東京大学 大学院農学生命科学研究科 アグリコクーン講義「国際農業と文化」

国際農業と文化ゼミナール2023


このページは、受講生のレポートを共有することにより、講義を単に受けっぱなしにせず、自分の考えを主体的に表現し、自分とは異なる視点もあることに気づくことで、より深みのある講義にすることを目的に作成しています。

1日目2日目3日目2023トップページ

Q2-1.松本教員の講義で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。

    "
  1. さまざまな国の畜産と、病気などの問題の違い ヤクの名前が模様やツノの形によって変わるのが面白かった"
  2. Despite the Japanese language, I was able to learn a lot, especially the idea of evening discussion, the lecturers answered our questions fully.
  3. 牛も人間のように気候に合わせた食生活や色、毛の生え方などがある。また、酪農とその現地の文化は密接に関わり合っている。
  4. 家畜の生産、消費は地域の宗教や慣習と結びついている場合がある。例えば、バリ島における牛の消費は主にムスリムによるもので、屠場ではハラル様式で屠殺が行われる。また豚、アヒル、鶏の消費は、バリヒンズー教の祭事と結びついている。
  5. 国によって家畜の育種の目的や消費の仕方が異なる。文化とも結びついている。
  6. アジアの家畜の分類について詳細に説明していただき、それぞれの種の特徴によって育て方が異なることが分かりました。環境や文化に応じて育てることで病気や感染症を防ぐことが重要だと思いました。
  7. 東南アジアの国に先進国の牛を導入するには耐暑性や濃厚飼料が手に入るか、の考慮が必要なこと。昨日の授業にて、コメに関する途上国の技術導入において、種の導入は比較的低コストで容易とのことだったが、ウシについては地域の気候や農作物の作付状況に大きく影響されることが理解できた。
  8. まず、あらゆる地域で様々な種類の肉が用いられていることを知り、純粋に知識が増えた。また、インドネシアでの畜産業活性化の取り組みは興味深く、他国の参考にもなると考えた。
  9. 自分が最初イメージしていた牛などの姿は家畜化の結果であり、本当はもっと色々な姿で存在している。
  10. 日本の黒毛和牛は雌雄の頭数に相当の開きがあることを知り非常に驚いた。このように日本の雄牛の遺伝子が偏り気味であり、牛肉生産の持続性のために雄牛の遺伝的多様性を保つ必要があるということ。(コシヒカリの例と類似しているように感じた。)
  11. As in southern Sudan, culture is different from the value of domestic animals.
  12. 東南アジアでも畜産が盛んであり、さまざまな種類の牛がいる。それぞれの生息環境に適応して育種がなされている。
  13. 育種の目的は1つだけではなく、さまざまな目的に応じてさまざまな品種が必要とされていると感じた。
  14. Amazing discoveries
  15. 各国の家畜の種類やその飼育方法について
  16. 牛の種類ごとの特性として、粗試料耐性があり稲わらでもよく育つ種類や稲わらは口にさえしない種類の牛がいる。これによって試料のコストが大きく変化する。
  17. 各国の状況を正確に詳しく把握できていること。私の専門と松本先生の専門は大きく異なるが、専門がなんであれ、自分が専門としていることは幅広く深く見ることが大事だなと感じていた。
  18. 動物の栄養要求量の計算の計算の仕方。
  19. 品種によって、牛の用途に大きな影響があります。
  20. 同じ牛であっても、品種が違うとこんなにも異なる特性を持っているのかと驚きました。それぞれに特異的な感染症などもあったりもすると思うので、違いを把握しておくことは大切だと思いました。
  21. 東南アジアでも畜産が盛んで、牛の種類も豊富です。飼育は各種の生息環境に応じて行われます。
  22. The color, size and reproductive status of domestic animals are all affected by the regional environment
  23. This lecture introduced the current situation of animal husbandry, especially cattle and chicken, in Japan and other countries, as well as the important animal infectious diseases.

