冷凍米飯の長期保存における氷結晶の計測

都甲洙,山本怜人,宋珉錫,姜起文,佐瀬勘紀,裵英煥,上野茂昭,荒木徹也  2018

「冷凍米飯の長期保存における氷結晶の計測」

日本冷凍空調学会論文集 最新号要旨(Vol.35,No.3)

日本冷凍空調学会論文集,35(3), 251-259.


要旨

本研究では,冷凍米飯の長期保存における氷結晶サイ ズを計測するために,一定の計測範囲内(540μm× 432μm)における氷結晶の単一分光画像による計測,炊 飯前の米粒の浸漬時における胴割れと水分浸透の計測, および胴割れ箇所における氷結晶の連続分光画像による 計測を行った.氷結晶の相当円直径の平均値は,凍結 直後が22.7μm,12 ヶ月間保存後が36.6μm(凍結直後 の約1.6 倍)であった.保存期間が長くなるにつれて,小 さな氷結晶が減少し,大きな氷結晶が増加した.米粒の 吸水開始から4 分後に胴割れ箇所に水が浸透し,26 分後 に全体に浸透した.氷結晶の連続分光画像計測では,統 合画像の大きさが3850μm × 420μm で,氷結晶短軸の 最小1.4μm,長軸の最大692.6μm で,相当円直径の最 小4.0μm から最大440.7μm であった.また,単一分光 画像の計測範囲より大きな氷結晶および胴割れ箇所の氷 結晶が計測された.