YukariHirano

平野 由香里 (ひらの ゆかり)

修士課程

研究内容:
高アミロース米お粥を添加した新規食パンの開発

近年、小麦粉の価格高騰や、米の供給過多といった背景から、小麦の一部を米に置換した、一般に米粉パンと 呼ばれる新製品が注目を集めています。しかし、米は小麦に含まれるグルテン(パンを膨らませる働きをする) を持っておらず、そのために小麦100%のパンよりも膨張率が小さくなる傾向にあります。 現在も、実際に小麦の一部を米粉に置換した製品がすでに市場に出回ってこそいますが、上記のような理由から、 その置換率は多い物でも10%程度にとどまっています(グルテンを別途追加しない場合)。
米粉は、我々の暮らしに馴染み深い米の新たな加工品として、最近急に脚光を浴びるようになりました。 米粉は、まず収穫した玄米を精米し、粉砕しやすいように乾燥させ、その後に粉砕するという 3段階の操作によって作られます。ご飯用の米と比較すると、後半の2つの操作分、余計に手間がかかっている ことになります。さらに、ご飯用の米は比較的長期の保存が可能ですが、一度粉にしてしまった米粉は それより保存性が劣るといった弱点もあります。
そこで本研究では、上記の2つの問題を一気に解決する策として、米粉ではなくお粥を用いた、 かつグルテンを追加せず米置換率を30%程度まで引き上げた食パンの開発を目指します。 近年、米粉ではない形態の米の添加の仕方としていくつもの方法が検討されてきましたが、 中でもお粥を添加する場合に、食感がよく、かつパンを焼いてから日がたってもおいしさが持続するといった点 から有用であることがわかってきました。現在は、そのノウハウを参考にしながらさらに試行錯誤を重ね、 可能な限り安価な材料にて、可能な限りおいしい食パンの開発を試みています。

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