Q2-2.阪井教員の講義で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。

  1. Very interesting fishery economics
  2. 水産資源の資源量と再生産量から、どのように漁獲可能量が決まるかという点
  3. 漁獲量と魚の量のバランスをとることの重要さ
  4. 水産資源は共有資源 "
  5. 数理モデルでの議論が難しかった 結局人間の欲深さによって制限を破られているというのが問題?"
  6. 水産資源の特殊性として、農業と比較して生産費用が低いはずであるということ、特に資源量が豊富なうちは漁獲にかかる費用は著しく低いということは知っていた。しかし、漁業が乱獲に陥る要因は個人の所有権の欠如であるという観点はなく、興味深かった。
  7. 漁獲量や成長量と収益やコストの関係を数理モデルや経済学の観点から考えるのが興味深かったです。数理モデルの解釈から実際にどうすれば良いのか考える必要があると思います。
  8. 4つのエリアの中でBが現状最も多いということだったが、実際にBに該当するものに関して資源量が増えているというデータがあるのか気になった。
  9. In the current poor fish situation, it is necessary to regulate it through methods such as controlling the number of fishermen. And gained an understanding of economics of overfishing how to affect fishers and fish.
  10. 水産資源はコメなどと違い天然資源であり、そのため「所有権の欠如」という問題がある。従って乱獲に繋がりやすい、ということ。 (農業機械の例えが印象的だった)
  11. growth-populationのグラフが興味深かった。僕は常に頂点(漁獲量最大の点)での漁獲が効率が良いと感じたが、不測の事態に備えるために余裕を持って頂点より右側の点のような漁獲を行う必要があること。
  12. 漁業において漁獲量が、資源量に対して大きくなりすぎてしまうのには漁業者の性格のせいではなくて、漁業資源が共用の資源であるという漁業の特徴によるものである。これが、経済学、数理モデルを用いることで説明できる。
  13. 今は経済学など社会科学的な学問を学ぶ機会はだいぶ減ってしまったが、やはり教養として考え方を身につけておくことには大きな意味があるのかもしれないなと授業を聞きながら思った。久しぶりに阪井先生にお会いできて嬉しかった。
  14. 現在の漁業のパワーは凄まじい。例えば一番大きな底引網にはボーイング747が13機入る。環境や生態系フレンドリーな漁業を行い、資源が回復することを願っている。
  15. 数理モデルを利用することで、漁獲量や成長など、さまざまなことを考えることができる点。
  16. 過度な漁獲が起こるのは、水産資源が共有資源であり、個人の所有権がないためである(漁師が強欲な場合もあるが)。これは経済的な観点からモデルを使って説明することができる。
  17. 普通の農業よりも漁業のコストは低く見えますが、無制限に漁を行うことはできません。海洋の生態バランスを保護し、漁業生産量を拡大するというジレンマが存在するため、より深く研究する必要がありますと思います。
  18. 自分の専門ではあるとはいえ、MSYがどのように求められているのかを改めて学ぶことができました。モデルがなかなか通用しない世界なので、できるだけ近付けるようにモデルの改変というのも必要だと感じました。
  19. The state of fishing in the oceans is worrying, but finding a solution seems difficult. Regionalizing large areas of the ocean might simplify the problem to some extent
  20. In this lecture, the professor presented us the state of the world fishery and the economics of overfishing with the usage of mathematical model.

