45分で理解が追い付けなかったので、ゆっくり資料を見返そうと思います。
  14. 最後の「今は僕みたいな老人が盾になります」というのが印象に残りました
  15. 私は経済学部出身で開発経済学を学んでいたのだが、市場に任せればうまくいくという主流経済学の考えについて、途上国の農民の生活が楽にならない現実を知った時に、現実に即していないのではないかという考えが芽生え、違う視点でこのことを考えてみたいと思い院では農学を専攻することに決めた経緯があり、今日のお話は貧困がなぜなくならないのか、どのようにグローバル企業が富を吸い上げているのかの仕組みを詳しく知ることが出来て大変勉強になった。自由貿易に関して全体的に余剰は増えると経済学では説明されるが途上国の貧困はよくなるわけではないという現実に目を向けるべきだと感じた。理論に固執するのではなくあくまでも現実を見つめて数値化して問題を明らかにする大切さを改めて感じた。
  16. 自由貿易によって引き起こされた課題を自由貿易で解決しようとする、この矛盾やポイントを認識できたのは大きかったと感じております。まさに今、世界でみられる情勢をチェックするときに、このポイントを頭に入れながら考えることができるのは、今後の食料問題の見方が変わっていく気がします。2008年の国際的な食糧価格高騰の教訓をしっかり学んで、今の状況を見ていきたいと思います。ありがとうございました。
  17. 政府の農業に対する優遇政策を最近も日本国内で非難している風潮があったが、コロナ渦の今こそ農家を守るべきではないかと思う。 今日の授業を通して、改めて国内農業を守り、自給率を上げていくことの大切さを意識することができた。
  18. 先生の授業でおしゃった食料自給率の向上が重要な話を聞いて私もそういう風に思っています。実は多分先週、私がいる研究室のゼミで、これを似ている話題も出てきました。先輩はいまの農産品が世界中に流通しているこそ、検疫とかいろいろな面倒な問題が出てきます。そもそも、自給自足になったら、こういう問題が全部解決と言いました。そして今回のコロナウイルスを例として、結局頼りになれるのは身近なものだけという意見も出てきました。肝心なところをほかの人の手のひらにおいてはいけないと、生活に絶対必要な糧食などは決して自給自足しなければならないといういけんは本当に正しいと思っています。
  19. 全く知識がないところなので、面白かったです
  20. 途上国と先進国の農村社会の格差は技術協力によって解消されるのか?それとも途上国の自発的な経済成長に頼るしかない部分もあるのか?
  21. 日本や世界の食糧貿易についてある種の見方が分からなかったのですが、先生の研究を踏まえつつ不完全貿易の問題点や途上国での農家の貧困のメカニズムを明らかにしており、大変勉強になりました。ありがとうございます。食料流通時の協同組合の役割について2つ質問があります。協同組合が生産者と買い手との間に入ることで買い叩きが軽減されるとのことでした。どのように軽減されるのか考えてみたのですが、よく分かりませんでした。市場を独占し、買い叩きが起こっていた途上国で協同組合が作られ、間に入るとしても、それまでの市場独占の結果、買い手が買い叩き業者以外消え去っていた場合、結局、買い叩かれてしまうと思うのですが、実際の所はどうなのでしょうか(力の弱い新規業者が入れたり摺るのですか?)。また、フェアトレードや協同組合参画の結果、農作物の買い取り価格が上がり、不当な中間マージンの半分は除かれ、生産者に還元されるとして、一方で、消費者が本来より、高い金額で買わされているのはどうかと思うのですが、消費者側のマージン削減にはまた別の方法や組織形態が必要、もしくはあるのでしょうか。
  22. 非常に説得力があり、かつわかり易い講義をありがとうございました。小生も、食料生産はまさに国家安全保障の問題と捉えるべきと考えます。今回のコロナ禍によって、マスク、防護服、人工呼吸器等の医療器具を一部の国家が「外交の具」としてコントロールをしようとしていた(その後、世論の批判で統制を和らげたように見えます)実態がありますが、食料でこれが本格的に生じたら、世界は一層の大混乱に陥ることは必定です。バッタの大発生で近未来に食料危機が来るという「風評」も漏れ聞こえ、本問題の重要性と喫緊性にもっと人々は目を向けるべきと感じています。(上記の「一部国家」の部分は、掲示板等への公開によって、留学生の方が不愉快に思われるかもしれませんので、公開の際には削除いただいて結構です)。 (質問)組合組織の強化等で農民側のバーゲニングパワーを増大させるのは、「現実への延長」という点で、有用な政策と小生も思います。この観点を一層推し進め、例えば(1)農家の大規模化の支援(例えば法人運営化の促進)あるいは(2)国有化に近いような本格的な国家支援  という方向性は、やはり将来の方向性としても、現実的ではないのでしょうか?(1)は、大資本による労働者層の搾取への懸念、(2)も、歴史的に旧ソ連のソホーズ・コルホーズが理念に反し必ずしも成功できなかったことから、理想とは言い難いのかもしれませんが、この辺りについて、先生のご高見を賜れれば幸いです。(不勉強で青臭い質問で恐縮です)"
  23. 高校で習ったようなことをより深く取り上げたような内容だと感じました。より具体的であり、より現状の問題に対する理解が深まったように感じます。今回の講義の内容は世界規模的な話でしたが、これが日本国内でも起こっている可能性はあるのではと思うのですがいかがでしょうか。日本国内についても問題点に対してアプローチをしていくことで、底辺に見られがちな一次産業の地位をより向上させていくことができるのではないかと思いました。

講義1日目の分析  講義2日目の分析  講義3日目の分析  みぞらぼ, 農学国際専攻, 農学生命科学研究科, 東京大学


amizo[at]mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
Update by mizo (2020.6.12)