Q2-3.秋山教員の講義で重要だと思ったことを 1 つ挙げてください。

  1. 前半のお話は以前に勉強した内容が多く登場したので復習することができた。また、紙については、知らない事柄も多く、勉強になった。日本の紙生産量が世界第3位を誇るという事実は、もっと広く知れ渡っても良いのではと思った。
  2. 木材には他の素材とはまた異なる魅力を持つ。プラスチックなどとは異なる天然物に多くの魅力があることを知った。
  3. 木材は軽いが、鉄やアルミよりも高い強度を持つ。日本には高い製紙技術がある。
  4. 木材は、熱分解などによりスケールダウンすることにより発電時のエネルギー利用効率が高くなる。
  5. 伐採された樹木が木材として利用されるのは4割にすぎず、資源、エネルギー利用効率が良くない。今後、木材に利用されていない部分の利用方法を考えていかなければならない。
  6. 「紙」は気候、文化と関係があること。
  7. 植物中に含まれる物質のうち最も多く含まれているのがセルロースである。人類は製紙などさまざまな方法でセルロースを加工し、用いる手段を見出してきた。
  8. 植物細胞壁の主成分であるセルロースは、紙や再生繊維の原料として用いることができると分かりました。様々な原料でできた紙を実際に触ることでその違いが分かりました。
  9. 日本の製紙原料の半分以上を古紙が占めていることや、クラフト蒸解や薬液の再生していることなど、製紙産業では一度使ったら終わりでなく、再利用をする技術が確立していること。自身が普段使う紙はすべて白くてきれいなため、再生技術の高さがうかがえた。
  10. セルロースの意外な凄さ
  11. 木材は金属と比較して比強度が高い
  12. As a Renewable resource, plant resource plays a key role in carbon storage, energy supply and papermaking.
  13. 今までは、紙はものすごく薄い木だと思っていたが、かなり手間をかけて作っているものだと知った。大昔からあったことにも驚いた。
  14. 紙は紀元前から人間の生活に使われていて、いろいろな工夫がされて現在に至るのが面白いな面白いなと感じた。
  15. 繊維間の無数の水素結合によって紙のシート形状が保たれる。その水素結合は、水に浸漬すれば開裂するため、紙はリサイクル利用に極めて優れた材料と言える。
  16. 日本の紙の原料の60%以上は古紙リサイクルから得られています。植物資源には現在の樹木林だけでなく、資源の再利用も重視される必要があると思います。
  17. 膨大な森林資源からどのようにセルロースを取り出して加工していくか。また、用途や種類によって加工方法が違うということ。
  18. 製紙業になかなか注目したことがありませんでしたが、どのような現状があって、どのような課題があるのかを理解することができました。時代の変化に伴って、産業というのが衰退していくことの是非も考えてみたいと思います。
  19. The number of paper mills in Japan is amazing and besides, Japan has been recycling paper all the time, which I think is a very admirable thing
  20. By learning the paper industry ?? the history, development, technology of paper, we can know the utilization of plant resource.
  21. By learning the paper industry ?? the history, development, technology of paper, we can know the utilization of plant resource.

Q2-4.総合討論「農業と資源」で取り上げてほしいテーマを書いてください。

  1. 中国はチベットにおける水資源を、下流地域の東南アジア諸国に対する政治的手段として利用していると聞いた。こうした国家間の水利用に関する課題が気になっている。
  2. Livestock Insurance in Asia
  3. バイオマスエネルギー
  4. 畜産業では、多くの水資源が用いられるが、水資源を持続的に利用しながら、今後人口増加とともに増加すると考えられるタンパク質の需要に応えられるのか。
  5. ・授業の内容からそれるが、天然資源ではない、養殖に関してはどのような規制があるのか(必要なのか)。 ・最近は電子化が進んでおり、ペーパーレス化という言葉があるように紙の使用はネガティブに捉えられている。そうした状況下での「紙」の価値とは何か(使い続けるべきなのか)。
  6. 製紙において日本で伐採した木を使用した方が海外のものよりもコストが高くなるのはなぜか
  7. 先生方それぞれがどうしてその研究テーマに落ち着いたのか気になります。
  8. 日本の紙・板紙の生産量は世界3位とのことだが、文化的に紙の利用が多いのでしょうか。 個人的には、紙の本や資料には電子書籍には無い良さがあると考えていますが、国によってその考え方に違いがあるのか気になりました。
  9. アニマルウェルフェア?
  10. 製紙産業のこれから
  11. 農業の発展と生態系の保護のジレンマ
  12. 公共財である水産資源は管理できるか
  13. Plant resources, animal resources, and aquatic resources Which resources is currently the most severely depleted.
  14. セルロースの利用
  15. セルロース利用の可能性
  16. Reducing the number of factories may be difficult, what about using other resources instead of wood to make paper? Such as other household garbage and so on
  17. The usage and development of plants, animals and aquatic resources.

Q2-5.2日目の講義の感想を書いてください。

  1. 1日目とはまた異なる内容で興味深かった。1日目のように先生方との対話形式で行う討論では、先生の意見をより詳しく、深く聞くことができた。一方で2日目のグループディスカッション形式では、より多くの人の意見を聞くことができ、新鮮だった。また、自分が意見を言う機会も多かった。どちらもとても有意義なディスカッションで、この講義を履修できてよかったと思った。 "
  2. それぞれの資源の利用において、異なる課題が存在することが理解できた。 動物資源については家畜動物は植物と異なって他国に持ち込んでもその他の条件も含めて整備をしないと生育が難しいこと、水産資源については農業と異なり、所有権がないことで乱獲の問題が発生していること、植物資源利用については製紙のように有効活用する技術が確立している一方で、未利用な資源がまだまだ存在し森林資源の総合利用が今後の課題であることが分かった。 今日の総合討論ではグループディスカッションがメインだったが、他分野、海外留学生と議論したことで自身には無い視点からの意見を聞くことができて楽しかった。"
  3. 紙の歴史の話が特に興味深かった。デジタル化に伴って、今後紙が作られなくなることもあるのか気になった。
  4. 以前論文で見たことがありますが、地球上の家畜の生物量は陸地上の野生哺乳類よりもはるかに多く、ある意味で地球の生態系の構造が深刻に歪んでいると感じます。家畜生産量の向上と野生動物の保護の両方が非常に重要だと思います。
  5. 総合討論のディスカッションテーマの粒度がぼやけていて、具体的な議論に結びつきにくかった。
  6. Thank you very much to the three teachers for their lectures. Based on the understanding of the current situation of animal resources, plant resources, and aquatic resources, this study analyzed issues such as resource utilization, resource protection, and human and cultural aspects.
  7. 最後の討論が、抽象的な議題に対して幅広い意見を聞くことができ、知見が広がった。現状確認は行ったが解決策まで考えるのはなかなか難しかった。
  8. 本日の内容を振り返りつつ、新しい視点で議論ができたので大変面白かったです。
  9. 1日目よりも総合討論における学生間の意見交換が活発だった。様々な意見を聞くことができ面白かった。
  10. 自分の専門分野と似ているということもあり、阪井先生の講義がとても面白かったです。段階的にモデルの説明をしてくださったので、とてもわかりやすかったです。
  11. 植物、畜産、水産がどのように現状なされているか、どのような問題を抱えているかは、農学を学ぶ上での教養だと思う。今回はその一部をパッケージ的に紹介いただき、大変興味深かった。学部時代の卒論研究で見た他人の研究の背景にはこのような問題があったのかと感じる場面もあった。
  12. 本日の講義を受けて、動物、水産、植物という3分野の資源についてどのように利用されてきたかを学ぶことができました。また、総合討論ではこれらの資源について現在の課題をどう克服していくか、また今後どうなっていくか考えることができ、とても有意義な時間となりました。
  13. 今日は昨日よりもグループディスカッションの時間が長く、より理解を深められました。乳牛にセルロースを飼料添加するという考えはとても面白いと思いました。
  14. 今日も長い時間で集中力を維持するのが大変だったが、昨日を経験した後なので昨日よりは楽に感じた。一口に資源と言ってもその種類や活用方法は様々なことを学べた。総合討論でも多角的な意見を取り入れることができ、充実した時間だった。
  15. 資源が不足している一方で過剰なエネルギーを投入し作られた食品を求めてしまう、人間の嗜好について考えることも必要になってくると感じた。
  16. 水産資源は規模の大きさと資源自体の移動性のために、世界規模での管理が必要である。しかし、里山のようにコミュニティ内で文化を共有していない点が管理を困難にしているのだと気づいた。
  17. すみません、送信忘れです。今回は資源をどう効果的に活用するか、という点に焦点があったように思います。人間は資源を使いすぎてしまうため、しっかりと資源に関する実状を研究した上で、人間自身が守ることができる資源の管理の在り方を考えていかなければならないと思います。
  18. 総合討論をグループディスカッション形式でできたのがよかった。色々な人の考えを聞いて、自分の知識も深まったし、農業を考える良いきっかけになったと思います。
  19. The group discussion session at the end was very interesting. Everyone came from different fields and learned a lot from exchanging ideas
  20. After listening to these lessons, my vision of agriculture has been broadened, and I feel that my research is insignificant in the the sketch of sustainable of agriculture, but also full of values.



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Update by mizo (2023.6.8)